高校数学の美しい物語

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ウォルステンホルムの定理

ウォルステンホルムの定理

55 以上の任意の素数 pp に対して, 11+12+13++1p1\dfrac{1}{1}+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\cdots +\dfrac{1}{p-1} を既約分数で表したときの分子は p2p^2 の倍数。

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リー群入門~定義と線型リー群の例

定義

GGリー群であるとは,次の2条件を満たすことをいう。

  1. GG は多様体である。
  2. GG の演算(積および逆元を取る操作)は多様体の CC^{\infty} 級写像になる。

この記事ではリー群・リー環(リー代数)の入門として,定義と例を紹介します。

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シローの定理とその応用

シローの定理(の一部)

有限群 GG について,その位数を G=pkm|G|=p^km とする(ただし pp は素数で,mmpp の倍数でないとする)。

このとき,GG の部分群で位数が pkp^k であるものが存在する。

GG の部分群で位数が pkp^k であるもののことを pp-シロー部分群と呼びます。

シローの定理(Sylow theorems)の主張とおもしろい応用例をわかりやすく紹介します。有限群論の有名な定理です。

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ベンフォードの法則と京大数学2024

ベンフォードの法則

多くの状況で自然数の最初の桁(最高位)に現れる数は一様に分布しない。

具体的に n (=1,2,,9)n \ (= 1,2, \dots , 9) の出てくる確率 PnP_nPn=log10n+1n P_n = \log_{10} \dfrac{n+1}{n} に近いことが多い。

P1>P2>P3>>P9P_1>P_2>P_3>\cdots>P_9 です。「最初の桁は小さくなりがち」という法則です。

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ねじれの位置にある2直線に関する問題

問題(大阪大学2024)

空間内の2直線 l,ml,m はねじれの位置にあるとする。llmm に直交する直線がただ1つ存在することを示せ。

この記事では話題になった大阪大学の入試問題を解説します。

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3次関数の極大値と極小値の差をすばやく計算するテクニック

定理

f(x)=ax3+bx2+cx+df(x)=ax^3+bx^2+cx+d が極大値と極小値を持つとき,その差は a(βα)32\dfrac{|a|(\beta-\alpha)^3}{2} である。ただし,α,β(α<β)\alpha,\beta\:(\alpha<\beta)f(x)=0f'(x)=0 の解。

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行列の最小多項式

定義

行列 AA の最小多項式とは,最高次数の係数が 11 の多項式 ff であって f(A)=Of (A) = O となるもののうち次数が一番小さいものである。

この記事では,線形代数においてとても重要な最小多項式について解説します。

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正七角形の対角線の性質

定理

正七角形の対角線の長さを短い順に a,b,ca,b,c とすると, 1a=1b+1c \dfrac{1}{a} = \dfrac{1}{b} + \dfrac{1}{c} が成立する。

pic

この記事では正七角形について,シンプルで美しい等式とその証明を紹介します。

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ラマヌジャンのタクシー数

ラマヌジャンのタクシー数

17291729 は2つの立方数の和として2通りに表される最小の自然数である: 1729=123+13=103+931729=12^3+1^3=10^3+9^3 これを(ラマヌジャンの)タクシー数という。

この記事では,ラマヌジャンのタクシー数を紹介します。

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素因数の数の評価~京大特色2023

京都大学特色入試2023大問1

22 以上の自然数 nn に対して,nn を割り切る素数の個数を f(n)f(n) とする。例えば n=120n=120 のとき,120120 を割り切る素数は 223355 なので,f(120)=3f(120) = 3 である。不等式 f(n)n2f(n) \geqq \dfrac{\sqrt{n}}{2} を満たす 22 以上の自然数 nn をすべて求めよ。

京大の特色入試の問題を解説します。

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オイラーの定数γの意味と東大の過去問

オイラーの定数

γ=limn(k=1n1klogn) \gamma = \lim_{n \to \infty} \left( \sum_{k=1}^n \dfrac{1}{k} - \log n \right) オイラーの定数(オイラー・マスケローニ定数)といいます。

1+12+13+14+1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}+\cdots という無限級数(調和級数)は,だいたい logn\log n と同じスピードで発散します。この2つの差の極限がオイラーの定数です。

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ピックの定理

ピックの定理(Pick's theorem)

頂点がすべて格子点上にある多角形の面積は

内側の格子点数+辺上の格子点数÷21÷2-1

ピックの定理の例

ピックの定理は,多角形の面積と格子点の数の間の関係を示す定理です。ピックの定理の意味・例・証明を紹介します。

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