sinxの微分公式の3通りの証明
教科書にも載っているとても重要な公式です。3通りの方法で証明します。
証明1:加法定理を用いる
証明2:和積公式を用いる
証明3:図形的に解釈する
証明1:加法定理を用いる
まずは,多くの教科書で採用されている定番の証明方法です。
なお, は前提知識とします。→sinx/xについて覚えておくべき2つのこと
の導関数は,微分の定義より,
加法定理を用いて分子を計算する:
ここで, (→注)
および
より,導関数は となる。
注: を知っていればすぐに分かります。→三角関数の不定形極限の計算
きちんとやるなら,
証明2:和積公式を用いる
極限計算の際に和積公式を用いてもOKです。
(分子を和積公式を用いて計算する)
証明3:図形的に解釈する
図形的に解釈することもできます。三角関数を微分すると位相が90度進むことが図形的に納得できます。
とおく。
ただし, は弧 の長さであり, が に近いときは線分 の長さで近似できる。
また, が に近いとき, は における単位円の接線に近づくので, は で近似できる。
よって, が十分 に近いとき,上式 となる。
注:弧の長さや を近似している部分が感覚的ですが,厳密に長さを評価することもできます。その場合,証明2と同じ式になります。
なお, の微分の証明も少し違った楽しさがあって楽しいです。→cosxの微分公式のいろいろな証明
最近の趣味は「非常に基本的な公式を複数の方法で証明すること」です。
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