1/3公式と1/12公式の意味と証明【二次関数・三次関数と面積】

  • 1/3公式と1/12公式(二次関数版)と1/12公式(三次関数版)いう3つの公式を紹介します。
  • 二次関数(放物線)や三次関数に関する面積をすばやく計算できる公式です。

1/3公式とその証明

1/3公式

1/3公式

  • 放物線 y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c
  • 放物線と x=αx=\alpha で接する接線
  • x=βx=\beta

という3つのグラフで囲まれた部分の面積は,

∣a∣3∣β−α∣3\dfrac{|a|}{3}|\beta-\alpha|^3

証明

a>0,α<βa > 0,\alpha <\beta の場合について証明する(他の場合も全く同様)。

愚直に計算するのではなく,「接線」であることを利用して被積分関数を因数分解する:

放物線の式−接線の式=a(x−α)2\text{放物線の式}-\text{接線の式}=a(x-\alpha)^2

よって,求める面積は

∫αβa(x−α)2dx=a3(β−α)3\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}a(x-\alpha)^2dx=\dfrac{a}{3}(\beta-\alpha)^3

1/12公式(二次関数版)とその証明

1/12公式(二次関数版)

1/12公式

放物線 y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c の2本の接線の接点の xx 座標を α,β\alpha, \beta とおくとき,放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積 TT は,

T=∣a∣12∣β−α∣3T=\dfrac{|a|}{12}|\beta-\alpha|^3

1/12公式の証明を2通り紹介します。まずは,2分割して1/3公式を使う方法です。

1/12公式の証明その1

放物線の二接線の交点でも紹介した有名な形であり,この公式1を使うと,二接線の交点の xx 座標は α+β2\dfrac{\alpha+\beta}{2} である。よって,求める面積を二分割して1/3公式を使うと,

T=13∣a∣(∣β−α∣2)3⋅2=∣a∣12∣β−α∣3T=\dfrac{1}{3}|a|\left(\dfrac{|\beta-\alpha|}{2}\right)^3\cdot 2\\ =\dfrac{|a|}{12}|\beta-\alpha|^3

次は,有名な1/6公式(後述)を使った1/12公式の証明です。

1/12公式の証明その2

放物線の二接線の交点の公式2を使うと,

S:T=2:1S:T=2:1

がわかる。また,後述する1/6公式より

S=∣a∣6∣β−α∣3S=\dfrac{|a|}{6}|\beta-\alpha|^3

以上より1/12公式が導ける。

1/12公式(三次関数版)とその証明

二次関数版の1/12公式とは別に,三次関数に関する1/12公式もあります。どちらも1/12公式と呼ばれるので紛らわしいです。

1/12公式(三次関数版)

1/12公式その2

  • 三次関数 y=ax3+bx2+cx+dy=ax^3+bx^2+cx+d
  • 三次関数と x=αx=\alpha で接し,x=βx=\beta でも交わる直線

で囲まれた部分の面積は,

∣a∣12∣β−α∣4\dfrac{|a|}{12}|\beta-\alpha|^4

証明

a>0a>0,α<β\alpha<\beta の場合について証明する(他の場合も全く同様。

接線の式−三次関数の式=a(x−α)2(β−x)\text{接線の式}-\text{三次関数の式}=a(x-\alpha)^2(\beta-x)

よって,求める面積は

−∫αβa(x−α)2(x−β)dx=−a∫αβ(x−α)2(x−α+α−β)dx=−a∫αβ(x−α)3dx−a(α−β)∫αβ(x−α)2dx=−a(β−α)44+a(β−α)43=a12(β−α)4-\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}a(x-\alpha)^2(x-\beta)dx\\ =-a\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^2(x-\alpha+\alpha-\beta)dx\\ =-a\displaystyle\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^3dx-a(\alpha-\beta)\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^2dx\\ =-a\dfrac{(\beta-\alpha)^4}{4}+a\dfrac{(\beta-\alpha)^4}{3}\\ =\dfrac{a}{12}(\beta-\alpha)^4

最短で得点力を上げる!高校数学の問題集〈典型250問〉の問題220では,1/12公式を使う例題と3通りの解法を紹介しています。

1/6公式

1/3公式・1/12公式と似ている有名な公式に1/6公式があります。

1/6公式

6分の1公式

放物線 y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c と直線 px+qpx+q の交点の xx 座標を α,β (α<β)\alpha, \beta\:(\alpha < \beta) とおくとき,

放物線と直線で囲まれた部分の面積は,

∣a∣6(β−α)3\dfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3

証明は1/6公式とその証明を参照してください。

4つの公式の共通点

1/3公式・1/12公式・1/6公式は似ています!

  • b,cb,c や直線の式に直接依存せず aa と β−α\beta-\alpha のみで面積が決まります。
  • 全て,C∣a∣LkC|a|L^k(ただし L=β−αL=\beta-\alpha は区間幅)という形をしています。1/3公式では C=13C=\dfrac{1}{3},1/12公式では C=112C=\dfrac{1}{12},1/6公式では C=16C=\dfrac{1}{6} です。二次関数についての公式では k=3k=3,三次関数についての公式では k=4k=4 です。
  • 証明のポイントは,「展開しない」です。因数分解された式の積分をわざわざ展開してから行うのではなく,うまく処理すれば計算が楽になります。これは非常に重要な考え方で,三次関数が関係してくる場合もしばしば使えます。
  • 公式の丸暗記でかなりの時間短縮&検算に役立ちます。

1/6公式と1/3公式は覚えておくべきです。1/12公式もたまに役立つので余力がある人は覚えておきましょう。

Tag:積分を用いた面積,体積の求積公式まとめ