導関数の意味といろいろな例
微分係数と導関数の意味を確認した後,いろいろな関数の導関数を計算します。導関数の計算で高校数学の総復習ができます。
微分係数と導関数
微分係数と導関数
微分係数とは
微分係数 の定義は,
です。微分係数は,関数 の における接線の傾きを表します。
関連記事
→ 微分係数の定義
導関数とは
導関数 の定義は,
です。導関数とは「いろいろな における微分係数を集めて,それを関数とみなしたもの」です。「値を入力したらその値における微分係数を返す関数」とも言えます。
微分係数は「値」ですが,導関数は「関数」です。定義は似ていますが,意味は違います。
微分するとは
「導関数を計算する」ことを「微分する」と言います。
導関数の計算で高校数学を総復習
導関数の計算で高校数学を総復習
「いろいろな関数の導関数を定義に従って計算する」ことで高校数学のいろいろな分野の復習ができます。
例えば,
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の微分は 二項定理
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の微分は 分数式の計算
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の微分は 有理化
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の微分は 三角関数の加法定理
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の微分は ネイピア数の性質
をそれぞれ理解していないと難しいです(計算の詳細は後述)。
つまり,上記の導関数たちを定義に従ってスラスラ計算できれば,高校数学全体を(おおまかには)理解していると言えるでしょう。
→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT8では, の微分について詳しく解説しています。
導関数の計算例
導関数の計算例
上記の5つの関数について,定義に従って導関数を計算してみます。
の導関数(二項定理の復習)
の導関数(分数式の計算の復習)
の導関数(有理化の復習)
の導関数(加法定理の復習)
の導関数(ネイピア数の復習)
極限計算の詳細は指数関数と対数関数の極限の公式
「高校数学の美しい物語」と言いつつ最近は大学数学が多かったので,今回は高校数学の基礎です。