複素数平面における直線の方程式

更新日時 2021/03/07

複素数平面における直線の方程式の一般形は,

azaz+b=0\overline{a}z-a\overline{z}+b=0

(ただし,aa は任意の複素数で bb は純虚数)

直交座標の場合は一次式 ax+by+c=0ax+by+c=0 が直線の一般形でしたが(→直線の方程式の一般形が嬉しい3つの理由)複素数平面ではどうなるのかという話です。

目次
  • 複素数平面における直線の例

  • 1:複素数平面における直線であることの証明

  • 2:直線は必ず一般形で表せることの証明

  • 複素数平面における直線の一般形その2

複素数平面における直線の例

証明の前にまずは具体例です。

例えば,方程式 zz+4i=0z-\overline{z}+4i=0 は上記の一般形において a=1,b=4ia=1,\:b=4i としたものなので,この方程式を満たす複素数 zz の集合は複素数平面上で直線を表しています。

実際 z=x+yiz=x+yi を上記の方程式に代入してみると,y=2y=-2 となるので,複素数平面における実軸と平行な直線であることが分かります。

このページでは,以下の二つの事実を証明することで,上記の方程式が直線の一般形であることを確認します。

1:上記の方程式で表される複素数の集合は複素平面上の直線となる

2:複素数平面における直線は必ず上記の方程式で表現できる

1:複素数平面における直線であることの証明

さきほどの具体例でやったことを一般化するだけです。

証明

a=A+Bi,b=Cia=A+Bi,\:b=Ci とおく。

z=x+yi(x,yz=x+yi\:(x,y は実数)とおいて一般形の式に代入すると,

(ABi)(x+yi)(A+Bi)(xyi)+Ci=0(A-Bi)(x+yi)-(A+Bi)(x-yi)+Ci=0

これを展開すると,実部は両辺 00 になり,虚部を比較すると

2Bx+2Ay+C=0-2Bx+2Ay+C=0

となる。これを満たす zz の集合は「直交座標で見たときに x,yx,\:y の一次式を満たす集合」になっているので直線であることが分かる。

2:直線は必ず一般形で表せることの証明

こちらの方が面白いです!

証明

複素数 α,β\alpha,\beta で表される二点を通る直線 ll の方程式を考える。

zz が直線 ll 上にある

α,z,β\alpha,\:z,\:\beta が一直線上にある

αzβz\dfrac{\alpha-z}{\beta-z} が実数

αzβz=αzβz\dfrac{\alpha-z}{\beta-z}=\dfrac{\overline{\alpha}-\overline{z}}{\overline{\beta}-\overline{z}}

(αz)(βz)=(βz)(αz)(\alpha-z)(\overline{\beta}-\overline{z})=(\beta-z)(\overline{\alpha}-\overline{z})

(αβ)z(αβ)z+αβαβ=0(\overline{\alpha}-\overline{\beta})z-(\alpha-\beta)\overline{z}+\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta=0

これは,a=αβ,b=αβαβa=\alpha-\beta,\:b=\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta とおけば直線の一般形となる。以上の議論は任意の α,β\alpha,\beta に対して成立するので,任意の直線は冒頭の一般形で表される。

注:一般に zzz-\overline{z} という形の複素数は純虚数なので,b=αβαβb=\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta は純虚数です。

注:上記の結果を公式として覚えておくとよいでしょう。

複素数平面上の二点 α,β\alpha,\:\beta を通る直線の方程式は, (αβ)z(αβ)z+αβαβ=0(\overline{\alpha}-\overline{\beta})z-(\alpha-\beta)\overline{z}+\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta=0

複素数平面における直線の一般形その2

以上の議論により,複素数平面における直線の方程式の一般形が,

azaz+b=0\overline{a}z-a\overline{z}+b=0(ただし,aa は任意の複素数で bb は純虚数)であることが分かりましたが,実は一般形を

az+az+c=0\overline{a}z+a\overline{z}+c=0(ただし,aa は任意の複素数で cc は実数)と書くこともできます。

上の一般形の両辺に i-i をかけて iaia を新たに aa とおけば下の一般形になり,下の一般形の両辺に i-i をかけて iaia を新たに aa とおけば上の一般形になります。

つまり,一般形は2つあるが,それは定数倍の差に過ぎないということです。(xy+1=0x-y+1=0x+y1=0-x+y-1=0 も同じ直線を表している,というような違い。)

複素数平面がマイブームです。

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