実際に例題を解くことで理解を深めましょう。
例1
関数 f(x)=2x2+4x−1 について以下の問いに答えよ。
(1) x の値が a から b まで変化するときの平均変化率を求めよ。
(2)定義に従って, f′(a) の値を求めよ。
定義の式を使って式変形をするだけです。定義の式をしっかりと理解したうえで計算していきましょう。
解答
(1)
b−af(b)−f(a)=b−a(2b2+4b−1)−(2a2+4a−1)=b−a2(b2−a2)+4(b−a)=2(b+a)+4=2a+2b+4
(2)
f′(a)=h→0limhf(a+h)−f(a)=h→0limh{2(a+h)2+4(a+h)−1}−(2a2+4a−1)=h→0limh4ah+2h2+4h=h→0lim(4a+2h+4)=4a+4
定義式とは何なのかさえ理解していれば,簡単ですね。
例2
f(x) が微分可能な関数であるとき,次の式を a,f(a),f′(a) を用いて表せ。
(1) x→alimx−ax2f(a)−a2f(x)
(2) x→alimx−axnf(a)−anf(x)
与えられた式を, hf(a+h)−f(a) や x−af(x)−f(a) などの形になるように変形していく問題です。このような形にすることで,定義式を使うことができて,計算を進めることができます。
証明
(1)
与式=x→alim{x−a(x2−a2)f(a)+x−aa2f(a)−a2f(x)}=x→alim{(x+a)f(a)−a2x−af(x)−f(a)}=2af(a)−a2f′(a)
(2)
与式=x→alim{x−a(f(x)−f(a))an+x−a(xn−an)f(x)}=x→alim{(xn−1+axn−2+a2xn−3+⋯+an−1)f(a)−anx−af(x)−f(a)}=nan−1f(a)−anf′(a)
微分係数と導関数との違いを理解して,定義式をうまく利用できるようにしていきましょう。
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