微分

マクローリン展開

マクローリン展開を用いると,一般の関数 f(x)f(x) を多項式で近似することができる。その多項式は,ffx=0x=0 における高階微分係数から定まる。

マクローリン展開の一般形,具体例,諸注意。

→ マクローリン展開

ライプニッツの公式の証明と二項定理

複数の関数の積の微分を効率よく行う公式

f,g,hf, g, hxx の関数とする。関数の積は以下のように微分できる:

(i) (fg)=fg+fg(fg)'=f'g+fg'

(ii) (fg)=fg+2fg+fg(fg)^{\prime\prime}=f^{\prime\prime}g+2f'g'+fg^{\prime\prime}

(iii) (fgh)=fgh+fgh+fgh(fgh)'=f'gh+fg'h+fgh'

→ ライプニッツの公式の証明と二項定理

ニュートン法の解説とそれを背景とする入試問題

ニュートン法は,コンピュータを用いて方程式の解を高速に計算する手法

→ ニュートン法の解説とそれを背景とする入試問題

ジョルダンの不等式とその3通りの証明

ジョルダンの不等式

0xπ20\leq x\leq \dfrac{\pi}{2} において, 2πxsinxx \dfrac{2}{\pi}x\leq \sin x\leq x

→ ジョルダンの不等式とその3通りの証明

サイクロイドについて覚えておくべきこと

媒介変数 θ\theta を用いて x(θ)=a(θsinθ),y(θ)=a(1cosθ)x(\theta)=a(\theta-\sin\theta), y(\theta)=a(1-\cos\theta) と表される曲線をサイクロイドと呼ぶ

→ サイクロイドについて覚えておくべきこと

微分を用いた不等式証明の問題

問題

f(x)=(x+12)log(1+1x)1f(x)= \left( x+\dfrac{1}{2} \right) \log \left( 1+\dfrac{1}{x} \right) -1 とおくとき,x1x \geq 1 において 0<f(x)<14x(x+1)0 < f(x) <\dfrac{1}{4x(x+1)} が成立することを示せ。

受験で出てきそうな問題です。やや難問。

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指数関数の微分を用いる数オリの応用問題

一変数関数の最小値は多くの場合微分を用いて求めることができる。

→ 指数関数の微分を用いる数オリの応用問題

偏微分の意味と計算例・応用

偏微分とは,多変数関数を「特定の文字以外定数だとみなして」微分したもののことです。

偏微分について,高校数学の範囲で理解できるように解説します。一見難しそうな偏微分ですが,概念自体は難しくありません。

→ 偏微分の意味と計算例・応用

媒介変数表示された有名な曲線7つ

微分を使って媒介変数表示で表された曲線のグラフの概形を書き,積分を使って面積を求めさせるというのは頻出の問題です。入試でよく登場する曲線を整理しました。

→ 媒介変数表示された有名な曲線7つ

対数微分法のやり方と例題

両辺の対数を取ってから微分する方法を対数微分法と呼ぶ。

対数微分法のやり方,使いどころ,例題を解説します。

→ 対数微分法のやり方と例題

上に凸,下に凸な関数と二階微分

定理

f(x)f(x) が区間内で二階微分可能なとき,

  • 下に凸     \iff 二階微分 f(x)0f''(x)\geq 0

  • 上に凸     \iff 二階微分 f(x)0f''(x)\leq 0

上に凸,下に凸な関数の性質と入試問題への応用例として京大の問題を解説します。

→ 上に凸,下に凸な関数と二階微分

合成関数の微分公式と例題7問

合成関数の微分は(かたまりで微分)×(かたまりの微分)

合成関数を微分する方法を2通り紹介します。また,合成関数の微分について7つの例題を解説します。

→ 合成関数の微分公式と例題7問

曲率・曲率半径の感覚的な意味と求め方

曲線を局所的に円弧とみなしたときの円の半径をその点における曲率半径と言う。曲率半径の逆数を曲率といい,κ\kappa で表す。

受験レベルとしてはややマニアックですが曲率半径を題材とした入試問題もときどき出題されます。

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Arctanのマクローリン展開の3通りの方法

y=tanxy=\tan x の逆関数 y=Arctanxy=\mathrm{Arctan}\:x のマクローリン展開(x=0x=0 でのテイラー展開)は, Arctanx=n=1(1)n12n1x2n1=xx33+x55x77+\mathrm{Arctan}\:x= \sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{(-1)^{n-1}}{2n-1}x^{2n-1}=x-\dfrac{x^3}{3}+\dfrac{x^5}{5}-\dfrac{x^7}{7}+\cdots である(収束半径は 11 )。

→ Arctanのマクローリン展開の3通りの方法

平均値の定理とその応用例題2パターン

(ラグランジュの)平均値の定理

区間 [a,b][a,b] で連続,(a,b)(a,b) で微分可能な関数 f(x)f(x) に対して,

f(b)f(a)ba=f(c) \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}=f'(c)

を満たす ccaabb の間に存在する。

→平均値の定理の意味・証明・応用例題2パターン

積の微分公式とその証明の味わい

積の微分公式

f(x),g(x)f(x),g(x) が(考えている区間で)微分可能なとき

{f(x)g(x)}=f(x)g(x)+f(x)g(x)\{f(x)g(x)\}'=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)

積の微分法則,ライプニッツルールなどとも呼ばれる超重要な公式です。

→ 積の微分公式とその証明の味わい

関数の連続性と微分可能性の意味と関係

連続,微分可能の直感的な意味

連続:関数のグラフがつながっている

微分可能:関数のグラフが滑らか

  • 連続,微分可能の定義
  • 微分可能なら連続であることの証明
  • 連続でも微分可能とは限らない例

を解説します。

→ 関数の連続性と微分可能性の意味と関係

商の微分公式をわかりやすく【例題・証明・覚え方】

f,gf',g'xx の関数とする。

1.逆数の微分公式:1f\dfrac{1}{f} の微分は ff2-\dfrac{f'}{f^2}

2.商の微分公式:gf\dfrac{g}{f} の微分は gffgf2\dfrac{g'f-f'g}{f^2}

→ 商の微分公式をわかりやすく【例題・証明・覚え方】

微分公式一覧(基礎から発展まで)

覚えておくべき微分の公式を整理しました。

→ 微分公式一覧(基礎から発展まで)

指数関数y=a^xの微分公式の4通りの証明

指数関数の微分

任意の a>0a > 0 に対して y=axy=a^x の導関数は,y=axlogay'=a^x\log a である。

上記公式を4通りの方法で証明します!指数関数の取り扱い,極限操作の練習にどうぞ。

→ 指数関数y=a^xの微分公式の4通りの証明

sinxの微分公式の3通りの証明

サインの微分

y=sinxy=\sin x の導関数は,y=cosxy'=\cos x

教科書にも載っている超重要公式です。3通りの方法で証明します。

→ sinxの微分公式の3通りの証明

cosxの微分公式のいろいろな証明

コサインの微分

y=cosxy=\cos x の導関数は,y=sinxy'=-\sin x

cos\cos の微分公式をいろいろな方法で証明します。

→ cosxの微分公式のいろいろな証明

べき関数(y=x^n)の微分公式の3通りの証明

べき関数の微分公式と,その証明方法について解説します。

→ べき関数(y=x^n)の微分公式の3通りの証明

sinとcosのn階微分とマクローリン展開

sinx=xx33!+x55!x77!+\sin x=x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\dfrac{x^7}{7!}+\cdots

cosx=1x22!+x44!x66!+\cos x=1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\dfrac{x^6}{6!}+\cdots

→ sinとcosのn階微分とマクローリン展開

log xのn階微分とテイラー展開

対数関数のテイラー展開:

1<x1-1 < x \leq 1 のとき,

log(1+x)=xx22+x33x44+\log (1+x)=x-\dfrac{x^2}{2}+\dfrac{x^3}{3}-\dfrac{x^4}{4}+\cdots

→ log xのn階微分とテイラー展開

極大値・極小値の意味と求め方

極大とは「自分の近くの範囲では一番大きい」ことを表します。極小とは「自分の近くの範囲では一番小さい」ことを表します。

このページでは

・極大・極小の定義

・極値の求め方

などについて解説します。

→ 極大値・極小値の意味と求め方

tanxと1/tan xの微分公式のいろいろな証明

タンジェントの微分

y=tanxy=\tan x の導関数は,y=1cos2xy'=\dfrac{1}{\cos^2 x}

→ tanxと1/tan xの微分公式のいろいろな証明

一次近似の意味とよく使う近似公式一覧

一次近似

xax\simeq a のとき,f(x)f(a)+f(a)(xa)f(x)\simeq f(a)+f'(a)(x-a)

一次近似の意味,よく使う近似式,例題を解説します。

→ 一次近似の意味とよく使う近似公式一覧

デカルトの葉線の漸近線と面積

xyxy 平面上において x3+y33axy=0x^3+y^3-3axy=0

と表される曲線をデカルトの葉線と言う。

デカルトの正葉線,デカルトの葉とも言います。

→ デカルトの葉線の漸近線と面積

逆関数の微分公式を例題と図で理解する

dxdy=1dydx\dfrac{dx}{dy}=\dfrac{1}{\frac{dy}{dx}}

逆関数の微分は,もとの関数の微分の逆数

→ 逆関数の微分公式を例題と図で理解する

tanxの高階微分とマクローリン展開

tanx\tan x のマクローリン展開(x=0x=0 におけるテイラー展開)は tanx=x+13x3+215x5+17315x7+ \tan x=x+\dfrac{1}{3}x^3+\dfrac{2}{15}x^5+\dfrac{17}{315}x^7+\cdots である。

tanx\tan xnn 階微分を n=5n=5 くらいまで計算してみましょう。いくつか面白い性質が発見できます。

→ tanxの高階微分とマクローリン展開

増減表の書き方

増減表とは,図のように,それぞれの区間で f(x)f(x) が増加するか減少するかなどを表した表のことです。

増減表の例

→ 増減表の書き方

導関数の意味といろいろな例

微分係数と導関数の意味を確認した後,いろいろな関数の導関数を計算します。導関数の計算で高校数学の総復習ができます。

→ 導関数の意味といろいろな例

サイクロイド曲線のグラフと面積・体積・長さ

サイクロイド曲線とxx軸で囲まれた部分の面積は 3πa23 \pi a^2

xx軸周りの回転体の体積は 5π2a35\pi^2 a^3

サイクロイド曲線の長さは 8a8a

サイクロイドは「円を転がした時の円周上の1点が動く軌跡」であり,媒介変数表示を用いて表される代表的な曲線です。

この記事では,サイクロイドに関する面積,体積,長さの求め方を解説します。媒介変数の積分の練習としてとても良い題材です。

→ サイクロイド曲線のグラフと面積・体積・長さ

三角関数の微分公式と問題例

三角関数の微分公式

(sinx)=cosx(cosx)=sinx(tanx)=1cos2x(Arcsin x)=11x2(Arccos x)=11x2(Arctan x)=11+x2 \begin{aligned} (\sin x)' &= \cos x\\ (\cos x)' &= -\sin x\\ (\tan x)' &= \dfrac{1}{\cos^2 x}\\ (\mathrm{Arcsin}~ x)' &= \dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}\\ (\mathrm{Arccos}~ x)' &= -\dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}\\ (\mathrm{Arctan}~ x)' &= \dfrac{1}{1+x^2}\\ \end{aligned}

この記事では,三角関数サイン・コサイン・タンジェントに関する公式の簡単な証明,その公式を使った問題例について解説します。

→ 三角関数の微分公式と問題例

微分係数の定義

y=f(x)y=f(x)xx の値が aa から bb に変化するときの平均変化率

f(b)f(a)ba\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}

において bb を限りなく aa に近づけたときの値を,関数 y=f(x)y=f(x)x=ax=a における微分係数といいます。

→ 微分係数の定義

対数平均に関する不等式の証明

対数平均の不等式

x,y>0x,y>0 かつ xyx\neq y のとき,

xy<xylogxlogy<x+y2\sqrt{xy}<\dfrac{x-y}{\log x-\log y}<\dfrac{x+y}{2}

対数平均の不等式の意味と,2通りの証明(素直な方法,おもしろい方法)を紹介します。

→ 対数平均に関する不等式の証明

伸開線(インボリュート)と縮閉線(エボリュート)の意味と計算例

伸開線

曲線に対して,その曲線に巻きつけられたをたるませないようにほどいていくときに糸の端点が描く軌跡のことを伸開線(Involute)と言う。

伸開線の定義

伸開線縮閉線の意味と計算例を紹介します。曲線に関するいろいろな計算(媒介変数表示・接線・法線・曲率)の練習になる楽しい話題です。

→ 伸開線(インボリュート)と縮閉線(エボリュート)の意味と計算例

分数関数の微分公式(商の微分)とその証明・計算例

分数関数の例

y=1x y=\dfrac{1}{x}

y=4x2x4+3x2+x1 y=\dfrac{4x^2}{x^4+3x^2+x-1}

y=1sinθcos2θ y=\dfrac{1-\sin \theta}{\cos^2 \theta}

この記事では,数3で習う分数関数の微分公式(商の微分公式)について整理しました。2通りの証明方法と例題を解説します。

→ 分数関数の微分公式(商の微分)とその証明・計算例

項別微分・項別積分

定理

関数 f(x)f(x)f(x)=n=0anxn\displaystyle f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} a_n x^n と無限級数展開されているとする。

この級数の収束半径を rr とすると,x<r|x| < r のもとで項別微分・項別積分ができる:

f(x)=n=1nanxn1f(x)dx=n=0anxn+1n+1+C\begin{aligned} f'(x) &= \sum_{n=1}^{\infty} n a_n x^{n-1}\\ \int f(x) dx &= \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{a_n x^{n+1}}{n+1} + C \end{aligned}

項別微分は,(f(x)+g(x))=f(x)+g(x)(f(x) + g(x))' = f'(x) + g'(x) という公式の一般化です。

→ 項別微分・項別積分

ベクトルの微分

ベクトルの微分

ベクトルの微分を ddta=limh0a(t+h)a(t)h \dfrac{d}{dt} \boldsymbol{a} = \lim_{h \to 0} \dfrac{\boldsymbol{a} (t+h) - \boldsymbol{a} (t)}{h} と定義します。

この記事ではベクトルの微分を説明します。主に力学や電磁気学で重要になります。

→ ベクトルの微分