例題
次の行列の最小多項式を求めなさい。
- (2002)
- (2012)
- (2134)
- ⎝⎛2−1−1−15−12−15⎠⎞
例題の解答
1
明らかに t−2 が最小多項式です。
2
固有多項式は ∣∣2−t012−t∣∣=(t−2)2 です。
よって最小多項式の候補は t−2,(t−2)2 となります。一次式にはならないため.(t−2)2 が最小多項式になります。
3
固有多項式は
∣∣2−t134−t∣∣=(2−t)(4−t)−3=t2−6t+5
です。
この場合,最小多項式が一次式にならないため,t2−6t+5 が最小多項式です。
4
行列を A とおきましょう。
固有多項式を計算すると
∣∣2−t−1−1−15−t−12−15−t∣∣=(2−t)(5−t)(5−t)+2−1−{(2−t)−2(5−t)+(5−t)}=−t3+12t2−45t+54=−(t−3)2(t−6)
である。
一次ではないのは明らか。
二次であると仮定すると,候補は t2−6t+9,t2−9t+18 となります。
A2=3⎝⎛1−2−2−39−35−48⎠⎞
です。
A2−6A+9I=⎝⎛3−6×2+9−6−6×(−1)−6−6×(−1)−9−6×(−1)27−6×5+9−9−6×(−1)15−6×2−12−6×(−1)24−6×5+9⎠⎞=⎝⎛000−36−33−63⎠⎞=O
より t2−6t+9 が最小多項式とはなりません。
同様に計算すると
A2−9A+18I=⎝⎛333000−3−3−3⎠⎞
であるため,t2−9t+18 もまた最小多項式ではありません。
よって t3−12t2+45t−54 が最小多項式となります。