cosxの微分公式のいろいろな証明

更新日時 2022/09/23
コサインの微分

y=cosxy=\cos x の導関数は,y=sinxy'=-\sin x

cos\cos の微分公式をいろいろな方法で証明します。

目次
  • コサインの微分のいろいろな証明方法

  • 1.加法定理で計算

  • 2.和積公式で計算

  • 3.図形的に解釈する

  • 4.平行移動を用いる

  • 5.三角関数の公式を用いる

  • 6.倍角の公式を用いる

コサインの微分のいろいろな証明方法

いろいろな方法があります!

1.加法定理で計算(重要)

2.和積公式で計算

3.図形的に解釈

4.平行移動したら sin\sin になる(重要)

5. sin2x+cos2x=1\sin^2x+\cos^2x=1 を用いる

6. sin2x=2sinxcosx\sin 2x=2\sin x\cos x を用いる

1〜3はコサインの微分を直接求める方法です。サインの場合と全く同様(→sinxの微分公式の3通りの証明)です。

4〜6は サインの微分公式:(sinx)=cosx(\sin x)'=\cos x を前提としてコサインの微分を証明します。以下でそれぞれ解説します。

1.加法定理で計算

証明

(cosx)=limh0cos(x+h)cosxh=limh0cosx(cosh1)sinxsinhh=cosx0sinx1=sinx\begin{aligned} (\cos x)' &= \lim_{h\to 0}\dfrac{\cos (x+h)-\cos x}{h}\\ &= \lim_{h\to 0}\dfrac{\cos x(\cos h-1)-\sin x\sin h}{h}\\ &=\cos x\cdot 0 -\sin x\cdot 1\\ &=-\sin x \end{aligned}

なお,最後の極限計算はサインの微分を証明するときと全く同じです。よく分からない方は上記リンク先を参照して下さい。

2.和積公式で計算

和積公式を用いる証明もサインの微分のときと同様にしましょう。

証明

(cosx)=limh0cos(x+h)cosxh=limh02sin(x+h2)sinh2h=limh0sinh2h2sin(x+h2)=sinx\begin{aligned} (\cos x)' &= \lim_{h \to 0} \dfrac{\cos (x+h) - \cos x}{h}\\ &= \lim_{h \to 0} \dfrac{-2 \sin (x+\frac{h}{2}) \sin \frac{h}{2}}{h}\\ &= \lim_{h \to 0} - \dfrac{\sin \frac{h}{2}}{\frac{h}{2}} \sin (x+\frac{h}{2})\\ &= -\sin x \end{aligned}

3.図形的に解釈する

こちらもサインのときと同様です。三角関数を微分すると位相が90度進むことが図形的に納得できます。

証明

A(cosx,sinx),B(cos(x+h),sin(x+h))A(\cos x,\sin x),\:B(\cos (x+h),\sin(x+h)) とおく。

コサインの微分

上図から cos(x+h)cosxh=ABcosαh \dfrac{\cos (x+h)-\cos x}{h}=\dfrac{\mathrm{AB} \cos\alpha}{h} を得る。

三角形 OAB\mathrm{OAB} に余弦定理を用いることで AB2=OA2+OB22  OAOBcosAOB=1+12cosh=2(1cosh)AB=2(1cosh)\begin{aligned} \mathrm{AB}^2 &= \mathrm{OA}^2 + \mathrm{OB}^2 - 2 \; \mathrm{OA} \cdot \mathrm{OB} \cdot \cos \angle \mathrm{AOB}\\ &= 1 + 1 -2 \cos h\\ &=2 (1-\cos h)\\ \mathrm{AB} &= \sqrt{2(1-\cos h)} \end{aligned} を得る。こうして AB\mathrm{AB}hh によって表された。

また,hh00 に近いとき,AB\mathrm{AB}A\mathrm{A} における単位円の接線に近づくので,limh0α=x+π2\displaystyle \lim_{h \to 0} \alpha = x + \dfrac{\pi}{2} を得る。

よって, limh0cos(x+h)cosxh=limh0ABcosαh=limh02(1cosh)hcosα=limh02(1cosh)h2cosα=cos(x+π2)=sinx\begin{aligned} \lim_{h \to 0} \dfrac{\cos (x+h) - \cos x}{h} &= \lim_{h \to 0} \dfrac{\mathrm{AB} \cos \alpha}{h}\\ &= \lim_{h \to 0} \dfrac{\sqrt{2(1-\cos h)}}{h} \cos \alpha\\ &= \lim_{h \to 0} \sqrt{\dfrac{2(1-\cos h)}{h^2}} \cos \alpha\\ &= \cos \left( x+\dfrac{\pi}{2} \right)\\ &= - \sin x \end{aligned} を得る。

4.平行移動を用いる

cosx=sin(x+π2)\cos x=\sin (x+\frac{\pi}{2}) を用います。

証明

(cosx)=(sin(x+π2))(\cos x)'=(\sin (x+\frac{\pi}{2}))'

ここで,サインの微分がコサインであることと,合成関数の微分公式より,

(sin(x+π2))=cos(x+π2)(\sin (x+\frac{\pi}{2}))'=\cos (x+\frac{\pi}{2})

こうして

cos(x+π2)=sinx\cos (x+\frac{\pi}{2})=-\sin x

を得る。

サインとコサインは「平行移動で移り会える,似たものどうし」と覚えておきましょう。

5.三角関数の公式を用いる

以下二つの証明は邪道ですが,面白いので解説します。

こうした計算方法は逆関数の導関数の計算などに利用できるため,覚えておいて損はないです。

sin2x+cos2x=1\sin^2x +\cos^2x=1 を用いて証明します。なお,cosx\cos x が連続微分可能であることを仮定しています。

証明

sin2x+cos2x=1\sin^2x+\cos^2x=1 の両辺を xx で微分する(合成関数の微分公式を用いる)と,

2sinxcosx+2cosx(cosx)=0 2\sin x\cos x+2\cos x(\cos x)'=0

よって,cosx0\cos x\neq 0 なる xx では (cosx)=sinx(\cos x)'=-\sin x である。

導関数が連続関数という仮定のもと,cosx=0\cos x= 0 なる点でも (cosx)=sinx(\cos x)'=-\sin x が成立する。

6.倍角の公式を用いる

5と似たような方法ですが,今回はサインの倍角公式を用います。同様に cosx\cos x が連続微分可能であることを仮定しています。

証明

sin2x=2sinxcosx\sin 2x=2\sin x\cos x の両辺を微分すると,

2cos2x=2sinx(cosx)+2cos2x 2\cos 2x=2\sin x(\cos x)'+2\cos^2 x

ただし,左辺では合成関数の微分,右辺では積の微分公式を用いた。両辺を2で割り,倍角の公式を用いると,

2cos2x1=sinx(cosx)+cos2x 2\cos^2x-1=\sin x(\cos x)'+\cos^2x

整理すると,

sin2x=sinx(cosx) -\sin^2x=\sin x(\cos x)' となる。

よって,sinx0\sin x\neq 0 なる xx では (cosx)=sinx(\cos x)'=-\sin x

導関数が連続関数という仮定のもと,sinx=0\sin x= 0 なる点でも (cosx)=sinx(\cos x)'=-\sin x が成立する。

証明5,地味に好きです。

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