方程式,恒等式

方程式,恒等式 に関する29記事をまとめました。くわしくは各リンク先を見てください。

高次方程式の解き方
  1. f(α)=0f\left(\alpha\right)=0 を満たす有理数 α\alpha頑張って見つける
  2. 左辺を (xα)\left(x-\alpha\right) で割る
  3. 二次方程式になるまで上記を繰り返す。二次方程式は解の公式か因数分解で解ける。

→方程式の有理数解

恒等式

恒等式とは「変数がどのような値のときにも成立する等式」のことです。

→恒等式の意味・方程式との違い・関連する問題

解と係数の関係

二次方程式 ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の解を α,β\alpha,\:\beta とおくと,

α+β=ba,αβ=ca\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a},\:\alpha\beta=\dfrac{c}{a}

が成立する。これを解と係数の関係と言う。

→二次方程式における解と係数の関係

判別式とは,ax2+bx+cax^2+bx+c に対して b24acb^2-4ac のこと。

判別式

→判別式まとめ【2次方程式の実数解・x軸との共有点の個数】

剰余の定理

多項式 P(x)P(x)(xa)(x-a) で割った余りは P(a)P(a)

pic01

→剰余の定理:やさしい例題・証明・むずかしい応用問題まで

二次方程式の解の公式

ax2+bx+c=0(a0)ax^2+bx+c=0\:(a\neq 0) の解は,

x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

→二次方程式の解の公式の3通りの証明

解き方の流れ
  1. 方程式を満たす有理数 α\alpha を頑張って1つ探す
  2. 左辺を (xα)(x-\alpha) で割って因数分解する
  3. 残った二次方程式を解く

→三次方程式の解き方3パターンと例題5問

2次方程式の実数解の個数
  • D>0    D > 0\iff 異なる実数解2つ
  • D=0    D=0\iff 実数解を1つ(重解)
  • D<0    D <0\iff 実数解なし

→実数解の意味・二次方程式の実数解の個数

偶数次の相反方程式の解き方

偶数次(2n2n 次)の相反方程式は x+1x=tx+\dfrac{1}{x}=t とおくことによって tt についての nn 次方程式に帰着できる。

→相反方程式とその解き方

逆関数の定義

逆関数とは,ある関数に対して「もとにもどす」関数のこと

→逆関数の3つの定義と使い分け

一次連立方程式は代入法,加減法のいずれでも解けるが,クラメルの公式でも解ける。検算用に覚えておくとよい。

→連立方程式の発展的な解き方(検算テクニック)

定理

三次方程式: ax3+bx2+cx+d=0ax^3+bx^2+cx+d=0 の解を α,β,γ\alpha,\beta,\gamma とおくと,

α+β+γ=ba\alpha+\beta+\gamma=-\dfrac{b}{a}

αβ+βγ+γα=ca\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\dfrac{c}{a}

αβγ=da\alpha\beta\gamma=-\dfrac{d}{a}

→三次,四次,n次方程式の解と係数の関係とその証明

定数分離

方程式において,文字定数を片側に集める変形を定数分離と言うことがあります。

定数分離の例. x22xa=0x^2-2x-a=0 という xx についての方程式を x22x=ax^2-2x=a と変形する。

→定数分離の考え方と例題3問

数値代入法を使うときは十分性の確認が必要。

→数値代入法による恒等式の解法と十分性の確認

問題

a,ba,b は正の実数とする。xyxy 平面上に曲線 C1:y=(xa)2C_1: y=(x-a)^2C2:y=bx2C_2: y = b-x^2 がある。点 PP(a,0)(a,0) とする。

以下の問いに答えよ。

(1) C1C_1C2C_2 が異なる2つの交点を持つ条件を a,ba,b の不等式により表せ。

(2) 以下 a,ba,b は(1)で求めた条件を満たすものとする。P1,P2P_1,P_2C1C_1C2C_2 の交点とする。ただし P1P_1xx 座標の小さいほうとする。今,bb を固定したとき P1PP2=90\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} となるような aa が存在する。bb の値の範囲を求めよ。

(3) 今,P1PP2=90\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} を満たしているとする。P,P1,P2P,P_1,P_2 を通る円を CC とする。CCyy 軸の交点の座標を bb を用いて求めよ。

(4) 円 CC の中心を QQ とおく。OP2Q\triangle OP_2Q が正三角形であるとする。このとき bb の値を求めよ。

→図形と方程式・ベクトル分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

  1. ブラーマグプタ-フィボナッチ恒等式(BF恒等式)
    (a2+b2)(c2+d2)=(acbd)2+(ad+bc)2=(ac+bd)2+(adbc)2(a^2+b^2)(c^2+d^2)\\ =(ac-bd)^2+(ad+bc)^2\\ =(ac+bd)^2+(ad-bc)^2

  2. ブラーマグプタの恒等式
    (a2+nb2)(c2+nd2)=(acnbd)2+n(ad+bc)2=(ac+nbd)2+n(adbc)2(a^2+nb^2)(c^2+nd^2)\\ =(ac-nbd)^2+n(ad+bc)^2\\ =(ac+nbd)^2+n(ad-bc)^2

  3. ラグランジュの恒等式
    (i=1nai2)(i=1nbi2)=(i=1naibi)2+1i<jn(aibjajbi)2\displaystyle \left( \sum_{i=1}^na_i^2 \right) \left( \sum_{i=1}^nb_i^2 \right)\\ =\displaystyle \left( \sum_{i=1}^na_ib_i \right)^2 + \sum_{1\leq i < j \leq n} ( a_ib_j-a_jb_i )^2

  4. ビネ-コーシーの恒等式
    (i=1naici)(i=1nbidi)=(i=1naidi)(i=1nbici)+1i<jn(aibjajbi)(cidjcjdi)\displaystyle \left( \sum_{i=1}^n a_i c_i \right) \left( \sum_{i=1}^n b_i d_i \right)\\ =\displaystyle \left( \sum_{i=1}^n a_i d_i \right) \left( \sum_{i=1}^n b_i c_i \right)\\ \quad \displaystyle + \sum_{1\leq i < j \leq n} (a_i b_j - a_j b_i ) (c_i d_j - c_j d_i)

→ラグランジュの恒等式とその仲間

定理

ax3+bx2+cx+d=0ax^3+bx^2+cx+d=0 の解は,a0a\neq 0 のもとで,以下の3つ:

x=b3aA3B3x=-\dfrac{b}{3a}-\sqrt[3]{A}-\sqrt[3]{B} x=b3aωA3ω2B3x=-\dfrac{b}{3a}-\omega\sqrt[3]{A}-\omega^2\sqrt[3]{B} x=b3aω2A3ωB3x=-\dfrac{b}{3a}-\omega^2\sqrt[3]{A}-\omega\sqrt[3]{B} ただし, p=b2+3ac3a2,q=2b39abc+27a2d27a3p=\dfrac{-b^2+3ac}{3a^2},q=\dfrac{2b^3-9abc+27a^2d}{27a^3} A=33q+27q2+4p363A=\dfrac{3\sqrt{3}q+\sqrt{27q^2+4p^3}}{6\sqrt{3}} B=33q27q2+4p363B=\dfrac{3\sqrt{3}q-\sqrt{27q^2+4p^3}}{6\sqrt{3}} ω=1+3i2\omega=\dfrac{-1+\sqrt{3}i}{2}

→カルダノの公式と例題【三次方程式の解の公式】

代数学の基本定理

複素数係数の nn 次方程式は,複素数の範囲で(重複度も含めて)nn 個の解を持つ。

→代数学の基本定理とその初等的な証明

共役無理数

a,ba,b を有理数,kk を平方因子を持たない(同じ素数で2回以上割り切れない)22 以上の整数とする。このとき,

a+bka+b\sqrt{k}abka-b\sqrt{k} は互いに共役であるという。

→共役無理数に関する二つの定理

因数定理

多項式 f(x)f(x) について,f(a)=0f(a)=0 なら,f(x)f(x)(xa)(x-a) を因数に持つ。 pic01

→因数定理の意味と因数分解への応用・重解バージョンの証明

三次方程式の判別式の定義

三次方程式 ax3+bx2+cx+d=0ax^3+bx^2+cx+d=0 の解を α,β,γ\alpha,\beta,\gamma とおく。このとき,判別式を, D=a4(αβ)2(βγ)2(γα)2D=a^4(\alpha-\beta)^2(\beta-\gamma)^2(\gamma-\alpha)^2 とする。

→三次方程式の判別式の意味と使い方

f(x)=xf(x)=x を満たす xx を関数 ff の不動点という。

→不動点を用いた関数方程式の解法

アーベルの総和公式

k=1nakbk=Anbnk=1n1Ak(bk+1bk)\displaystyle\sum_{k=1}^na_kb_k=A_nb_n-\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}A_k(b_{k+1}-b_k)

ただし,Ak=i=1kaiA_k=\displaystyle\sum_{i=1}^ka_i

→アーベルの総和公式とその意味

ラグランジュの補間公式

xx 座標が相異なる n+1n+1(x1,y1),(x2,y2),,(xn+1,yn+1)(x_1,y_1), (x_2,y_2),\cdots,(x_{n+1},y_{n+1}) を通る nn 次以下の関数 y=P(x)y=P(x) が1つ定まり,以下の式で表される:

P(x)=i=1n+1yifi(x)fi(xi)P(x)=\displaystyle\sum_{i=1}^{n+1}y_i\dfrac{f_i(x)}{f_i(x_i)}

ただし,fi(x)=ki(xxk)f_i(x)=\displaystyle\prod_{k\neq i}(x-x_k)

→ラグランジュの補間公式とその応用例

アイゼンシュタイン(Eisenstein)の既約判定定理

ある素数 pp が存在して以下の3つの条件を満たすとき,整数係数多項式 f(x)=anxn+an1xn1++a1x+a0f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_1x+a_0 を(整数係数の範囲でできるとこまで)因数分解すると必ず kk 次式以上の因数がでてくる。

  • a0a_0pp の倍数だが p2p^2 の倍数でない
  • a1a_1 から ak1a_{k-1} まで全て pp の倍数
  • aka_kpp の倍数でない

→アイゼンシュタインの定理

k=1nXk2=0\displaystyle\sum_{k=1}^nX_k^2=0 なら XkX_k は全て 00

→方程式を解く数学オリンピックの問題

デカルトの符号法則

降べきの順に整理された多項式 f(x)f(x) の係数の符号変化回数を kk とする。

このとき,f(x)=0f(x)=0 の実数解のうち正のものの個数は,重複度込みで k,k2,k4,,k,\:k-2,\:k-4,\cdots, のいずれか。

→デカルトの符号法則

2つの多項式 P(x),Q(x)P(x),Q(x) に対して,その終結式を

a0mb0ni,j(αiβj)a_0^mb_0^n\displaystyle\prod_{i,j}(\alpha_i-\beta_j) で定義する。

ただし,αi(i=1,,n)\alpha_i\:(i=1,\cdots, n)P(x)=0P(x)=0 の解,βj(j=1,,m)\beta_j\:(j=1,\cdots, m)Q(x)=0Q(x)=0 の解。

→終結式の定義といくつかの性質

任意の非負整数 kk に対して,

3F2(a,b,k;c,1+a+bck;1)=(ca)k(cb)k(c)k(cab)k{}_3F_{2}(a,b,-k;c,1+a+b-c-k;1)\\ =\dfrac{(c-a)_k(c-b)_k}{(c)_k(c-a-b)_k}

→超幾何級数の定義と例