積分

積分 に関する66記事をまとめました。くわしくは各リンク先を見てください。

基準を xx ではなく xαx-\alpha にして積分すると楽な場合がある。

→置換積分を用いずに積分速度を上げる公式

1/6公式

αβ(xα)(xβ)dx=16(βα)3\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta)dx=-\dfrac{1}{6}(\beta-\alpha)^3

→放物線と直線で囲まれた面積を高速で求める1/6公式

置換積分の公式(不定積分)

x=g(t)x=g(t) と置換すると, f(x)dx=f(g(t))dxdtdt \int f(x)dx=\int f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt

→置換積分の公式の証明と例題

原始関数とは

微分すると f(x)f(x) になるような関数 F(x)F(x)f(x)f(x) の原始関数と言う。

→原始関数の定義といろいろな例

部分積分の公式

部分積分

ただし,ff'ff の微分GGgg の積分G(x)=g(x)G'(x)=g(x))。

→部分積分の公式と覚え方,例題

(高校数学における)不定積分

微分すると f(x)f(x) になる関数(全体)のことを f(x)f(x)不定積分と言う。

f(x)f(x) の不定積分を f(x)dx\displaystyle\int f(x)dx と書く。

不定積分とは

→不定積分の意味・公式・例題

定積分

abf(x)dx\displaystyle\int_a^b f(x)dx とは,F(b)F(a)F(b)-F(a) のことを表す。

ただし,F(x)F(x) は微分すると f(x)f(x) になる関数。

→定積分

eaxcosbx dx=eaxa2+b2(acosbx+bsinbx)+C\displaystyle\int e^{ax}\cos bx \ dx=\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\cos bx+b \sin bx)+C

eaxsinbx dx=eaxa2+b2(asinbxbcosbx)+C\displaystyle\int e^{ax}\sin bx \ dx=\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\sin bx-b \cos bx)+C

→三角関数と指数関数の積の積分を一発で求める公式

定積分と面積

y=f(x)y=f(x)x=a,x=bx=a,x=b および xx 軸で囲まれた部分の面積は,abf(x)dx\displaystyle\int_a^b f(x)dx という定積分で計算できる。 定積分と面積

(ただし,axba\leqq x\leqq b において f(x)0f(x)\geqq 0 とする)

→なぜ定積分で面積が求まるのか

瞬間部分積分

1:三列の表をつくる。二列目に上から f(x),f(x),f(x),f(x),f'(x),f''(x),\cdots00 になる手前まで格納する。

2:三列目に上から gg の積分,gg の二階積分,\cdots と格納する。

3:一列目に上から +,,++, -, +\cdots と交互に格納する。

4:横にかけて縦に足す。

→瞬間部分積分のやり方と例題2問

対数関数の不定積分

logxdx=xlogxx+C\displaystyle\int \log xdx=x\log x-x+C

→log xの積分計算の2通りの方法と発展形

tanxdx=logcosx+C\displaystyle \int \tan xdx=-\log |\cos x|+C

tan2xdx=tanxx+C\displaystyle \int \tan^2 xdx=\tan x-x+C

tannxdx=1n1tann1xtann2xdx\displaystyle \int \tan^n xdx=\dfrac{1}{n-1}\tan^{n-1}x-\int\tan^{n-2}xdx

→タンジェントとそのn乗の不定積分

指数関数の積分公式

exdx=ex+C\displaystyle\int e^xdx=e^x+C axdx=axloga+C\displaystyle\int a^xdx=\dfrac{a^x}{\log a}+C

(ただし,a>0,a1a>0,a\neq 1

→指数関数(e^xとa^x)の積分と関連する公式

定積分で表された関数の微分の公式:

ddxaxf(t)dt=f(x)\displaystyle\frac{d}{dx}\int_a^xf(t)dt=f(x)

(ただし,f(t)f(t)tt に関する1変数の関数)

→定積分で表された関数の微分の公式

回転体の体積公式

回転体の体積

y=f(x)y=f(x)x=ax=ax=bx=bxx 軸で囲まれた領域を xx 軸のまわりに回転させてできる図形の体積は,

V=abπ{f(x)}2dx V=\int_{a}^b\pi \{f(x)\}^2dx

→回転体の体積を求める公式

区分求積法

区分求積法とは,「長方形の面積の和」で横幅を限りなく小さくしたものy=f(x)y=f(x) の下側部分の面積が等しいという式:

limn1nk=1nf(kn)\displaystyle\lim_{n \to \infty} \dfrac{1}{n}\sum_{k=1}^n f\left(\dfrac{k}{n}\right)==01f(x)dx\displaystyle\int_0^1 f(x)dx

区分求積法の考え方

→区分求積法をわかりやすく【意味・例題・応用】

問題

O\mathrm{O} を原点とする xyxy 平面を考える。直線 x=1x = 1 上に点 A\mathrm{A} を取る。直線 OA\mathrm{OA}x0x \leqq 0 の部分に AB=2\mathrm{AB} = 2 を満たす点 B\mathrm{B} が存在するとき, 以下の問いに答えよ。

(1) 直線 OA\mathrm{OA}xx 軸がなす角を, xx 軸の正方向から反時計回りを正として測って t(π2tπ2)t \, \left( - \dfrac{\pi}{2} \leqq t \leqq \dfrac{\pi}{2} \right) とする。OB=r(r0)\mathrm{OB} = r \, (r \geqq 0) とするとき, rrtt を用いて表せ。

(2) 点 A\mathrm{A} が直線 x=1x = 1 上をくまなく動くとき, 点 B\mathrm{B} の軌跡を CC とする。曲線 CCyy 座標の最大値を求めよ。

(3) 曲線 CC によって囲まれる領域の面積を求めよ。

→微分・積分・極限分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

置換積分の公式(不定積分)

x=g(t)x=g(t) と置換すると, f(x)dx=f(g(t))dxdtdt \int f(x)dx=\int f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt である。

→置換積分で簡単になる計算例

置換積分の公式(不定積分)

x=g(t)x=g(t) と置換すると, f(x)dx=f(g(t))dxdtdt \int f(x)dx=\int f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt である。

→三角関数に関する置換積分3パターン

部分積分の公式

x=g(t)x=g(t) と置換すると, f(x)dx=f(g(t))dxdtdt \int f(x)dx=\int f(g(t))\dfrac{dx}{dt}dt である。

→部分積分で簡単になる計算例

シュワルツの不等式の積分バージョン

pxqp\leqq x\leqq q で定義された任意の連続関数 f(x),g(x)f(x),g(x) に対して, (pqf(x)2dx)(pqg(x)2dx)(pqf(x)g(x)dx)2 \left(\int_p^q f(x)^2dx\right)\left(\int_p^q g(x)^2dx\right) \geq \left(\int_p^q f(x)g(x)dx\right)^2 等号成立条件は g(x)=tf(x)g(x)=tf(x) となる tt が存在する(または f(x)=0f(x)=0 である)こと。

→シュワルツの不等式の積分形

ベータ関数の積分公式

m,nm, n00 以上の整数のとき,以下のような積分公式が成立する:

(i) 第一種オイラー積分 αβ(xα)m(βx)ndx=m!n!(m+n+1)!(βα)m+n+1 \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^m(\beta-x)^ndx=\dfrac{m!n!}{(m+n+1)!} (\beta-\alpha)^{m+n+1} (ii) 特に,α=0,β=1\alpha=0, \beta=1 とすると, 01xm(1x)ndx=m!n!(m+n+1)! \int_0^1 x^m(1-x)^ndx=\dfrac{m!n!}{(m+n+1)!}

→ベータ関数の積分公式

1sinxdx=12log(1cosx1+cosx)+C\displaystyle\int \dfrac{1}{\sin x}dx=\dfrac{1}{2}\log\left(\dfrac{1-\cos x}{1+\cos x}\right)+C

1cosxdx=12log(1+sinx1sinx)+C\displaystyle\int \dfrac{1}{\cos x}dx=\dfrac{1}{2}\log\left(\dfrac{1+\sin x}{1-\sin x}\right)+C

→1/sinx(サイン分の1)と1/cosx(コサイン分の1)の積分

ウォリス積分

0π2sinnxdx=0π2cosnxdx={(n1)!!n!!(nが奇数)(n1)!!n!!π2(nが偶数) \int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^n xdx = \int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^n xdx = \begin{cases} \dfrac{(n-1)!!}{n!!} &(n \text{が奇数})\\ \dfrac{(n-1)!!}{n!!}\dfrac{\pi}{2} &(n \text{が偶数}) \end{cases}

→ウォリス積分~sinのn乗,cosのn乗の積分公式

公式1:dxx2+a2=log(x+x2+a2)\displaystyle\int \dfrac{dx}{\sqrt{x^2+a^2}}=\log(x+\sqrt{x^2+a^2})

公式2:x2+a2dx=12(xx2+a2+a2log(x+x2+a2))\displaystyle\int \sqrt{x^2+a^2}dx=\dfrac{1}{2}(x\sqrt{x^2+a^2}+a^2\log(x+\sqrt{x^2+a^2}))

→ルートx^2+a^2の積分計算の2通りの方法

ヤングの不等式(Young's inequality)

a,b>0,p,q>1,1p+1q=1a, b > 0,\:\:p,q > 1,\:\:\dfrac{1}{p}+\dfrac{1}{q}=1 のとき, app+bqqab\dfrac{a^p}{p}+\dfrac{b^q}{q}\geq ab 等号成立条件は ap=bqa^p=b^q

→ヤングの不等式の3通りの証明

King Property

abf(x)dx=abf(a+bx)dx\displaystyle\int_a^bf(x)dx=\displaystyle\int_a^bf(a+b-x)dx

→対称性を用いた定積分の計算(King Property)

ガウス積分

ガウス積分とは,以下のような定積分のことです。

pic01

→ガウス積分の公式の2通りの証明

三角関数の積の積分は,積和公式で和にすることで計算できる。

→三角関数の積の積分と直交性

極方程式と面積

r(θ)r(\theta) が連続関数のとき,極方程式 r=r(θ)r=r(\theta) で表される曲線と θ=α,β\theta=\alpha, \beta で囲まれる部分の面積は,αβ12r(θ)2dθ\displaystyle \int_{\alpha}^{\beta}\dfrac{1}{2} r (\theta)^2 d \theta で表される。

→極方程式の面積公式と例題

バームクーヘン積分(バウムクーヘン分割)

バームクーヘン積分の図

連続関数 y=f(x)y=f(x)xx 軸,x=α,x=βx=\alpha,x=\beta\: (ただし 0α<β0\leqq \alpha <\beta)で囲まれた図形を yy 軸の回りに回転させてできる立体の体積 VV は, V=αβ2πxf(x)dxV=\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}2\pi x|f(x)|dx となる。

→バームクーヘン積分の例と証明

パップスギュルダンの定理

面積が SS である平面図形 AA がある。AA を直線 ll の回りに回転させてできる回転体の体積 VV は,

V=2πgxS=V=2\pi g_xS=(重心の移動距離) ×S\times S

gxg_x は重心と回転軸の距離)

ただし,AA を回転させる過程で AA 自身とは重ならないとする。

→パップスギュルダンの定理とその証明

傘型分割(傘型積分)

傘型分割

図のように,直線 l:y=mxl:y=mx と曲線 y=f(x)y=f(x) で囲まれた部分を ll の回りに回転させてできる図形の体積は, πcosθab{mxf(x)}2dx\pi\cos\theta\displaystyle\int_a^b\{mx-f(x)\}^2dx ただし,θ\thetallxx 軸のなす角で,m=tanθm=\tan\theta

→傘型分割(傘型積分)と斜回転体の体積

ガウスグリーンの定理

ガウスグリーンの定理

x=x(t),y=y(t)x=x(t),\:y=y(t) と媒介変数表示された曲線 CC がある。 αtβ\alpha\leq t\leq \beta の範囲で tt の増加とともに (x(t),y(t))(x(t),y(t)) が原点中心に反時計回りに動くとき,動径が掃いた部分の面積は, S=αβ12(xyyx)dtS=\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}\dfrac{1}{2}(xy'-yx')dt

→ガウスグリーンの定理の入試への応用

曲線の長さ(普通の関数版)

y=f(x)y=f(x) で表される曲線の axba\leq x\leq b の部分の長さは, ab1+f(x)2dx \int_{a}^{b}\sqrt{1+f'(x)^2}dx (ただし,f(x)f(x) は微分可能で f(x)f'(x) は連続とする)

→曲線の長さを計算する積分公式(弧長積分)

台形公式を使うことで定積分の近似値を求めることができる。

→台形公式を用いた積分の近似とその誤差

  • 有理式(有理関数・分数関数)の不定積分は必ず計算できる。
  • 三角関数の有理式の積分は tanx2=t\tan\dfrac{x}{2}=t と置換することによって必ず計算できる。

→三角関数の有理式の積分

極座標における回転体の体積公式

極座標平面において,図のように θ=α,θ=β,r=r(θ)\theta=\alpha,\:\theta=\beta,\:r=r(\theta) で囲まれた,xx 軸の上側にある図形を DD とする。 DDxx 軸(始線)の回りに回転させてできる立体の体積は,

23παβr(θ)3sinθdθ\dfrac{2}{3}\pi\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta} r(\theta)^3\sin\theta d\theta

→極座標における回転体の体積公式

考える図形

pic01 半径 rr の円を軸のまわりに回転させてできる図形を考える。軸から円の中心までの距離を R(r)R\:(\geq r) とする。

→ドーナツ(トーラス体・円環体)の体積・表面積を2通りの方法で計算

東大理系数学2019 第一問

次の定積分を求めよ。

01(x2+x1+x2)(1+x(1+x2)1+x2)dx \int_0^1 \left( x^2 + \dfrac{x}{\sqrt{1+x^2}} \right) \left( 1 + \dfrac{x}{(1+x^2) \sqrt{1+x^2}} \right) dx

→【解説】東大理系数学2019 第一問

オイラーの定数

γ=limn(k=1n1klogn) \gamma = \lim_{n \to \infty} \left( \sum_{k=1}^n \dfrac{1}{k} - \log n \right) オイラーの定数(オイラー・マスケローニ定数)といいます。

→オイラーの定数γの意味と東大の過去問

定理

π\pi を円周率とする。正の整数 nn に対し an=0231x4n1+x2dxbn=0231+x4n+21+x2dx\begin{aligned} a_n &= \int_0^{2-\sqrt{3}} \dfrac{1-x^{4n}}{1+x^2} dx \\ b_n &= \int_0^{2-\sqrt{3}} \dfrac{1+x^{4n+2}}{1+x^2} dx \end{aligned} とおく。

  1. limnan=limnbn=π12\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n = \lim_{n \to \infty} b_n = \dfrac{\pi}{12} を示せ。
  2. 3.141<π<3.1423.141 < \pi < 3.142を証明せよ。ただし 1.7320508<3<1.7320509 1.7320508 < \sqrt{3} < 1.7320509 である。

→arctan のマクローリン展開を用いた円周率の計算~大阪大学挑戦枠2013

東京大学理系数学2025年 第2問
  1. >0ⅹ>0 のとき,不等式 logxx1\log x \leqq x - 1 を示せ。

  2. 次の極限を求めよ。 limnn12log(1+x1n2)dx \lim_{n \to \infty} n \int_1^2 \log \left( \dfrac{1+x^{\frac{1}{n}}}{2} \right) dx

→【解答・解説】東大理系数学2025 第2問

東京大学理系数学2025年 第1問

座標平面上の点 A(0,0)\mathrm{A} (0,0)B(0,1)\mathrm{B} (0,1)C(1,1)\mathrm{C} (1,1)D(1,0)\mathrm{D} (1,0) を考える。実数 0<t<10 < t < 1 に対して,線分 AB\mathrm{AB}BC\mathrm{BC}CD\mathrm{CD}t:(1t)t : (1-t) に内分する点をそれぞれ Pt\mathrm{P}_tQt\mathrm{Q}_tRt\mathrm{R}_t とし,線分 PtQt\mathrm{P}_t \mathrm{Q}_tQtRt\mathrm{Q}_t \mathrm{R}_tt:(1t)t:(1-t) に内分する点をそれぞれ St\mathrm{S}_tTt\mathrm{T}_t とする。さらに線分 StTt\mathrm{S}_t \mathrm{T}_tt:(1t)t:(1-t) に内分する点を Ut\mathrm{U}_t とする。

  1. Ut\mathrm{U}_t の座標を求めよ。
  2. tt0t10 \leqq t\leqq 1 の範囲を動くときに点 Ut\mathrm{U}_t が描く曲線と,線分 AD\mathrm{AD} で囲まれた部分の面積を求めよ。
  3. aa0<a<10 < a < 1 を満たす実数とする。tt0ta0 \leqq t \leqq a の範囲を動くときに点 Ut\mathrm{U}_t が描く曲線の長さを,aa の多項式の形で求めよ。

→【解答・解説】東大理系数学2025 第1問~ベジェ曲線

底面の半径が r1r_1,天面の半径が r2r_2,高さが hh である球台の体積は,

V=16πh(3r12+3r22+h2)V=\dfrac{1}{6}\pi h(3r_1^2+3r_2^2+h^2)

→球欠,球台の体積と球冠,球帯の表面積

ボールウェイン積分

00 以上の整数 nn と,k=1nak1\displaystyle\sum_{k=1}^n|a_k|\leq 1 を満たす実数 a1,,ana_1,\cdots, a_n に対して,

0sinxx(k=1nsinakxakx)dx=π2 \int_0^{\infty}\dfrac{\sin x}{x}\left(\prod_{k=1}^n\dfrac{\sin a_kx}{a_kx}\right)dx=\dfrac{\pi}{2}

→ボールウェイン積分

Sophomore's dream

(1) 011xxdx=n=11nn\displaystyle\int_{0}^1\dfrac{1}{x^x}dx=\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{n^n}

(2) 01xxdx=n=1(n)n\displaystyle\int_{0}^1x^xdx=-\sum_{n=1}^{\infty}(-n)^{-n}

→2年生の夢(sophomore's dream)

ルジャンドル多項式

Pn(x)=12nn!dndxn(x21)n P_n (x) = \dfrac{1}{2^n n!} \dfrac{d^n}{dx^n} (x^2-1)^n と表される多項式系をルジャンドル多項式という。

→ルジャンドル多項式の性質と計算

112\sqrt{2} の算術幾何平均 M(1,2)M(1,\sqrt{2}) は,単位円周の長さ l=2πl=2\pi とレムニスケートの長さ LL の比に等しい: M(1,2)=lL M(1,\sqrt{2})=\dfrac{l}{L}

→算術幾何平均とレムニスケートの長さ

オイラー・マクローリンの和公式(Euler–Maclaurin formula)

任意の正の整数 m,nm,n に対して,

x=1nf(x)0nf(x)dx=12{f(n)f(0)}+k=1mb2k(2k)!{f(2k1)(n)f(2k1)(0)}1(2m)!0nB2m(xx)f(2m)(x)dx\displaystyle\sum_{x=1}^nf(x)-\int_0^nf(x)dx\\ =\dfrac{1}{2}\{f(n)-f(0)\}\\\:\:+\displaystyle\sum_{k=1}^m \dfrac{b_{2k}}{(2k)!}\{f^{(2k-1)}(n)-f^{(2k-1)}(0)\}\\ \:\:-\dfrac{1}{(2m)!}\displaystyle\int_0^nB_{2m}(x-\lfloor x\rfloor)f^{(2m)}(x)dx

ただし,f(x)f(x)0xn0\leq x \leq n において C2mC^{2m} 級である関数。

→オイラー・マクローリンの和公式

楕円積分(ルジャンドルの標準形)
  • E(k,ϕ)=0ϕ1k2sin2θdθE(k,\phi)=\displaystyle\int_0^{\phi}\sqrt{1-k^2\sin^2\theta}d\theta
    のことを第二種楕円積分という。

  • F(k,ϕ)=0ϕ11k2sin2θdθF(k,\phi)=\displaystyle\int_0^{\phi}\dfrac{1}{\sqrt{1-k^2\sin^2\theta}}d\theta
    のことを第一種楕円積分という。

→楕円積分の意味と身近な4つの例

台形公式

abf(x)dx(ba)2f(a)+(ba)2f(b)\displaystyle\int_a^bf(x)dx\fallingdotseq\dfrac{(b-a)}{2}f(a)+\dfrac{(b-a)}{2}f(b)

特に,f(x)f(x) が1次以下の多項式なら両辺は等しい。

→ガウス求積法(Gauss–Legendre 公式)

掛け算の形の極限は log\log を取ることで計算できることがある。

→log × 区分求積

nn 次元単位超球の体積は,

Vn=πn2Γ(n2+1)V_n=\dfrac{\pi^{\frac{n}{2}}}{\Gamma(\frac{n}{2}+1)}

→n次元超球の体積の求め方と考察

0x3ex1dx=π415\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{x^3}{e^x-1}dx=\dfrac{\pi^4}{15}

→x^3/e^x-1の定積分

  • limbabf(x)dx\displaystyle\lim_{b\to\infty}\int_a^bf(x)dx のことを,af(x)dx\displaystyle\int_a^{\infty}f(x)dx と書くことがある。

  • limaabf(x)dx\displaystyle\lim_{a\to -\infty}\int_a^bf(x)dx のことを,bf(x)dx\displaystyle\int_{-\infty}^{b}f(x)dx と書くことがある。

→広義積分の意味といろいろな例

コーシーの積分公式(コーシーの積分表示)
  • DD を単純閉曲線(自分と交わらない閉じた曲線)で囲まれた領域とする。
  • ff を領域 D=DD\overline{D} = D \cup \partial D で正則な関数とする。

このとき DD の内部の任意の点 zz f(z)=12πiDf(ζ)ζzdζ f(z) = \dfrac{1}{2\pi i} \oint_{\partial D} \dfrac{f(\zeta)}{\zeta - z} d\zeta となる(線積分の向きは反時計回り,より厳密には領域の内側から見て左周りに定める)。

ex

→コーシーの積分公式とその応用~グルサの定理・モレラの定理

重積分の変数変換

2変数 x,yx,y を2変数 u,vu,v に変換する。

このとき xyxy 平面上の領域 DDuvuv 平面上の領域 EE に一対一に対応するとき,DD 上の積分可能関数 ff の重積分は次のように計算される。 Df(x,y)dxdy=Ef(x(u,v),y(u,v))detJdudv \iint_D f(x,y) dxdy = \iint_E f(x(u,v),y(u,v)) |\det J| dudv ただし detJ|\det J| はヤコビ行列 J=(xuxvyduyv)J=\begin{pmatrix} \dfrac{\partial x}{\partial u} & \dfrac{\partial x}{\partial v}\\ \dfrac{\partial y}{du} & \dfrac{\partial y}{\partial v} \end{pmatrix} の行列式(ヤコビアン)の絶対値である。

なお,nn 変数のときも同様に計算される。

→重積分の変数変換とヤコビアン

バーゼル問題

n=11n2=π26 \sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{n^2} = \dfrac{\pi^2}{6}

→重積分を用いたバーゼル問題の美しい証明

逐次積分できる条件

ff[a,b]×[c,d][a,b] \times [c,d] 上で

  1. 可積分な連続関数
  2. 非負な連続関数

のいずれかを満たすなら,以下の式が成り立つ。

ab(cdf(x,y)dy)dx=[a,b]×[c,d]f(x,y)dxdy=cd(abf(x,y)dx)dy\begin{aligned} &\int_a^b \left( \int_c^d f(x,y) dy \right) dx\\ &= \int_{[a,b] \times [c,d]} f(x,y) dxdy\\ &= \int_c^d \left( \int_a^b f(x,y) dx \right) dy \end{aligned}

つまり逐次積分と重積分は一致する(積分の順序を交換できる)。

  1. また,いずれかの順序での(絶対値の)積分値が有限の値になれば,積分の順序を入れ替えてよい
  2. また,有界な閉領域上での連続関数の重積分の順序は入れ替えてよい。

→フビニの定理~重積分の計算について

定理

関数 f(x)f(x)f(x)=n=0anxn\displaystyle f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} a_n x^n と無限級数展開されているとする。

この級数の収束半径を rr とすると,x<r|x| < r のもとで項別微分・項別積分ができる:

f(x)=n=1nanxn1f(x)dx=n=0anxn+1n+1+C\begin{aligned} f'(x) &= \sum_{n=1}^{\infty} n a_n x^{n-1}\\ \int f(x) dx &= \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{a_n x^{n+1}}{n+1} + C \end{aligned}

→項別微分・項別積分

dxx4+1=142{log(x2+2x+1)log(x22x+1)+2arctan(2x+1)2arctan(12x)}\begin{aligned} &\int \dfrac{dx}{x^4 + 1}\\ &= \dfrac{1}{4\sqrt{2}} \{ \log(x^2 + \sqrt{2} x + 1)-\log(x^2 - \sqrt{2} x + 1)\\ & \quad\quad\quad\quad + 2 \arctan (\sqrt{2} x + 1) - 2 \arctan (1 - \sqrt{2} x) \} \end{aligned}

→1/(x^4+1) の積分

問題(東大数学科院試 2021より)

p>12p > \dfrac{1}{2} に対して,次の値を求めよ。

1Γ(12p)0sin(xp)xdx \dfrac{1}{\Gamma (\frac{1}{2p})} \int_{0}^{\infty} \dfrac{\sin (x^p)}{\sqrt{x}} dx

ただし,正の実数 xx に対して,Γ(x)\Gamma (x) は次式で与えられるものとする。 Γ(x)=0tx1etdt \Gamma (x) = \int_0^{\infty} t^{x-1} e^{-t} dt

→三角関数と無理関数の合わさった積分(東大院2021より)

定義

関数 f(x)f(x) に対して L[f](s)=0esxf(x)dx \mathscr{L} [f] (s)=\int_0^{\infty} e^{-sx}f(x)\, dx という「ss についての関数を返す変換」をラプラス変換という。

→ラプラス変換の定義と具体例・性質

定理

ベータ関数とは,p,q>0p,q > 0 に対して B(p,q)=01xp1(1x)q1dx B(p,q) = \int_0^1 x^{p-1} (1-x)^{q-1} dx と定義される(広義)積分である。

→ベータ関数の基本的な性質~ガンマ関数との関係・広義積分の収束

ビュフォンの針

平面上に間隔 dd で平行線を引く。長さ l(d)l\:(\leqq d) の針を適当に投げたとき,針が線と交わる確率は 2lπd\dfrac{2l}{\pi d}

ビュフォンの針

→ビュフォンの針の問題と確率の導出