複素数平面における直線の方程式
複素数平面における直線の方程式の一般形は,
(ただし, は任意の複素数で は純虚数)
直交座標の場合は一次式 が直線の一般形でしたが(→直線の方程式の一般形が嬉しい3つの理由)複素数平面ではどうなるのかという話です。
複素数平面における直線の例
複素数平面における直線の例
証明の前にまずは具体例です。
例えば,方程式 は上記の一般形において としたものなので,この方程式を満たす複素数 の集合は複素数平面上で直線を表しています。
実際 を上記の方程式に代入してみると, となるので,複素数平面における実軸と平行な直線であることが分かります。
このページでは,以下の二つの事実を証明することで,上記の方程式が直線の一般形であることを確認します。
1:上記の方程式で表される複素数の集合は複素平面上の直線となる
2:複素数平面における直線は必ず上記の方程式で表現できる
1:複素数平面における直線であることの証明
1:複素数平面における直線であることの証明
さきほどの具体例でやったことを一般化するだけです。
とおく。
は実数)とおいて一般形の式に代入すると,
これを展開すると,実部は両辺 になり,虚部を比較すると
となる。これを満たす の集合は「直交座標で見たときに の一次式を満たす集合」になっているので直線である。
2:直線は必ず一般形で表せることの証明
2:直線は必ず一般形で表せることの証明
こちらの方が面白いです!
複素数 で表される二点を通る直線 の方程式を考える。
が直線 上にある
が一直線上にある
が実数
これは, とおけば直線の一般形となる。以上の議論は任意の に対して成立するので,任意の直線は冒頭の一般形で表される。
注:一般に という形の複素数は純虚数なので, は純虚数です。
注:上記の結果を公式として覚えておくとよいでしょう。
複素数平面上の二点 を通る直線の方程式は,
複素数平面における直線の一般形その2
複素数平面における直線の一般形その2
以上の議論により,複素数平面における直線の方程式の一般形が,
(ただし, は任意の複素数で は純虚数)であることが分かりましたが,実は一般形を
(ただし, は任意の複素数で は実数)と書くこともできます。
上の一般形の両辺に をかけて を新たに とおけば下の一般形になり,下の一般形の両辺に をかけて を新たに とおけば上の一般形になります。
つまり,一般形は2つあるが,それは定数倍の差に過ぎないということです。( も も同じ直線を表している,というような違い。)
複素数平面がマイブームです。