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対数微分法のやり方と例題

更新日時 2021/03/07

両辺の対数を取ってから微分する方法を対数微分法と呼ぶ。

対数微分法のやり方,使いどころ,例題を解説します。

目次
  • 対数微分法について

  • 対数微分法のやり方

  • 対数微分法の例題

  • 対数微分法と絶対値

対数微分法について

目的

y=f(x)y=f(x) を微分したいときに,f(x)f(x) よりも logf(x)\log f(x) の方が微分しやすいなら 対数微分法を使うと計算が楽になります。

いつ使うか

タイプ1: f(x)=g(x)h(x)f(x)=g(x)^{h(x)} のように, 指数の底にも肩にも xx が含まれているような関数のときに対数微分法は大活躍します。例えば,y=xxy=x^xy=(cosx)exy=(\cos x)^{e^x} などです。

タイプ2: f(x)f(x) がたくさんの関数の積になっているときにも対数微分法は活躍します。例えば,x(x1)2x+1\dfrac{x(x-1)^2}{\sqrt{x+1}} などです。

なお,タイプ2は対数微分法を使うメリットが少なく,対数微分法を知らなくても微分できるのでタイプ1をしっかりおさえておきましょう。

前提知識

対数微分法の前提知識として,合成関数の微分法を知っている必要があります:

f(g(x))=f(g(x))g(x)f(g(x))'=f'(g(x))g'(x) 。特に,logy\log ylogy\log |y|xx で微分すると yy\dfrac{y'}{y} となります。

対数微分法のやり方

対数微分法のやり方です!

step1:両辺正を確認して対数を取る(正でないときは絶対値を取ります)

step2:両辺を xx で微分する

step3: yy' について解く

対数微分法の定番の具体例 y=xxy=x^x です。

y=xxy=x^x を微分する。指数の底は正なので,そもそも関数の定義域が x>0x > 0 であることに注意する。よって,両辺は正なのでそのまま対数を取れる:

logy=xlogx\log y=x\log x

両辺を xx で微分する。左辺は前提知識で述べた公式,右辺は積の微分の公式を使う: yy=logx+1\dfrac{y'}{y}=\log x+1

これを yy' について解く: y=y(logx+1)y'=y(\log x+1)

yy をもとに戻す: y=xx(logx+1)y'=x^x(\log x+1)

対数微分法の例題

次はタイプ1のより複雑な例題として,y=(cosx)exy=(\cos x)^{e^x} を微分します。

指数の底は正なので,cosx>0\cos x > 0 の範囲が関数の定義域であることに注意する。両辺は正なのでそのまま対数を取れる:

logy=exlogcosx\log y=e^x\log \cos x

両辺を xx で微分する。右辺は合成関数の微分法&積の微分の公式を使う:

yy=exlogcosxexsinxcosx\dfrac{y'}{y}=e^x\log \cos x-\dfrac{e^x\sin x}{\cos x}

yy' について解いて yy をもとに戻す:

y=(cosx)exex(logcosxtanx)y'=(\cos x)^{e^x}e^x(\log\cos x-\tan x)

対数微分法と絶対値

次は絶対値を取らないといけないタイプ2の例題です。

y=x(x1)2x+1y=\dfrac{x(x-1)^2}{\sqrt{x+1}} を微分します。

ルートの中身は正なので定義域は x>1x > -1 。このとき関数値は負になってしまうことがあるので対数を取る前に両辺の絶対値を取る:

y=x(x1)2x+1|y|=\dfrac{|x|(x-1)^2}{\sqrt{x+1}}

(右辺で xx の部分以外はどうせ非負なので絶対値を外した)。

両辺の対数を取る(→注2):

logy=logx+2log(x1)12log(x+1)\log |y|=\log |x|+2\log |(x-1)|-\dfrac{1}{2}\log (x+1)

両辺を xx で微分する:

yy=1x+2x112(x+1)\dfrac{y'}{y}=\dfrac{1}{x}+\dfrac{2}{x-1}-\dfrac{1}{2(x+1)}

yy' について解いて yy を元に戻す:

y=x(x1)2x+1(1x+2x112(x+1))=(x1)2x+1+2x(x1)x+1+x(x1)22(x+1)32=(x1)(3x1)x+1+x(x1)22(x+1)32y'=\dfrac{x(x-1)^2}{\sqrt{x+1}}(\dfrac{1}{x}+\dfrac{2}{x-1}-\dfrac{1}{2(x+1)})\\ =\dfrac{(x-1)^2}{\sqrt{x+1}}+\dfrac{2x(x-1)}{\sqrt{x+1}}+\dfrac{x(x-1)^2}{2(x+1)^{\frac{3}{2}}}\\ =\dfrac{(x-1)(3{x}-1)}{\sqrt{x+1}}+\dfrac{x(x-1)^2}{2(x+1)^{\frac{3}{2}}}

注1:答えをさらに整理してもよいですが,これでも十分でしょう。

注2: x=0x=0 のときは関数値が 00 になってしまうので, 厳密には上記の議論は x0x\neq 0 のみで正しいです。しかし,微分後の関数が連続であるだろうとを考えると結果は x=0x=0 でも正しいことが分かります。本当は答案にここまで書くべきですが,そこまでしなくても減点されることはほとんどないでしょう。

注3:タイプ2は商の微分公式と積の微分公式を駆使してもできます。対数を取る操作が気に入らなければ愚直にそのまま微分してもよいでしょう。

好みの問題ですが,僕はタイプ2には対数微分法は使いません。

Tag:微分公式一覧(基礎から発展まで)

Tag:数学3の教科書に載っている公式の解説一覧

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