不等式

    更新日時 2021/03/11

    コーシーシュワルツの不等式とそのエレガントな証明

    シュワルツの不等式:

    (i=1nai2)(i=1nbi2)(i=1naibi)2{\displaystyle(\sum_{i=1}^n a_i^2)}{\displaystyle(\sum_{i=1}^n b_i^2)}\geq{\displaystyle(\sum_{i=1}^n a_ib_i)^2}

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    不等式証明のコツ2:斉次式化

    条件付きの対称な不等式の証明問題は,全ての項の次数を一致させる(斉次式にする)と見通しがよくなることが多い。(斉次式化)

    → 不等式証明のコツ2:斉次式化

    Schurの不等式の証明と例題

    Schur(シュール)の不等式:

    r>0,x,y,z0r>0, x, y, z\geq0 に対して,

    xr(xy)(xz)+yr(yz)(yx)+zr(zx)(zy)0x^r(x-y)(x-z)+y^r(y-z)(y-x)+z^r(z-x)(z-y)\geq 0 等号成立条件は,

    x=y=zx=y=z or x,y,zx, y, z のうち1つが0で残りの2つが等しい場合。

    追記: r>0r > 0 という条件は不要でした。任意の実数 rr に対して成立します。(r0r\leq 0 のとき等号成立条件は x=y=zx=y=z

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    イェンゼンの不等式の3通りの証明

    イェンゼンの不等式(Jensen,凸関数の不等式)

    f(x)f(x) が凸関数のとき,

    任意の λi0,xi(i=1,,n),i=1nλi=1\lambda_i\geq 0,\:x_i\:(i=1,\cdots,n),\:\displaystyle\sum_{i=1}^n\lambda_i=1

    に対して,

    i=1nλif(xi)f(i=1nλixi){\displaystyle\sum_{i=1}^{n}\lambda_if(x_i)}\geq f({\displaystyle\sum_{i=1}^{n}\lambda_ix_i})

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    不等式証明のコツ3:Ravi変換

    三角形の各辺の長さが変数の不等式証明問題は,Ravi変換と呼ばれる以下の置き換えを用いるとほとんどの場合でうまくいく。

    Ravi変換:a=x+y,b=y+z,c=z+xa=x+y, b=y+z, c=z+x

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    重み付き相加相乗平均の不等式の意味とその証明

    重み付き相加相乗平均の不等式:

    非負実数 a1,a2,,ana_1, a_2,\cdots, a_n と重み w1,w2,,wnw_1, w_2, \cdots, w_n に対して以下の不等式が成立する。

    i=1nwiaii=1naiwi\displaystyle\sum_{i=1}^nw_ia_i\geq \displaystyle\prod_{i=1}^na_i^{w_i}

    等号成立条件は a1=a2==ana_1=a_2=\cdots =a_n

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    シュワルツの不等式の応用公式と例題

    シュワルツの不等式の応用例として頻出な形を紹介します。

    分数の和を下から抑える公式:

    bi>0(i=1n)b_i>0\:(i=1\cdots n) のとき,以下の不等式が成立する。

    ai2bi(ai)2bi\sum\dfrac{a_i^2}{b_i}\geq \dfrac{(\sum a_i)^2}{\sum b_i}

    等号成立条件は aundefined\overrightarrow{a}bundefined\overrightarrow{b} が平行であること。

    シグマの和は 11 から nn まで取る。

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    有名不等式a^2+b^2+c^2≧ab+bc+caのいろんな証明

    次の不等式は有名で応用上重要なので頭の引き出しに入れておきたいところです:

    任意の実数 a,b,ca, b, c に対して,

    a2+b2+c2ab+bc+caa^2+b^2+c^2\geq ab+bc+ca

    等号成立条件は,a=b=ca=b=c

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    Muirheadの不等式と具体例

    Muirheadの不等式:

    各成分が非負で非増加な数列 a=(a1,a2,,an),b=(b1,b2,,bn)a=(a_1, a_2,\cdots , a_n), b=(b_1, b_2,\cdots, b_n) と,任意の非負実数 x1,x2,,xnx_1, x_2, \cdots, x_n に対して,[a][b][a]\succeq [b] ならば

    symi=1nxiaisymi=1nxibi\displaystyle\sum_{sym}\prod_{i=1}^nx_i^{a_i}\geq\displaystyle\sum_{sym}\prod_{i=1}^nx_i^{b_i}

    等号成立条件は,a=ba=b または, x1=x2==xnx_1=x_2=\cdots=x_n

    この不等式は一見抽象的で意味不明ですが,具体的に書いてみればなんてことありません。要するに, 「対称式ならベキが偏っている方が大きい」ということです。

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    Nesbittの不等式の6通りの証明

    Nesbittの不等式:

    a,b,c>0a, b, c>0 のとき以下の不等式が成立する。

    ab+c+bc+a+ca+b32\dfrac{a}{b+c}+\dfrac{b}{c+a}+\dfrac{c}{a+b}\geq \dfrac{3}{2}

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    並べ替え不等式の証明と例題

    並べ替え不等式(rearrangement inequality):

    x1x2xny1y2ynx_1\geq x_2\geq\cdots\geq x_n\\y_1\geq y_2\geq\cdots \geq y_n

    1,2,,n1, 2, \cdots, n の並べ替え σ(1),σ(2),,σ(n)\sigma(1), \sigma(2), \cdots, \sigma(n) に対して,

    i=1nxiyii=1nxiyσ(i)i=1nxiyni+1\displaystyle\sum_{i=1}^nx_iy_i\geq\sum_{i=1}^nx_iy_{\sigma(i)}\geq\sum_{i=1}^nx_iy_{n-i+1}

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    チェビシェフの不等式の2通りの証明と例題

    チェビシェフの不等式(Chebyshev’s sum inequality):

    x1x2xny1y2ynx_1\geq x_2\geq\cdots\geq x_n\\y_1\geq y_2\geq\cdots \geq y_n

    に対して,

    1ni=1nxiyi(1ni=1nxi)(1ni=1nyi)1ni=1nxiyn+1i\dfrac{1}{n}\displaystyle\sum_{i=1}^nx_iy_i\geq(\dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^nx_i)(\dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^ny_i)\geq\dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^nx_iy_{n+1-i}

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    ヘルダーの不等式の証明と例題

    ヘルダーの不等式:

    aij0,wi>0,i=1mwi=1a_{ij}\geq 0,w_i > 0, \displaystyle\sum_{i=1}^mw_i=1 のとき,

    i=1m(j=1naij)wij=1n(i=1maijwi)\displaystyle\prod_{i=1}^m(\sum_{j=1}^na_{ij})^{w_i}\geq \sum_{j=1}^n(\prod_{i=1}^ma_{ij}^{w_i})

    等号成立条件は

    mm 本のベクトル (a1j,a2j,,anj)(j=1,2,,m)(a_{1j},a_{2j},\cdots,a_{nj})\:(j=1,2,\cdots ,m) たちが全て平行

    一般形はとても複雑なので理解できなくても構いません,頻出系を覚えて下さい!

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    条件式abc=1を持つ不等式の証明

    条件式 abc=1abc=1 を持つ不等式証明の問題では以下のいずれかの変換を用いるとうまくいく場合が多い。

    変換1:a=xy,b=yz,c=zxa=\dfrac{x}{y}, b=\dfrac{y}{z}, c=\dfrac{z}{x}

    変換2:a=1x,b=1y,c=1za=\dfrac{1}{x}, b=\dfrac{1}{y}, c=\dfrac{1}{z}

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    Cauchy Reverse Technique

    Cauchy Reverse Techniqueは分数の和を下からおさえるときに使える不等式証明のテクニックです。

    → Cauchy Reverse Technique

    isolated fudging

    isolated fudging:

    f(a,b,c)+f(b,c,a)+f(c,a,b)kf(a, b, c)+f(b, c, a)+f(c, a, b)\geq k

    を証明する代わりに

    f(a,b,c)karar+br+crf(a, b, c)\geq \dfrac{ka^r}{a^r+b^r+c^r}

    を証明する手法

    → isolated fudging

    Karamataの不等式

    Karamataの不等式:

    • [a][b][a]\succeq [b] を満たす実数の列 a=(a1,a2,,an),b=(b1,b2,,bn)a=(a_1, a_2,\cdots , a_n), b=(b_1, b_2,\cdots, b_n)
    • f(x)f(x) は微分可能で凸

    このとき,

    f(a1)+f(a2)++f(an)f(b1)+f(b2)++f(bn)f(a_1)+f(a_2)+\cdots +f(a_n)\geq f(b_1)+f(b_2)+\cdots +f(b_n)

    このページではKaramataの不等式の意味,応用例,証明を解説します。

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    ニュートンの不等式の具体例

    ニュートン(Newton)の不等式:

    nn 変数の kk 次の基本対称式を S(n,k)S(n,k) とおき,d(n,k)=S(n,k)nCkd(n,k)=\dfrac{S(n,k)}{{}_n\mathrm{C}_{k}} とおく。

    このとき, d(n,k)2d(n,k1)d(n,k+1)d(n,k)^2\geq d(n,k-1)d(n,k+1)

    等号成立条件は全ての変数の値が等しいことです。

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    ミンコフスキーの不等式とその証明

    ミンコフスキー(Minkowski)の不等式:

    1p1\leq p\leq\infty のとき,

    x+ypxp+yp\|x+y\|_p\leq\|x\|_p+\|y\|_p

    三角不等式の一般化です。

    p=2p=2 の場合の証明くらいは入試で出題されるかもしれません。ここでは一般的な場合のミンコフスキーの不等式を紹介します。

    → ミンコフスキーの不等式とその証明

    いろんな三角不等式(絶対値,複素数,ベクトル)

    三角不等式:

    xx の「大きさ」を x\|x\| と書くとき,いろいろな「大きさ」に対して以下の不等式が成立する

    x+yx+y\|x+y\|\leq\|x\|+\|y\|

    高校数学のいろいろな場面で登場する三角不等式を統一的に見てみます。

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    数学オリンピック対策問題(不等式)

    問題

    非負実数 a,b,ca,b,c に対して

    (a+b2)(b+c2)(c+a2)3ab+bc+ca3\sqrt[3]{(\dfrac{a+b}{2})(\dfrac{b+c}{2})(\dfrac{c+a}{2})}\geq\dfrac{\sqrt{ab}+\sqrt{bc}+\sqrt{ca}}{3}

    を証明せよ。

    良質な練習問題です,数オリ対策にどうぞ。

    → 数学オリンピック対策問題(不等式)

    累乗平均の不等式の具体例と証明

    累乗平均の不等式(power mean inequality):

    任意の非負の実数 xkx_k たちと正の実数 pp に対して

    f(p)=(1nk=1nxkp)1pf(p)=\left(\dfrac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^nx_k^p\right)^{\frac{1}{p}}

    とおくと f(p)f(p) は単調増加

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    ベルヌーイの不等式

    ベルヌーイの不等式:

    任意の正の整数 nn1-1 より大きい実数 xx に対して,

    (1+x)n1+nx(1+x)^n\geq 1+nx

    → ベルヌーイの不等式

    二次不等式の解き方(2通りの考え方)と例題

    二次不等式とは,x24x+3>0x^2-4x+3 > 0 というような,二次の項を含む不等式のことです。

    この記事では,

    ・グラフを書くことで二次不等式を解く方法

    ・因数分解をすることで二次不等式を解く方法

    をそれぞれ解説します。二つとも結局やることは同じになりますが,考え方は違います!

    → 二次不等式の解き方(2通りの考え方)と例題

    分数不等式のおすすめの解き方と例題

    分数不等式とは,

    2x4x26x12-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}

    のように,分数式を含む不等式のことです。

    このページでは,分数不等式の解き方を3通り紹介します。2つめの方法(通分する方法)がおすすめです。

    → 分数不等式のおすすめの解き方と例題

    対称式に関するマクローリンの不等式

    マクローリン(Maclaurin)の不等式

    nn 変数 kk 次の基本対称式を nCk{}_n\mathrm{C}_k で割ったものを dkd_k とする。このとき,

    d1d212d313dn1nd_1\geq d_2^{\frac{1}{2}}\geq d_3^{\frac{1}{3}}\geq\cdots\geq d_n^{\frac{1}{n}}

    → 対称式に関するマクローリンの不等式

    フランダースの不等式とその証明

    フランダース(Flanders)の不等式

    任意の三角形 ABCABC について,

    sinAsinBsinC(332π)3ABC\sin A\sin B\sin C\leq\left(\dfrac{3\sqrt{3}}{2\pi}\right)^3ABC

    Abi-Khuzam の不等式とも言います。右辺の ABCABC は,角 AA ,角 BB ,角 CC それぞれの(弧度法での)大きさの積という意味です。角度とその sin\sin が混在している幾何不等式です。

    → フランダースの不等式とその証明

    Hlawka’s Inequalityとその証明

    Hlawka’s Inequality:

    任意の複素数 x,y,zx,\:y,\:z に対して,

    x+y+z+x+y+z|x|+|y|+|z|+|x+y+z|

    x+y+y+z+z+x\geq |x+y|+|y+z|+|z+x|

    Hlawka’s Inequality(フラカの不等式)について紹介します。

    → Hlawka’s Inequality(フラカの不等式)について,証明や中線定理との関係を紹介します。

    Popoviciu の不等式

    Popoviciu の不等式:

    f(x)f(x) が下に凸な関数のとき,任意の x,y,zx,y,z に対して(※),

    f(x)+f(y)+f(z)+3f(x+y+z3)2{f(x+y2)+f(y+z2)+f(z+x2)}f(x)+f(y)+f(z)+3f\left(\dfrac{x+y+z}{3}\right)\\ \geq 2\left\{f\left(\dfrac{x+y}{2}\right)+f\left(\dfrac{y+z}{2}\right)+f\left(\dfrac{z+x}{2}\right)\right\}

    ※より厳密に言うと「ff は区間 IRI\subseteq\mathbb{R} から R\mathbb{R} への関数で,x,y,zx,y,z は区間 II に含まれる任意の実数」

    この記事では,Popoviciu の不等式の意味と,2通りの証明を紹介します。

    → Popoviciu の不等式