sinx/xについて覚えておくべき2つのこと

更新日時 2021/03/07
sinc関数

y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} はsinc関数と呼ばれる有名な関数である。

y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} という関数に関連する話題を整理しました。

目次
  • sinx/xの極限が1になることの証明

  • sinx/xの拡張

  • sinx/xのグラフ

  • sinx/xの微分

sinx/xの極限が1になることの証明

limx0sinxx=1\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{x}=1

まずは sinxx\dfrac{\sin x}{x} の極限です。非常に有名な公式です。

証明

 sinx/xの極限

図において面積に以下の不等式が成立する:

三角形 OAB<OAB < 扇型 OAB<OAB < 三角形 OBCOBC

すなわち,

12sinx<12x<12tanx\dfrac{1}{2}\sin x < \dfrac{1}{2}x < \dfrac{1}{2}\tan x

両辺 sinx\sin x で割って逆数をとる:

cosx<sinxx<1\cos x < \dfrac{\sin x}{x} < 1

ここで,x+0x \to +0 とすると,cosx1\cos x\to 1 なのではさみうちの原理から limx+0sinxx=1\displaystyle\lim_{x\to +0}\dfrac{\sin x}{x}=1

また,sinxx=sin(x)x\dfrac{\sin x}{x}=\dfrac{\sin (-x)}{-x} なので,

limx0sinxx=1\displaystyle\lim_{x\to -0}\dfrac{\sin x}{x}=1

以上から,

limx0sinxx=1\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{x}=1

証明の補足

  • 上記の導出方法は有名なので覚えておくとよいでしょう。
  • 図形的性質が使えるのは x>0x > 0 の場合だけなのでまわりくどいですが x0x \to -0 の場合も証明しました。
  • 2013年の阪大理系でそのまま出題されています。
  • sinx<x\sin x <xsinx\sin x を上からおさえる公式ですが,下からおさえる有名な不等式もあります。→ジョルダンの不等式とその3通りの証明

sinx/xの拡張

sinc関数: y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} は厳密には x=0x=0 では定義されていません。しかし, 定義域が実数全体で連続な関数は考えやすくて嬉しいため以下の形で登場することが多いです。

y={sinxx(x0)1(x=0)y=\begin{cases} \dfrac{\sin x}{x}\:(x\neq 0) \\ 1\:\:\:\:\:\:\:\:(x=0) \end{cases}

上記で証明した limx0sinxx=1\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{x}=1 を利用して x=0x=0 で連続になるよう調整しています。

sinx/xのグラフ

y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} のグラフを素早く書く方法を紹介します。

より,一般に y=f(x)×sinxy=f(x)\times\sin x のグラフは以下の3段階の手順でかけます!

1. y=f(x),y=f(x)y=f(x), y=-f(x) のグラフをかく

  1. x=nπx=n\pi (nn は整数)と xx 軸の交点に点を打つ。

3. sinx\sin x のグラフを伸縮させながらかく

sinc関数のグラフ

y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} の場合,f(x)=1xf(x)=\dfrac{1}{x} です。上記の手順に従ってグラフをかいてみました。

面倒な微分計算,増減表は必要ありません!この方法はぜひマスターしてください。

y=exsinx,y=excosxy=e^x\sin x,y=e^x\cos x なども同様にして簡単にグラフをかくことができます。

sinx/xの微分

y=sinxxy=\dfrac{\sin x}{x} の導関数は y=xcosxsinxx2y'=\dfrac{x\cos x-\sin x}{x^2}

証明

商の微分公式より,sinxx\dfrac{\sin x}{x} の微分は

cosx×x1×sinxx2=xcosxsinxx2\dfrac{\cos x\times x-1\times\sin x}{x^2}=\dfrac{x\cos x-\sin x}{x^2} となる。

sinc関数は信号処理などの工学的な応用もある有名な関数です。入試問題を作るのは大学の先生たちで,適当な関数を持ってくるよりも,工学的に意味を持つ関数を出題する可能性の方が高いと思われます(個人的な予想)。

Tag:大学入試で頻出の有名な関数まとめ