複素数

複素数 に関する20記事をまとめました。くわしくは各リンク先を見てください。

共役複素数

複素数 a+bia+bi に対して,abia-bi のことを共役な複素数と言います(ただし a,ba,b は実数)。

例えば,2+3i2+3i に対して共役な複素数は 23i2-3i です。

→共役複素数の覚えておくべき性質

複素数がなぜ必要なのか?

→複素数は,自然界の法則や数学の定理を記述するのに非常に便利だから。

→複素数の存在意義と様々な例

定理

複素数のルートは2つある。それらは複素数平面で原点対称な位置に存在する。

→複素数のルートを求める2通りの方法

複素数の絶対値

複素数 z=a+biz=a+bi の絶対値 z|z|z=a2+b2|z|=\sqrt{a^2+b^2} で定める。

→複素数の絶対値の定義といろいろな性質

実数条件・純虚数条件

複素数 zz について,

  • zz が実数     z=z\iff z=\overline{z}

  • zz が純虚数     z=z\iff z=-\overline{z} かつ z0z\neq 0

→複素数,虚数,純虚数,実数

ω\omega の多項式は必ず Aω+BA\omega+B という形まで計算できる。特に試験問題では A=0A=0 となる場合が圧倒的に多い。

→1の三乗根オメガを用いた計算と因数分解

複素数 α,β,γ\alpha,\beta,\gamma に対応する複素数平面上の3点 A(α),B(β),C(γ)A(\alpha), B(\beta), C(\gamma) が正三角形となる必要十分条件は,

(αβ)2+(βγ)2+(γα)2=0(\alpha-\beta)^2+(\beta-\gamma)^2+(\gamma-\alpha)^2=0

→複素数平面において正三角形となる条件

複素数 α,β\alpha,\beta に対応する二点 A(α),B(β)A(\alpha),B(\beta) と原点 OO でつくられる三角形 OABOAB の面積は,

14αβαβ=12Im(αβ)\dfrac{1}{4}|\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta|=\dfrac{1}{2}|\mathrm{Im}(\alpha\overline{\beta})|

→複素数平面における三角形の面積

  1. z=z2z\overline{z}=\dfrac{|z|^2}{z}
    特に,z=1|z|=1 のとき,z=1z\overline{z}=\dfrac{1}{z}

→複素数平面の基本的な公式集

極形式

複素数を a+bia+bi ではなく r(cosθ+isinθ)r(\cos\theta+i\sin\theta) という形で表すことがあります。これを複素数の極形式と言います。

→複素数平面における極形式と回転

1のn乗根の性質
  • 1の nn 乗根は複素数平面の単位円周上に等間隔で並ぶ。

  • 1の nn 乗根は全部で nn 個あるが,それらの和は0である。

  • 1の nn 乗根のうちどれでもよいので1つを ζ\zeta とおくと ζ=ζn1=1ζ\overline{\zeta}=\zeta^{n-1}=\dfrac{1}{\zeta}

→1のn乗根の性質と複素数平面

aa に対して,nn 乗して aa になるような数aann 乗根という。

→累乗根の定義と具体例

問題

複素数平面において,

z3+z+3=4 |z-\sqrt{3}|+|z+\sqrt{3}|=4

を満たす複素数 zz 全体を CC とする。

(1) α\alphaCC 上を動くとき,α\alpha の軌跡によって囲まれる部分の面積を求めよ。

(2) α\alphaCC 上を動くとき,αα\alpha |\alpha| の軌跡によって囲まれる部分の面積を求めよ。

→複素数分野:練習問題一覧|入試数学コンテスト過去問集

ド・モアブルの定理

正の整数 nn と任意の実数 θ\theta に対して,

(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθ(\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta

→ド・モアブルの定理の意味と証明

複素数平面における直線の方程式の一般形は,

azaz+b=0\overline{a}z-a\overline{z}+b=0

(ただし,aa は任意の複素数で bb は純虚数)

→複素数平面における直線の方程式

一次分数変換

a,b,c,da,b,c,dadbcad\neq bc なる複素数とする。複素数に対して複素数を返す関数で,

f(z)=az+bcz+df(z)=\dfrac{az+b}{cz+d} という形のものを一次分数変換(またはメビウス変換)という。

→一次分数変換(メビウス変換)と円円対応

東京大学理系数学2025年 第6問

複素数平面上の点 12\dfrac{1}{2} を中心とする半径 12\dfrac{1}{2} の円の周から原点を除いた曲線を CC とする。

  1. 曲線 CC 上の複素数 zz に対し,1z\dfrac{1}{z} の実部は 11 であることを示せ。

  2. α,β\alpha,\beta を曲線 CC 上の相異なる複素数とするとき,1α2+1β2\dfrac{1}{\alpha^2} + \dfrac{1}{\beta^2} とりうる範囲を複素数平面上に図示せよ。

  3. γ\gamma を (2) で求めた範囲に属さない複素数とするとき,1γ\dfrac{1}{\gamma} の実部がとりうる値の最大値と最小値を求め よ。

→【解答・解説】東大理系数学2025 第6問

シムソンの定理

シムソンの定理

三角形 ABCABC と点 DD がある。DD から直線 BC,CA,ABBC,\:CA,\:AB に下ろした垂線の足を P,Q,RP,\:Q,\:R とおく。

このとき,DD が三角形 ABCABC の外接円上にあるならば,P,Q,RP,\:Q,\:R は同一直線上にある。この直線をシムソン線と呼ぶ。

→シムソンの定理とその2通りの証明

問題

次の値を求めよ。

  1. 100C0+100C2++100C100{}_{100} \mathrm{C}_0 + {}_{100} \mathrm{C}_2 + \cdots + {}_{100} \mathrm{C}_{100}
  2. 100C0+100C3++100C99{}_{100} \mathrm{C}_0 + {}_{100} \mathrm{C}_3 + \cdots + {}_{100} \mathrm{C}_{99}
  3. 100C0+100C4++100C100{}_{100} \mathrm{C}_0 + {}_{100} \mathrm{C}_4 + \cdots + {}_{100} \mathrm{C}_{100}

→飛び飛びの二項係数の和

シュタイナーの内接楕円

任意の三角形に対して,各辺と中点で接する楕円がただ一つ存在する。これをシュタイナーの(内接)楕円と呼ぶ。

→シュタイナーの内接楕円,Mardenの定理,Gauss–Lucasの定理