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三角関数の有理式の積分

更新日時 2021/03/07

三角関数の有理式の積分は tanx2=t\tan\dfrac{x}{2}=t と置換することによって必ず計算できる。

多項式÷多項式の形の式を有理式(有理関数)と言います。 sinx,cosx\sin x, \cos x , ( tanx\tan x )の有理式の積分は機械的な計算でできます!

目次
  • 積分計算の流れ

  • 用いる置換

  • 具体例

積分計算の流れ

1.置換積分を用いて有理式の積分に帰着させる

2.有理式を部分分数分解する

3.分解した各項を積分する

このページでは1を詳しく解説します。2については部分分数分解の3通りの方法およびヘビサイドの展開定理で解説しています。3は全パターンをきちんと書くと煩雑になるので,具体例のみ紹介します。

用いる置換

tanx2=t\tan\dfrac{x}{2}=t と置換すると,

dxdt=21+t2\dfrac{dx}{dt}=\dfrac{2}{1+t^2}sinx=2t1+t2\sin x=\dfrac{2t}{1+t^2}cosx=1t21+t2\cos x=\dfrac{1-t^2}{1+t^2}

証明

dtdx=12cos2x2=1+t22\dfrac{dt}{dx}=\dfrac{1}{2\cos^2\frac{x}{2}}=\dfrac{1+t^2}{2} より1つめが成立。

sinx=2sinx2cosx2=2cos2x2tanx2=2t1+t2\sin x=2\sin\dfrac{x}{2}\cos\dfrac{x}{2}\\ =2\cos^2\dfrac{x}{2}\tan\dfrac{x}{2}\\ =\dfrac{2t}{1+t^2}

より2つめが成立。

cosx=2cos2x21=21+t21=1t21+t2\cos x=2\cos^2\dfrac{x}{2}-1\\ =\dfrac{2}{1+t^2}-1\\ =\dfrac{1-t^2}{1+t^2}

より3つめが成立。

具体例

三角関数の有理式の中では比較的単純なものですが,この方法でやると(機械的にできますが)計算はかなり大変です。ちなみに,これは対称性を用いた定積分の難しい問題の解法の問題1にも登場する関数です。 Arctan\mathrm{Arctan} が登場するので厳密には高校数学範囲外ですが,適切な区間の定積分にすれば高校範囲内です。

例題

不定積分 sinxsinx+cosxdx\displaystyle\int\dfrac{\sin x}{\sin x+\cos x}dx を計算せよ。

解答

まず,tanx2=t\tan\dfrac{x}{2}=t と置換すると,上記の公式より求める不定積分は

2t2t+(1t2)21+t2dt=4t(t2+1)(t1+2)(t12)dt\displaystyle\int\dfrac{2t}{2t+(1-t^2)}\cdot\dfrac{2}{1+t^2}dt\\ =-4\displaystyle\int\dfrac{t}{(t^2+1)(t-1+\sqrt{2})(t-1-\sqrt{2})}dt

これを部分分数分解すると,

4{At+Bt2+1+Ct1+2+Dt12}dt-4\displaystyle\int\left\{\dfrac{At+B}{t^2+1}+\dfrac{C}{t-1+\sqrt{2}}+\dfrac{D}{t-1-\sqrt{2}}\right\}dt

ただし,A=B=14A=B=-\dfrac{1}{4}C=D=18C=D=\dfrac{1}{8}

よって,上式は

{t+1t2+112(t1+2)12(t12)}dt=12log(t2+1)+Arctant12logt1+212logt12+C=12log(t2+1)+Arctant12logt22t1+C\displaystyle\int\left\{\dfrac{t+1}{t^2+1}-\dfrac{1}{2(t-1+\sqrt{2})}-\dfrac{1}{2(t-1-\sqrt{2})}\right\}dt\\ =\dfrac{1}{2}\log (t^2+1)+\mathrm{Arctan}\:t-\dfrac{1}{2}\log |t-1+\sqrt{2}|-\dfrac{1}{2}\log |t-1-\sqrt{2}|+C\\ =\dfrac{1}{2}\log (t^2+1)+\mathrm{Arctan}\:t-\dfrac{1}{2}\log |t^2-2t-1|+C

Arctan\mathrm{Arctan}tan\tan の逆関数です→逆三角関数の重要な性質まとめ

ここまででもOKだが,ttxx に戻すと(たまたま)きれいになる:

x212logsinx+cosx+C\dfrac{x}{2}-\dfrac{1}{2}\log|\sin x+\cos x|+C

例題の積分,相当頭のいい人なら直感で原始関数を思いつくかもしれませんね。

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