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数列の発散,収束,振動の意味と具体例

更新日時 2021/03/07

数列の極限は,

1.(有限の値に)収束する

2A.正の無限大に発散する

2B.負の無限大に発散する

3.振動する

のいずれかである。2と3の場合をいずれも発散すると言う。

最初に発散,収束,振動の意味をそれぞれ説明し,後半で具体例をいろいろ紹介します。

目次
  • 数列の極限の分類

  • 収束する数列の例

  • 発散する数列の例

  • 注意

数列の極限の分類

〜収束と発散の区別〜

項が進むにつれて一定の値 α\alpha に限りなく近づくとき,数列 ana_nα\alpha に「収束する」と言います。 limnan=α\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha と書きます。

収束しない数列をまとめて発散すると言います。

〜発散の中でもさらに分類〜

発散する数列の中でも,項が進むにつれていくらでも値が大きくなるとき,「正の無限大に発散する」と言います(注)。 limnan=\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\infty と書きます。

同様に,項が進むにつれていくらでも値が小さくなるとき,「負の無限大に発散する」と言います。 limnan=\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=-\infty と書きます。

ここまでのいずれにも当てはまらないような数列をまとめて「振動する」と言います。

注:「正の無限大に発散」の定義を厳密に言うと,

「任意の実数 RR に対して,ある NN が存在して,nNn\geq N なら anRa_n\geq R 」です。

収束する数列の例

例題1(易):数列 an=1na_n=\dfrac{1}{n} の極限を調べよ。

解答

nn が大きくなるにつれて ana_n00 にいくらでも近づくので limnan=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=0

例題2(難):数列 Sn=k=1n1k2S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n\dfrac{1}{k^2} の極限を調べよ。

解答

実は SnS_nπ26\dfrac{\pi^2}{6} に収束することが知られている。収束することの証明は比較的簡単だが,π26\dfrac{\pi^2}{6} に収束することの証明はかなり大変。→バーゼル問題の初等的な証明

発散する数列の例

例題3(易):数列 an=na_n=-n の極限を調べよ。

解答

nn が大きくなるにつれて ana_n はいくらでも小さくなるので

limnan=\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=-\infty (負の無限大に発散する)

例題4

数列 Sn=k=1n1kS_n=\displaystyle\sum_{k=1}^n\dfrac{1}{k} の極限を調べよ。

解答

調和級数と呼ばれる有名な問題。

SnS_n は正の無限大に発散する。→調和級数1+1/2+1/3…が発散することの証明

例題5

数列 an=(1)na_n=(-1)^n の極限を調べよ。

解答

ana_n1-111 をひたすら交互に繰り返す。収束,正の無限大に発散,負の無限大に発散,のいずれにも当てはまらないので振動する。

注意

  • 2Aのパターンのときに「正の無限大に発散する」と書かずに単に「発散する」と言うこともあるので注意してください。(「発散」と言うと振動も含む広い意味での「発散」なのか「正の無限大に発散」を省略したのか文脈によって判断する必要がある)。
  • 「限りなく近づく」とか「いくらでも値が大きくなる」という表現は数学的に厳密ではありません。そこで,大学できちんと数列の極限を定義するときには εδ\varepsilon -\delta 論法(εn\varepsilon -n 論法とも)というものを用います。

ただ,高校数学,大学受験の範囲では上記の(少しあいまいな?)定義を理解しておけば全く問題ありません。

振動は「バネのようなイメージ」と覚えるのではなくて「極限が定まらないもの」という消去法的な定義であることを理解しておきましょう。

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