1. 高校数学の美しい物語
  2. 検算テクニック

検算テクニック

    更新日時 2021/03/12

    正三角形の面積,正四面体の体積を求める公式

    (i)1辺の長さが aa の正三角形の面積 SS は,

    S=34a2S=\dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2

    (ii)1辺の長さが aa の正四面体の体積 VV は,

    V=212a3V=\dfrac{\sqrt{2}}{12}a^3

    記述式の場合途中経過を求められるので,この公式を用いることはできませんが,検算に用いることはできます。特に,(ii)はその場で計算しようとするとわりと時間がかかってしまうので,覚えておくべきです。

    正四面体の体積は「底面積×高さ× 13\dfrac{1}{3} 」を普通に計算すれば導出できますが,ここではサラスの公式を用いて(ii)のエレガントな導出を紹介します。

    → 正三角形の面積,正四面体の体積を求める公式

    トレミーの定理とその2通りの証明,応用例

    トレミーの定理:円に内接する四角形 ABCDABCD において, AB×CDAD×BCAC×BDAB×CD+AD×BC=AC×BD

    トレミーの定理

    非常に美しい定理で応用も広いです。

    大学入試問題では,検算に用いる場合が多いです。

    この記事ではトレミーの定理の2通りの証明と,トレミーの定理の応用例を3つ紹介します。まずは応用例から!

    → トレミーの定理とその2通りの証明,応用例

    三角関数と指数関数の積の積分を一発で求める公式

    三角関数と指数関数の積の積分は部分積分を2回行って求めるのが定石ですが,計算量も多くミスしやすいので,公式として覚えておくとスピードアップや検算に役立ちます:

    eaxcosbxdx=eaxa2+b2(acosbx+bsinbx)+C\displaystyle\int e^{ax}\cos bxdx=\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\cos bx+b \sin bx)+C

    eaxsinbxdx=eaxa2+b2(asinbxbcosbx)+C\displaystyle\int e^{ax}\sin bxdx=\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\sin bx-b \cos bx)+C

    公式の証明は以下の2つのどちらの方法でも簡単にできます:

    (i)左辺を定石どおり2回部分積分して頑張って計算する

    (ii)右辺を微分して左辺になることを示す

    ただし,普通に証明しても面白くないのでこの記事では,三角関数と指数関数を統一的に議論するための道具である複素指数関数とオイラーの公式を用いて2つの公式を同時に示します。

    → 三角関数と指数関数の積の積分を一発で求める公式

    ベクトルの定番問題を一瞬で解く公式

    ベクトルと面積比

    三角形 ABCABC 内に点 XX があり,pXAundefined+qXBundefined+rXCundefined=0undefinedp\overrightarrow{XA}+q\overrightarrow{XB}+r\overrightarrow{XC}=\overrightarrow{0}

    が成立するとき,面積比は

    XABXAB:△ XBCXBC:△ XCAr:p:qXCA=r:p:q

    この問題は頻出なので結果をそのまま覚えておくとよいでしょう。

    → ベクトルの定番問題を一瞬で解く公式

    攪乱順列の公式

    1,2,,n1, 2,\cdots, n を並び替えてできる順列のうち,全ての i=1,2,,ni=1, 2, \cdots, n に対して ii 番目が ii でないものの個数 ana_n は,以下の式で表される:

    an=n!k=2n(1)kk!a_n=n!\displaystyle\sum_{k=2}^n\dfrac{(-1)^k}{k!}

    → 攪乱順列の公式

    対称式を素早く正確に展開する3つのコツ

    難関大学の入試問題や数学オリンピックの不等式証明問題では複雑な対称式を計算しなければならない問題が出題されます。

    気合いで1つずつ展開すると脳のエネルギーを無駄に消費してしまうので,対称式の性質をうまく利用してサクッと展開できるようになっちゃいましょう!以下の3つのコツは 主に3変数の展開で威力を発揮します。

    → 対称式を素早く正確に展開する3つのコツ

    同じものを含む円順列の裏技公式

    同じものを含む円順列の個数はバーンサイドの公式を使って求めることができる。

    円順列の個数=1GgGϕ(g)=\dfrac{1}{|G|}\displaystyle\sum_{g\in G}\phi(g)

    バーンサイドの補題,バーンサイドの定理,コーシー・フロベニウスの定理とも呼ばれます。記号の説明はおいおいしていきます。

    一般的なバーンサイドの公式は難しい(大学で学ぶ群論を用いる)ので,ここでは円順列の問題の場合に限定して説明します。円順列の場合に理解できればより難しい問題(数珠順列,立方体の塗り分け問題など)に応用することもできる素敵な定理です。

    まずは問題設定を確認しつつ記号を説明していきます。

    → 同じものを含む円順列の裏技公式

    直線の方程式の一般形が嬉しい3つの理由

    平面における直線の方程式は

    1:y=mx+ny=mx+n

    が基本だが,

    2:ax+by+c=0ax+by+c=0

    も覚えておくと嬉しいことが3つある。

    公式1と公式2はほぼ同じ意味なのになぜ2つも公式が必要なのか疑問に思ったことはありませんか?僕は高校生のとき公式1だけでよいじゃんと思った記憶があります。

    公式1においては mm が傾きで nn が切片」という重要な意味があり,イメージしやすいのでその点では公式1が優れています。しかし,公式2のメリットも理解しておくと違った視点で直線の方程式を観ることができるようになります。

    このページでは公式2の成り立ちと公式2がなぜ嬉しいのかを説明します。

    目次:

    「全ての直線を統一的に扱えるので嬉しい」

    「法線ベクトルによるイメージを提供してくれるので嬉しい」

    「高次元に拡張できるので嬉しい」

    → 直線の方程式の一般形が嬉しい3つの理由

    三項間漸化式の3通りの解き方

    三項間漸化式:

    an+2=pan+1+qana_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n

    の3通りの解法と,それぞれのメリットデメリットを解説します。

    1. 特性方程式を用いた解法
    2. 答えを気合いで予想する
    3. 行列の nn 乗を求める方法

    例題として,a1=1,a2=1,an+2=5an+16ana_1=1,a_2=1,a_{n+2}=5a_{n+1}-6a_n を解きます。

    特性方程式の解が重解になる場合は最後に補足します。

    → 三項間漸化式の3通りの解き方

    三次関数の対称性と4等分の法則

    三次関数の対称性

    三次関数のグラフに関して以下の性質が成り立つ

    対称性1:(変曲点に関して)点対称である

    対称性2:図において,A,B,C,D,EA,B,C,D,E は等間隔に並んでいる(4等分の法則)

    CC は変曲点,B,DB,D は極大,極小点,A,EA,E は極大,極小点と同じ高さの点の xx 軸への射影)

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    分数関数の極値を求める2つのテクニック

    分数関数の極値を求めるテクニックを2つ紹介します。

    1つ目は y=f(x)g(x)y=\dfrac{f(x)}{g(x)} の形の関数ならどんなものでも使える実践的なテクニック,

    2つ目は分母が2次式,分子が1次式の場合にのみ使えるエレガントなテクニックです。

    → 分数関数の極値を求める2つのテクニック

    位相が等差数列である三角関数の和の公式

    (位相が等差数列なら)複素指数関数と等比数列の和の公式を用いて三角関数の和を計算することができる:

    k=0nsin(θ+kϕ)=sin((n+1)ϕ2)sin(θ+nϕ2)sinϕ2\displaystyle\sum_{k=0}^n\sin(\theta+k\phi)=\dfrac{\sin(\frac{(n+1)\phi}{2})\sin(\theta+\frac{n\phi}{2})}{\sin\frac{\phi}{2}}

    k=0ncos(θ+kϕ)=sin((n+1)ϕ2)cos(θ+nϕ2)sinϕ2\displaystyle\sum_{k=0}^n\cos(\theta+k\phi)=\dfrac{\sin(\frac{(n+1)\phi}{2})\cos(\theta+\frac{n\phi}{2})}{\sin\frac{\phi}{2}}

    三角関数の和を求めるタイプの問題に対するかなり万能な方法です。

    → 位相が等差数列である三角関数の和の公式

    ロピタルの定理の条件と例題

    ロピタルの定理(大雑把バージョン):

    limxaf(x)g(x)\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}00\dfrac{0}{0} または \dfrac{\infty}{\infty} の不定形で「ある条件」を満たせば,

    limxaf(x)g(x)=limxaf(x)g(x)\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}=\lim_{x\to a}\dfrac{f'(x)}{g'(x)}

    「ある条件」は後述します。ロピタルの定理は,大雑把に言うと「不定形の極限は,分母と分子をそれぞれ微分しても極限の値が変わらない」です。

    多くの問題で威力を発揮する検算テクニックです。

    → ロピタルの定理の条件と例題

    シンプソンの公式の証明と例題

    シンプソンの公式:

    f(x)f(x) が三次以下の関数のとき,

    abf(x)dx=(ba)6{f(a)+4f(a+b2)+f(b)}\displaystyle\int_a^bf(x)dx=\dfrac{(b-a)}{6}\{f(a)+4f(\dfrac{a+b}{2})+f(b)\}

    三次関数の定積分を素早く計算(検算)することができます!

    → シンプソンの公式の証明と例題

    常用対数の覚え方と検算への応用

    log1020.3010\log_{10} 2\simeq 0.3010

    log1030.4771\log_{10} 3\simeq 0.4771

    log1070.8451\log_{10} 7\simeq 0.8451

    logex2.3log10x\log_{e} x\simeq 2.3\log_{10} x

    これらの値は覚えておくと便利です。

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    二次関数の面積に関する1/3公式と1/12公式の証明

    1/6公式は面積を求める公式として有名ですが,その亜種として 1/3公式や1/12公式というものも存在します。

    公式の丸暗記でかなりの時間短縮&検算への効用が見込めますが,導出方法も非常に重要なので理解しておきましょう。

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    四面体の体積を求める2つの公式with行列式

    一般的な四面体の体積を求める公式を二つ解説します。行列式が登場しますが,行列式を知らなくても楽しめます!応用例として東北大の入試問題も。

    なお,四面体が特別な場合にはもっと簡単な公式で体積が求まります。

    正四面体の場合:→正三角形の面積,正四面体の体積

    等面四面体の場合:→等面四面体とその性質

    → 四面体の体積を求める2つの公式with行列式

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