式の計算

式の計算 に関する35記事をまとめました。くわしくは各リンク先を見てください。

1. (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab

→乗法公式(式の展開公式)19個まとめ

  • 二重根号とは,5+26\sqrt{5+2\sqrt{6}} のように,ルートの中にルートが含まれる式。

  • 5+26=3+2\sqrt{5+2\sqrt{6}}=\sqrt{3}+\sqrt{2}
    のように,二重根号を外せる場合がある。

二重根号

→二重根号の外し方・外せないものの判定

降べきの順とは,次数が下がって行くような式の表し方。
降べきの順で表した例x3x2+4x+1x^3-x^2+4x+1

昇べきの順とは,次数が上がって行くような式の表し方。
昇べきの順で表した例1+4xx2+x31+4x-x^2+x^3

pic01

→降べきの順と昇べきの順について

組立除法とは,多項式の割り算において商と余りをすばやく求める手法です。

組立除法の例題

→組立除法のやり方と例題3問

平方完成とは

x2+2x+3x^2+2x+3=(x+1)2+2(x+1)^2+2

のように,二次式a(xp)2+qa(x-p)^2+q の形に変形することを平方完成と言う。

平方完成

→平方完成のやり方といくつかの発展形

多項式の割り算

与えられた多項式 A(x),B(x)A(x),B(x) に対して,

  • A(x)=B(x)Q(x)+R(x)A(x)=B(x)Q(x)+R(x)
  • Rの次数<Bの次数Rの次数<Bの次数

を満たす多項式 Q(x),R(x)Q(x),R(x) が1つに決まる。Q(x)Q(x) を商,R(x)R(x) を余りと言う。

→多項式の割り算の二通りの計算方法と例題

循環小数とは,0.222220.22222\dots のように「途中からひたすら同じ列を繰り返す」ような小数のことです。

→循環小数の意味と分数で表す方法など

整数部分と小数部分
  • 小数点以下を切り捨てたものを整数部分と言います。
  • 残った部分を小数部分と言います。

pic01 例えば 3.143.14 の整数部分は 33 で,小数部分は 0.140.14 です。

→整数部分と小数部分の意味と例題

単項式の定義

単項式とは,数,文字,およびそれらの積として表される式のこと。

→単項式,多項式,整式

たすきがけ

たすきがけとは,3x210x+83x^2-10x+8 のような二次式を因数分解するための方法です。

pic01

→たすきがけによる因数分解のやり方・例題・他の方法

定義1

単項式や多項式のことを総称して整式と呼びます。

→単項式・多項式や次数・係数などの定義と問題例

  • 非負性 : 必ず 00 以上である。 a0|a|\geqq 0
  • 非退化性 : a=0a=0 のときに,またそのときのみ a=0|a|=0 になる。
  • 偶性 : 原点に関して対称である。 a=a|-a|=|a|
  • 劣加法性(三角不等式) : a+ba+b|a+b|\leqq|a|+|b|
  • 冪等性(べきとうせい) : 操作を複数回繰り返しても結果が変わらない。 a=a||a||=|a|
  • 乗法性 : ある2数の積の絶対値と,その2数の絶対値の積は同じ値になる。 ab=ab|ab|=|a|・|b|

→絶対値の意味と性質・記号の外し方・絶対値を含む式の計算方法

2乗の因数分解公式

x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)x2+2xy+y2=(x+y)2x22xy+y2=(xy)2x2y2=(xy)(x+y) x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\\ x^2+2xy+y^2=(x+y)^2\\ x^2-2xy+y^2=(x-y)^2\\ x^2-y^2=(x-y)(x+y)

→因数分解の公式とテクニック一覧

交代式とは,どの2つの変数を入れ替えても 1-1 倍になるような式のことです。例えば a2b2a^2-b^2 という式は,aabb を入れ替えると b2a2b^2-a^2 となり,元の式の 1-1 倍になるので交代式です。

→交代式の因数分解と実践的な例題

部分分数分解とは, 5x1(x+1)(x2)=2x+1+3x2\dfrac{5x-1}{(x+1)(x-2)}=\dfrac{2}{x+1}+\dfrac{3}{x-2} のように「いくつかの分数のたし算(または引き算)に分解する」こと。つまり,通分の逆。

部分分数分解

→部分分数分解の3通りの方法

1a+b±c\dfrac{1}{\sqrt{a}+\sqrt{b}\pm\sqrt{c}} の分母を有理化したいときは,分母分子に a+bc\sqrt{a}+\sqrt{b}\mp\sqrt{c} をかけていつもの分母の有理化に帰着させる

→分母に項が3つある場合の有理化

調和平均とは

2÷(1a+1b)2\div\left(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\right)aabb の調和平均と呼ぶ。

→調和平均の意味と性質まとめ

1:全ての対称式は基本対称式の多項式で表せる。

2:特に,xn+ynx^n+y^n の値は x+yx+yxyxy の値が分かれば機械的に計算できる。

3:さらに,xn+1xnx^n+\dfrac{1}{x^n} の値は x+1xx+\dfrac{1}{x} の値が分かれば機械的に計算できる。

4:基本対称式は解と係数の関係と相性がよい。

→2変数の対称式と基本対称式の4つの性質

対称式とは,どの2つの変数を交換しても変わらない多項式のことです。 pic01 例えば,x2+y2x^2+y^2 という式で xxyy を交換すると y2+x2y^2+x^2 になります。x2+y2=y2+x2x^2+y^2=y^2+x^2 なので多項式として変わっていません。よって x2+y2x^2+y^2 は対称式です。

→対称式について覚えておくべき7つの公式

加比の理(等式バージョン)

値が等しい分数は,分母同士・分子同士を足しても等しい。つまり,

ba=dc\dfrac{b}{a}=\dfrac{d}{c} のとき ba=dc\dfrac{b}{a}=\dfrac{d}{c}=b+da+c=\dfrac{b+d}{a+c}

→加比の理と傾きによる証明

2\sqrt{2} は無理数である。

より一般に,平方数でない正の整数 nn に対して n\sqrt{n} は無理数である。

→ルート2が無理数であることの4通りの証明

a\sqrt{a} の近似値の求め方の概要:

  • x2ax^2≒a となりそうな簡単な xx を探す。
  • x2>ax^2 > a ならもう少し小さい xx で再挑戦。 x2<ax^2 <a ならもう少し大きい xx で再挑戦。

→ルートの近似値を計算する素朴な方法とコツ

分母の有理化

1333\dfrac{1}{\sqrt{3}}\to\dfrac{\sqrt{3}}{3} のように,分母を有理数にする変形を分母の有理化と言います。

→分母の有理化の方法と問題例6問(中学から高校まで)

問題

二次方程式 x2x1=0x^2-x-1=0 の異なる2つの実数解をそれぞれ α,β\alpha, \beta とする。

(1) α+β\alpha+\beta の値を求めよ。

(2) α10+β10\alpha^{10}+\beta^{10} の値を求めよ。

(3) α+β,α2+β2,α3+β3,,α2022+β2022\alpha+\beta, \alpha^2+\beta^2, \alpha^3+\beta^3, \cdots , \alpha^{2022}+\beta^{2022} の2022個の実数のうち,整数であって3の倍数であるもの個数を求めよ。

→式の計算・二次関数分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

定理1

任意の黄金進数は標準形になおせる。

→黄金進法の意味とおもしろい定理

任意の行列は対称行列と交代行列の和に分解できる

→行列・関数・多項式に共通する有名な性質

  • パターン1-A:普通に因数定理が使える場合
  • パターン1-B:二次式×二次式に分解できる場合
  • パターン2:相反方程式
  • パターン3:複二次式
  • パターン4:方程式が解けない場合

→四次式の因数分解の5パターン

原始多項式の定義

a0,a1,,ana_0,\:a_1,\cdots ,a_n の最大公約数が 11 のとき,f(x)f(x) を原始多項式と呼ぶ。

→原始多項式とその積について

対称式の展開した式に,ka2ka^2 という項があれば kb2,kc2kb^2, kc^2 という項もあります。 ka2bka^2b という項があれば kab2,kb2c,kbc2,kc2a,kca2kab^2, kb^2c, kbc^2, kc^2a, kca^2 もあります。

→対称式を素早く正確に展開する3つのコツ

nn 個の変数 x1,,xnx_1,\cdots,x_n について

ii 次の基本対称式を ei(x1,,xn)e_i(x_1,\cdots,x_n)

ii 乗和を pi(x1,,xn)=x1i++xnip_i(x_1,\cdots,x_n)=x_1^i+\cdots +x_n^i

とする。このとき,

kek=i=1k(1)i1ekipike_k=\displaystyle\sum_{i=1}^k(-1)^{i-1}e_{k-i}p_i

→ニュートンの恒等式とその証明

対称式の基本定理

対称式は基本対称式の多項式として表せる。その表し方は一通りである。

→対称式の基本定理の証明

  • 階乗n!n!11 から nn までの整数を全てかけあわせたもの

  • 二重階乗n!!n!! は一つおきにかけあわせたもの

  • 超階乗nn$ は n!n! の肩に n!n!n!1n!-1 個乗せたもの

→階乗,二重階乗,超階乗

足し算,かけ算,べき乗を一般化した ハイパー演算というものがある。

→ハイパー演算子とクヌースの矢印

定理1

定数 aij(1ik,1jni)a_{ij}\:(1\leq i\leq k,1\leq j\leq n_i) をうまく選べば

P(x)Q(x)=i=1kj=1niaij(xxi)j\dfrac{P(x)}{Q(x)}=\displaystyle\sum_{i=1}^k\sum_{j=1}^{n_i}\dfrac{a_{ij}}{(x-x_i)^j}

→ヘビサイドの展開定理

n乗の差の因数分解公式

anbn=(ab)(an1+an2b++abn2+bn1)a^n-b^n=(a-b)(a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1})

→因数分解公式(n乗の差,和)