指数不等式の解法
指数不等式とは,未知数を指数に持つ指数関数が含まれている不等式のことです。
指数不等式の解法
指数不等式の解法
以下では指数不等式の解き方について説明します。
- グラフの概形を考える
- 底を揃える
- 指数とその逆数が不等式に含まれる場合
グラフの概形を考える
グラフの概形を考える
指数不等式ではその指数関数の概形を考えることが大切です。
を満たす の範囲を求めよ。
この問題が出題されたとき と解答してしまうミスがよくあります。
しかし, のグラフの概形を思い浮かべてみてください。 は より小さい値なので,このグラフは単調減少であることがわかると思います。
ですから,関数 は指数部分の が増加すればするほど,値は小さくなります。つまり,もとの不等式と答えの不等式の大小関係は逆転します。
このことに注意するとこの問題の答えは となります。
この大小関係が逆転するのは底 が境目です。
(A) の時 が単調増加な関数なので以下が成り立つ。
(B) の時 が単調減少な関数なので以下が成り立つ。
底を揃える
底を揃える
を満たす の範囲を求めよ。
底が違う不等式は,まず底を揃えるところから始めましょう。
ここで,底 が より大きいので
指数とその逆数が不等式に含まれる場合
指数とその逆数が不等式に含まれる場合
を満たす の範囲を求めよ。
この不等式には, が紛れています。
この場合は を とみて,両辺に をかけてみましょう。
両辺に ( )をかけると与式は
より
したがって
このように両辺に をかけてあげることで の二次不等式になります。
二次不等式については,二次不等式の解き方(2通りの考え方)と例題 を参照してください。
指数方程式は指数関数の概形を浮かべながら解きましょう。