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乗法公式(式の展開公式)19個まとめ

更新日時 2021/03/07

乗法公式(展開公式)について,例題と使いこなすコツを述べながら公式19個を紹介していきます。最初は易しいですがどんどん難しくなります。

目次
  • (x+a)(x+b) の乗法公式

  • 2乗の乗法公式

  • 和と差の展開公式

  • (ax+b)(cx+d) の乗法公式

  • 3乗の乗法公式

  • (a+b+c)^2乗の乗法公式

  • 4乗の展開公式

  • n乗の展開公式

  • 3つの対称な変数が現れる展開公式

  • 覚えておくと便利かもしれない乗法公式

(x+a)(x+b) の乗法公式

1. (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab

例題

(x+3)(x+2)(x+3)(x+2) を展開せよ。

a=3,b=2a=3,b=2 として乗法公式を使う。a+b=5,ab=6a+b=5,ab=6 なので,

(x+3)(x+2)=x2+5x+6(x+3)(x+2)=x^2+5x+6

2乗の乗法公式

2. (x+a)2=x2+2ax+a2(x+a)^2=x^2+2ax+a^2

3. (xa)2=x22ax+a2(x-a)^2=x^2-2ax+a^2

例題

(x+3)2(x+3)^2 を展開せよ。

a=3a=3 として乗法公式2を使う。2a=6,a2=92a=6,a^2=9 なので,

(x+3)2=x2+6x+9(x+3)^2=x^2+6x+9

補足

  • 公式2は公式1で a=ba=b としたものです。公式3は公式2で aaa\to -a としたものです。
  • つまり,全部「ほぼ同じ公式」です。「ほぼ同じ公式」なのですが,すべて頻出の形です。それぞれ覚えておくことで機械的に計算することができます(展開のスピードが速くなります)。

和と差の展開公式

4. (x+a)(xa)=x2a2(x+a)(x-a)=x^2-a^2

例題

(x+3)(x3)(x+3)(x-3) を展開せよ。

a=3a=3 として乗法公式2を使うと,

(x+3)(x3)=x29(x+3)(x-3)=x^2-9

(ax+b)(cx+d) の乗法公式

5. (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd(ax+b)(cx+d)=acx^2+(ad+bc)x+bd

例題

(2x+3)(3x4)(2x+3)(3x-4) を展開せよ。

乗法公式を使う。ac=6,ad+bc=8+9=1,ad=12ac=6,ad+bc=-8+9=1,ad=-12 なので,

(2x+3)(3x4)=6x2+x12(2x+3)(3x-4)=6x^2+x-12

補足

  • 5は公式丸覚えというより,分配法則を使って展開してもよいでしょう。
  • 式の展開は「それぞれのカッコの中身から1つずつ選んで掛け算、をすべて足し上げる」です。
  • ここまでは中学数学で習う乗法公式です。

3乗の乗法公式

6. (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3

7. (ab)3=a33a2b+3ab2b3(a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3

8. (a+b)(a2ab+b2)=a3+b3(a+b)(a^2-ab+b^2)=a^3+b^3

9. (ab)(a2+ab+b2)=a3b3(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3

  • 公式6と7は重要です。
  • 公式8と9は式を展開する公式というより,右辺を左辺に変形する(因数分解)公式として覚えておくとよいでしょう。
  • 高校数学の教科書に乗っている公式です。
  • すべての乗法公式は覚えなくても,気合いで(分配法則を使って)1つずつ展開すれば計算はできます。ですが,覚えていたほうが速く解けますし,計算による脳のエネルギー消費を節約することができます。

(a+b+c)^2乗の乗法公式

10. (a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2bc+2ca(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca

  • これもよく使う公式です。
  • 2ab+2bc+2ac2ab+2bc+2ac というようにアルファベット順ではなく,2ab+2bc+2ca2ab+2bc+2ca というように循環するように書く方が美しいです。
  • 公式10までは高校数学で習います。ここまでは覚えておくとよいでしょう。

4乗の展開公式

  1. (a+b)4=a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4(a+b)^4=a^4+4a^3b+6a^2b^2+4ab^3+b^4

  2. (ab)4=a44a3b+6a2b24ab3+b4(a-b)^4=a^4-4a^3b+6a^2b^2-4ab^3+b^4

二項定理で計算すればよいのですが,受験生は4乗の展開公式までは一瞬で言えるようにしておいた方がよいでしょう。

n乗の展開公式

13. (a+b)n=k=0nnCkakbnk(a+b)^n=\displaystyle\sum_{k=0}^{n}{}_n\mathrm{C}_{k}a^kb^{n-k}

  1. (ab)(an1+an2b++abn2+bn1)=anbn(a-b)(a^{n-1}+a^{n-2}b+\cdots+ab^{n-2}+b^{n-1})=a^n-b^n

  2. (a+b)(an1an2b+abn2+bn1)=an+bn(a+b)(a^{n-1}-a^{n-2}b+\cdots-ab^{n-2}+b^{n-1})=a^n+b^n
    (ただし,公式 1515 では nn は奇数とする)

3つの対称な変数が現れる展開公式

  1. (x+a)(x+b)(x+c)=x3+(a+b+c)x2+(ab+bc+ca)x+abc(x+a)(x+b)(x+c)\\=x^3+(a+b+c)x^2+(ab+bc+ca)x+abc

  2. (a+b+c)(a2+b2+c2abbcca)=a3+b3+c33abc(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) \\=a^3+b^3+c^3-3abc

  • 1616 は意味を考えればすぐ導けますが,試験中の脳の省エネのために覚えておいてもよいでしょう。
  • 1717 は重要な公式です。因数分解公式(3つの立方和)としてもよく出現します。

覚えておくと便利かもしれない乗法公式

  1. (a+b)(b+c)(c+a)=a2b+ab2+b2c+bc2+c2a+ca2+2abc(a+b)(b+c)(c+a)\\=a^2b+ab^2+b^2c+bc^2+c^2a+ca^2+2abc

  2. (a+b+c)3=a3+b3+c3+3(a2b+ab2+b2c+bc2+c2a+ca2)+6abc(a+b+c)^3\\=a^3+b^3+c^3+3(a^2b+ab^2+b^2c+bc^2+c^2a+ca^2)+6abc

  • 1818 は式の対称性と係数の和が8になることから瞬時に導けます。展開公式を丸ごと覚えるのではなく,導けるようにしましょう。

  • 1919 も同様に式の対称性と多項定理から一瞬で導けます。

  • このように対称式の展開は「対称性,多項定理,係数の和」に注目 して瞬時に行えるようになっておくのが理想です。

繰り返しになりますが,乗法公式なんてなくても気合いがあればどんな式も展開できます。だから公式を万一忘れてもビビる必要はありません。しかし,式の展開などの しょうもない部分で脳のエネルギーを無駄に使うと大事なところで集中力が切れてしまうので公式の暗記も大事です。

乗法公式なんて知らなくてもできるけど便利な道具は使ってしまおう

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