極限

極限 に関する21記事をまとめました。くわしくは各リンク先を見てください。

三角関数の 00\dfrac{0}{0} 不定形の極限を求める問題は,マクローリン展開を用いた多項式近似で素早く解くことができる。

→三角関数の不定形極限を機械的な計算で求める方法

公式1:limx0ex1x=1\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{e^x-1}{x}=1

公式2:limx0xlog(1+x)=1\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{x}{\log(1+x)}=1

→指数関数と対数関数の極限の公式

  • 右極限とは,右から近づいたときの極限

  • 左極限とは,左から近づいたときの極限

  • 右連続とは,右から近づいたときにつながっていること

  • 左連続とは,左から近づいたときにつながっていること

→関数の右極限,左極限と連続性

テクニック1

y=f(x)g(x)y=\dfrac{f(x)}{g(x)}x=αx=\alpha で極値を取るとき,g(α)0g'(\alpha)\neq 0 ならその値は f(α)g(α)\dfrac{f'(\alpha)}{g'(\alpha)} である。

→分数関数の極値を求める2つのテクニック

ロピタルの定理の概要

limxaf(x)g(x)\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}00\dfrac{0}{0} または \dfrac{\infty}{\infty} の不定形で「ある条件」を満たせば,

limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}=\lim_{x\to a}\dfrac{f'(x)}{g'(x)}

→ロピタルの定理の条件と例題

xx\to\infty の極限において,無限に大きくなるスピードは,

xx の対数関数 \ll xx の多項式 \ll xx の指数関数

→指数関数の極限と爆発性

区分求積法

区分求積法とは,「長方形の面積の和」で横幅を限りなく小さくしたものy=f(x)y=f(x) の下側部分の面積が等しいという式:

limn1nk=1nf(kn)\displaystyle\lim_{n \to \infty} \dfrac{1}{n}\sum_{k=1}^n f\left(\dfrac{k}{n}\right)==01f(x)dx\displaystyle\int_0^1 f(x)dx

区分求積法の考え方

→区分求積法をわかりやすく【意味・例題・応用】

メルカトル級数

112+1314+=k=1(1)k1k=log21-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{4}+\cdots=\displaystyle\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{(-1)^{k-1}}{k}=\log 2

→log2に収束する交代級数の証明

調和級数の発散

n=11n=\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{1}{n}=\infty

つまり,11+12+13+14+\dfrac{1}{1}+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}+\cdots という無限和は発散する。

→調和級数1+1/2+1/3…が発散することの3通りの証明

sinc関数

y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} は sinc 関数と呼ぶ。

→sinc 関数:sinx/x について覚えておくべきこと

漸化式で表される数列の極限を求めるタイプの入試問題は頻出です。問題の背景にはバナッハの不動点定理と呼ばれる素敵な定理があります。

→漸化式で表される数列の極限

グレゴリー・ライプニッツ級数(マーダヴァ・ライプニッツ級数)

113+1517=π41-\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{5}-\dfrac{1}{7}\cdots=\dfrac{\pi}{4}

→グレゴリー・ライプニッツ級数の2通りの証明

はさみうちの原理(数列版)

はさみうちの原理 任意の自然数 nn に対して(または十分大きな nn に対して) anbncna_n \leqq b_n \leqq c_n が成立し,

limnan=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha かつ limncn=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha なら

limnbn=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\alpha

→はさみうちの原理の証明

f(x)f(x)0x10\leqq x\leqq 1 で連続微分可能なとき

limnk=12n(1)kf(k2n)=12{f(1)f(0)}\displaystyle\lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n}(-1)^kf\left(\dfrac{k}{2n}\right)\\=\dfrac{1}{2}\{f(1)-f(0)\}

→区分求積法の難問~京大2003後期~

チェザロ平均についての定理

数列 ana_n に対して,cn=a1+a2++annc_n=\dfrac{a_1+a_2+\cdots +a_n}{n}チェザロ平均という。そして,

limnan=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha なら limncn=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha

→チェザロ平均の性質と関連する東大の問題

ベンフォードの法則

多くの状況で自然数の最初の桁(最高位)に現れる数は一様に分布しない。

具体的に n (=1,2,,9)n \ (= 1,2, \dots , 9) の出てくる確率 PnP_nPn=log10n+1n P_n = \log_{10} \dfrac{n+1}{n} に近いことが多い。

→ベンフォードの法則と京大数学2024

ウォリスの公式

n=1(2n)2(2n1)(2n+1)=π2\displaystyle\prod_{n=1}^{\infty}\dfrac{(2n)^2}{(2n-1)(2n+1)}=\dfrac{\pi}{2}

つまり,

2213×4435×6657×=π2\dfrac{2\cdot 2}{1\cdot 3}\times\dfrac{4\cdot 4}{3\cdot 5}\times\dfrac{6\cdot 6}{5\cdot 7}\times\cdots=\dfrac{\pi}{2}

→ウォリスの公式とその3通りの証明

スターリングの公式

n!2πn(ne)nn!\fallingdotseq\sqrt{2\pi n}\left(\dfrac{n}{e}\right)^n スターリングの公式

→スターリングの公式とその証明

バーゼル問題

平方数の逆数和は π26\dfrac{\pi^2}{6} に収束する。つまり, k=11k2=1+14+19+=π26 \sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k^2}=1+\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{9}+\cdots=\dfrac{\pi^2}{6} となる。

→バーゼル問題の初等的な証明

掛け算の形の極限は log\log を取ることで計算できることがある。

→log × 区分求積

三角関数の基本極限公式

limx0sinxx=1limx01cosxx2=12limx0tanxx=1 \lim_{x \to 0} \dfrac{\sin x}{x} = 1\\ \lim_{x \to 0} \dfrac{1 - \cos x}{x^2} = \dfrac{1}{2}\\ \lim_{x \to 0} \dfrac{\tan x}{x} = 1

→三角関数 (sin,cos,tan) の極限まとめ