判別式まとめ【2次方程式の実数解・x軸との共有点の個数】

更新日時 2021/03/07

判別式とは,ax2+bx+cax^2+bx+c に対して b24acb^2-4ac のこと。

判別式

判別式についてわかりやすく解説します。

判別式とは

判別式とは,b24acb^2-4ac のことです。計算してみましょう。

例題1

2x2+3x12x^2+3x-1 の判別式を求めよ。

解答

a=2,b=3,c=1a=2,b=3,c=-1 なので,判別式は,

b24ac=3242(1)=17\begin{aligned}&b^2-4ac\\ &=3^2-4\cdot 2\cdot(-1)\\ &=17\end{aligned}

なお,英語で判別式を discriminant というので,判別式には DD という記号を用います。

練習問題1

x25x+3x^2-5x+3 の判別式を求めよ。

解答

判別式は D=(5)24×1×3=13D=(-5)^2-4\times 1\times 3=13

判別式と解の公式

判別式は,解の公式におけるルートの中身です。実際,2次方程式の解の公式x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} ですが,判別式を D=b24acD=b^2-4ac とおくと,上式は x=b±D2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{D}}{2a} となります。

判別式の符号と方程式の実数解

判別式の符号を見れば,2次方程式の実数解の個数が分かります。

2次方程式 ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 について,判別式を D=b24acD=b^2-4ac とするとき,

  • D>0    D > 0\iff 2次方程式は異なる実数解を2つ持つ。
  • D=0    D=0\iff 2次方程式は実数解を1つ(重解)持つ。
  • D<0    D <0\iff 2次方程式は互いに共役な2つの複素数解を持つ。

判別式と実数解の個数

例題2

3x2+6x+2=03x^2+6x+2=0 の実数解の個数を求めよ。

解答

判別式は D=62432=12D=6^2-4\cdot 3\cdot 2=12 より D>0D>0。よって,実数解は2つ。

このように判別式 DD の符号を見ることで,方程式の実数解の個数がわかります。

練習問題2

x26x+9=0x^2-6x+9=0 の実数解の個数を求めよ。

解答

判別式は D=(6)24×9=0D=(-6)^2-4\times 9=0 よって,実数解は1つ(重解)。

二次関数のグラフと判別式

判別式の符号を見れば,二次関数のグラフと xx 軸との交点の個数がわかります。

2次関数 y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c について,判別式を D=b24acD=b^2-4ac とするとき,

  • D>0    D > 0\iff 2次関数は xx 軸と二点で交わる。
  • D=0    D=0\iff 2次関数は xx 軸と一点で交わる(接する)。
  • D<0    D <0\iff 2次関数は xx 軸と交わらない。

判別式と共有点の個数

例題3

y=x2+3x2y=-x^2+3x-2 のグラフと xx 軸の共有点の個数を求めよ。

解答

判別式は D=324(1)(2)=1>0D=3^2-4(-1)\cdot (-{2})=1 > 0 である。よってこの2次関数のグラフは xx 軸と2点で交わる。

練習問題3

y=3x2+x2y=-3x^2+x-2 のグラフと xx 軸の共有点の個数を求めよ。

解答

判別式は D=124×(3)×(2)=23<0D=1^2-4\times(-3)\times (-2)=-23<0 である。よってこの2次関数のグラフは xx 軸と交わらない。共有点は0個。

D/4を用いる理由

判別式を用いるほとんどの問題において 重要なのは値ではなく判別式の符号のみです。よって,以下の理由により bb が偶数のときは DD の代わりに D4=(b2)2ac\dfrac{D}{4}=\left(\dfrac{b}{2}\right)^2-ac を用いるのがオススメです。

  • DD の符号を知りたいとき,D4\dfrac{D}{4} の符号を知れば十分。
  • bb が偶数のとき,DD よりも D4\dfrac{D}{4} の方が計算が簡単。

これはあくまでも計算を簡単にするためのテクニックに過ぎません。しかし,bb が大きい偶数だとけっこう役立ちます。

例題4

15x2+24x+10=015x^2+24x+10=0 の実数解の個数を求めよ。

解答

D4=1221510=6\dfrac{D}{4}=12^2-15\cdot 10=-6 より判別式は負。よって実数解を持たないことが分かる。

【発展】判別式の一般化に向けて

ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の解を α,β\alpha,\beta とおくことで,判別式は以下のように書くこともできます。

判別式の第二の姿(第二の定義)

D=a2(αβ)2D=a^2(\alpha-\beta)^2

実はこっちが由緒正しい判別式の定義です。こちらの姿を使うことによって三次以上の場合にも判別式を拡張できます。

例えば三次多項式の判別式は a4(αβ)2(βγ)2(γα)2a^4(\alpha-\beta)^2(\beta-\gamma)^2(\gamma-\alpha)^2 という形をしています。三次以上の判別式はあまり使わないので,ここでは深入りしません。詳細は三次方程式の判別式の意味と使い方を参照ください。

最後に,2次多項式において,第二の姿がさっきの定義と一致することを確認しておきます。2次方程式における解と係数の関係を用います。

証明

α+β=ba,αβ=ca\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a},\:\alpha\beta=\dfrac{c}{a} より

a2(αβ)2=a2(α2+β22αβ)=a2{(α+β)24αβ}=a2{(ba)24ca}=b24ac\begin{aligned}&a^2(\alpha-\beta)^2\\ &=a^2(\alpha^2+\beta^2-2\alpha\beta)\\ &=a^2\{(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta\}\\ &=a^2\left\{\left(-\dfrac{b}{a}\right)^2-4\dfrac{c}{a}\right\}\\ &=b^2-4ac\end{aligned}

となり「いつもの」判別式と一致した。

→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT94では,判別式を使う問題の2通りの解き方と計算ミスをしないためのコツも紹介しています。

「由緒正しい」判別式の定義の方が断然きれいです。

Tag:数学1の教科書に載っている公式の解説一覧