sinとcosのn階微分とマクローリン展開

sin と cos のマクローリン展開

sin⁡x=x−x33!+x55!−x77!+⋯\sin x=x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\dfrac{x^7}{7!}+\cdots

cos⁡x=1−x22!+x44!−x66!+⋯\cos x=1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\dfrac{x^6}{6!}+\cdots

sinとcosのn階微分を求める問題を解説し,応用例として三角関数のマクローリン展開を導出します。

sinとcosの高階導関数

マクローリン展開するために,高階導関数を求めます。三角関数の nn 階微分を求める問題は高校数学の基本的な問題です。

問題

(1)y=sin⁡xy=\sin x の nn 階導関数を求めよ。

(2)y=cos⁡xy=\cos x の nn 階導関数を求めよ。

解答

(1)sin⁡x\sin x を何回も微分していくと,cos⁡x,−sin⁡x,−cos⁡x,sin⁡x\cos x,-\sin x,-\cos x,\sin x となり四回でもとの関数に戻ってくる。よって,nn 階導関数は,

(sin⁡x)(n)={cos⁡xn=1,5,9,⋯−sin⁡xn=2,6,10,⋯−cos⁡xn=3,7,11,⋯sin⁡xn=4,8,12,⋯ (\sin x)^{(n)}=\begin{cases}\cos x&n=1,5,9,\cdots\\-\sin x&n=2,6,10,\cdots\\-\cos x&n=3,7,11,\cdots\\\sin x&n=4,8,12,\cdots\end{cases}

(2)cos⁡x\cos x も同じく四回微分するともとの関数に戻ってくる。 nn 階導関数は,

(cos⁡x)(n)={−sin⁡xn=1,5,9,⋯−cos⁡xn=2,6,10,⋯sin⁡xn=3,7,11,⋯cos⁡xn=4,8,12,⋯ (\cos x)^{(n)}=\begin{cases}-\sin x&n=1,5,9,\cdots\\-\cos x&n=2,6,10,\cdots\\\sin x&n=3,7,11,\cdots\\\cos x&n=4,8,12,\cdots\end{cases}

三角関数を微分すると位相が90度進むことに注意すると場合分けなしで書けます!

別解

(1)(sin⁡x)(n)=sin⁡(x+πn2)(\sin x)^{(n)}=\sin \left( x+\dfrac{\pi n}{2} \right)

(2)(cos⁡x)(n)=cos⁡(x+πn2)(\cos x)^{(n)}=\cos \left( x+\dfrac{\pi n}{2} \right)

最短で得点力を上げる!高校数学の問題集〈典型250問〉の問題190では,nn 次導関数の計算においてミスを減らすためのポイントも解説しています。

sinのマクローリン展開

ここから教科書範囲外です。マクローリン展開(x=0x=0 でのテイラー展開)は x=0x=0 での nn 階導関数の値をもとに以下のように計算できます(→マクローリン展開):

f(x)=f(0)+f′(0)x+f′′(0)2!x2+f(3)(0)3!x3++⋯ f(x)=f(0)+f'(0)x+\dfrac{f''(0)}{2!}x^2+\dfrac{f^{(3)}(0)}{3!}x^3+ +\cdots

さきほどの結果により f(x)=sin⁡xf(x)=\sin x の x=0x=0 での導関数の値は(f(0)f(0) からスタートして)0,1,0,−1,0,1,0,−1,⋯0,1,0,-1,0,1,0,-1,\cdots と繰り返していくので, sin⁡x=x−x33!+x55!−x77!+⋯ \sin x=x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\dfrac{x^7}{7!}+\cdots となります。

sin⁡x\sin x は原点付近では x−x36x-\dfrac{x^3}{6} に近いと覚えておきましょう。

cosのマクローリン展開

f(x)=cos⁡xf(x)=\cos x についても同様です。x=0x=0 での導関数の値は(f(0)f(0) からスタートして)1,0,−1,0,1,0,−1,0,⋯1,0,-1,0,1,0,-1,0,\cdots と繰り返していくので, cos⁡x=1−x22!+x44!−x66!+⋯ \cos x=1-\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^4}{4!}-\dfrac{x^6}{6!}+\cdots となります。

cos⁡x\cos x は原点付近では 1−x221-\dfrac{x^2}{2} に近いと覚えておきましょう。

マクローリン展開の正当性

なお,sin⁡\sin と cos⁡\cos におけるマクローリン展開の正当性(任意の実数 xx に対して右辺の級数が収束して左辺と一致すること)は以下のように確認できます。

  • nn 階微分の絶対値が 11 以下である。つまり,任意の正整数 nn と実数 xx に対して ∣f(n)(x)∣≤1|f^{(n)}(x)|\leq 1
  • よって,テイラーの定理における剰余項 →0\to 0 になる。

剰余項については,テイラーの定理とテイラー展開~例と証明を参照ください。

最近いろいろな方がネタを提供してくださるのでとても嬉しいです。