代数,情報・暗号理論

代数,情報・暗号理論 に関する26記事をまとめました。くわしくは各リンク先を見てください。

共通鍵暗号方式とは,暗号化に必要な鍵と復号化に必要な鍵が同じであるような暗号方式。

→共通鍵暗号と公開鍵暗号の仕組み

有名な定理

aabb が互いに素なとき ax1(modb)ax\equiv 1\pmod{b} なる xx1xb11\leq x\leq b-1 の間ではただ一つ存在する。

→RSA暗号の仕組みと安全性・具体例

多項式補間を使うことで「故障に強い」かつ「漏洩に強い」秘密情報の保管が実現できる。

→(k,n)しきい値法とシャミアの秘密分散法

対数和不等式(Log sum inequality

a1,a2,,an,b1,b2,,bna_1,a_2,\dots,a_n,b_1,b_2,\dots,b_n を正の数とするとき, aklogakbk(ak)logakbk\sum a_k\log\dfrac{a_k}{b_k} \geqq \left(\sum a_k \right) \log\dfrac{\sum a_k}{\sum b_k}

→対数和不等式の証明と応用

1の数の偶奇の情報をつけ加えることで誤りを検出できる(ことがある)。

→パリティビットと誤り検出

nn 個のものを並び替える操作を置換と言う。

→置換の基礎(互換・偶置換・奇置換・符号の意味)

情報量とは

確率 pp で起こる事象を観測したときに得られる(自己)情報量log2p-\log_2 p bitと定義する。

→情報量の意味と対数関数を使う理由

集合 GG とその集合上の二項演算 ff の組がとある条件を満たすときに,そのペア (G,f)(G,f) を群と言う。

→群の定義といろいろな具体例

差積の定義

nn 個の変数の全てのペアの差の積: Δ(x1,,xn)=1i<jn(xjxi) \Delta (x_1 , \cdots , x_{n})= \prod_{1 \leq i < j \leq n} (x_j -x_i)

を差積(最簡交代式,基本交代式)と言う。

→差積の意味と置換の符号が定義できることの証明

位数(要素数)が qq の有限体が存在する     \iff ある素数 pp と正の整数 nn が存在して q=pnq=p^n

→有限体(ガロア体)の基本的な話

相互情報量の意味

相互情報量は,確率変数の間の「依存度」を表す指標。

→相互情報量の意味とエントロピーとの関係

足し算とかけ算ができるような代数系を環(かん)という。

→環の定義とその具体例

準同型の定義

A,BA,B を環とする。ϕ:AB\phi : A \rightarrow B が次の条件を満たすとき,ϕ\phi準同型という。

  1. 任意の x,yAx,y \in A に対して次の式が成り立つ。 ϕ(x+y)=ϕ(x)+ϕ(y)ϕ(xy)=ϕ(x)ϕ(y) \phi (x+y) = \phi (x) + \phi (y)\\ \phi (xy) = \phi (x) \phi (y)

  2. ϕ(1A)=1B\phi (1_A) = 1_B である。

→環の基礎用語~準同型・部分環・イデアル~

写像の定義

集合 A,BA,B がある。任意の aAa \in A に対して,BB の要素を1つ返すような対応 ffAA から BB への 写像 という。またこのとき f:AB f : A \rightarrow B と書くことがある。

→写像・単射・全射

三大作図問題

三大作図問題とは

  • 円積問題
  • 立方体倍積問題
  • 角の3等分問題

の3つのことである。

→ギリシアの三大作図問題

足し算・引き算・掛け算・割り算ができるような代数系を体(たい)という。

→体の基礎用語~拡大体と拡大次数

定義

(G,)(G,\cdot) の部分集合 HHGG の演算 \cdot で群となるとき,HH部分群 という。

→部分群とその具体例

準同型写像とは

GG から群 HH への写像 ϕ\phi について,任意の g1,g2Gg_1 , g_2 \in G に対して ϕ(g1g2)=ϕ(g1)ϕ(g2)\phi (g_1 g_2) = \phi (g_1) \phi (g_2) であるとき,ϕ\phi準同型写像と言う。

→群の準同型と準同型定理

正規部分群の定義
  • GG の部分群 NN正規部分群であるとは,
    任意の gG,nNg \in G, n \in N に対して g1ngNg^{-1} n g \in N である
    ことを表す。
  • 正規部分群は「その剰余集合が群になる(剰余群が定まる)」ので嬉しい

→正規部分群と剰余群(商群)

群の位数と元の位数
  • GG の位数とは,GG の元の個数のことである。G|G| と書くことが多い。

  • xGx\in G の位数とは,xn=1Gx^n = 1_G となる最小の nn のことである。ただし 1G1_GGG の単位元とする。

→群の生成元と元の位数

定理

GG の部分群 HH の指数が有限であるとする。

このとき HH は指数有限の正規部分群を含む。

→群論有名問題~指数有限の部分群は指数有限の正規部分群を持つ

定義

GGリー群であるとは,次の2条件を満たすことをいう。

  1. GG は多様体である。
  2. GG の演算(積および逆元を取る操作)は多様体の CC^{\infty} 級写像になる。

→リー群入門~定義と線型リー群の例

シローの定理(の一部)

有限群 GG について,その位数を G=pkm|G|=p^km とする(ただし pp は素数で,mmpp の倍数でないとする)。

このとき,GG の部分群で位数が pkp^k であるものが存在する。

→シローの定理とその応用

イデアル

AA の空でない部分集合 II が次の条件を満たすとき,IIAAイデアルという。

  1. 任意の x,yIx,y \in I に対して,x+yIx+y \in I (すなわち,II は加法に関して AA の部分群)
  2. 任意の aA,xIa \in A, x \in I に対して,axIax \in I

→環の基礎用語~剰余環・準同型定理~

定義

AA整域 であるとは,次の条件を満たすことをいう。

  • x,yAx,y \in Axy=0Axy = 0_A を満たすのならば,x=0Ax = 0_A もしくは y=0Ay = 0_A である。

→環の基礎用語~素イデアル・極大イデアル~

定義

nn 次の置換全体の集合は,置換の積に関して群を成す。これを対称群(置換群)といい,Sn\mathfrak{S}_nSnS_nS\mathfrak{S}SS のドイツ文字)などと書く

→対称群と交代群の基本的な性質