逆関数の微分公式を例題と図で理解する

更新日時 2021/03/07
逆関数の微分公式

dxdy=1dydx\dfrac{dx}{dy}=\dfrac{1}{\frac{dy}{dx}}

逆関数の微分は,もとの関数の微分の逆数

逆関数の微分公式は,式だけを見ていてもわかりにくいです。例題と図を使ってわかりやすく説明します。

目次
  • 逆関数の微分公式の意味

  • 図で理解

  • 逆関数の微分を使う例題

逆関数の微分公式の意味

「逆関数の微分は,もとの関数の微分の逆数になる」というのが逆関数の微分公式です。以下の例題で確認してみましょう。

例題1

(1) y=x2+1y=x^2+1(1,2)(1,2) における微分係数を求めよ。
(2) y=x2+1  (x0)y=x^2+1\;(x\geq 0) の逆関数を求めよ。
(3) y=x2+1y=x^2+1 の逆関数の (2,1)(2,1) における微分係数を求めよ。

解答

(1) もとの関数 y=x2+1y=x^2+1 を微分すると y=2xy'=2x である。これに x=1x=1 を代入すると微分係数は 22

(2) y=x2+1y=x^2+1x0x\geq 0 の範囲で xx について解くと,x=y1x=\sqrt{y-1}
よって,逆関数は y=x1y=\sqrt{x-1}

(3) この逆関数を微分すると,12x1\dfrac{1}{2\sqrt{x-1}} である。これに x=2x=2 を代入すると微分係数は 12\dfrac{1}{2}

たしかに,(3) で求めた逆関数の微分は,(1)で求めたもとの関数の微分の逆数になっています!

図で理解

逆関数の微分を図で理解してみましょう。以下,f(x)f(x) の逆関数を f1(x)f^{-1}(x) と表記します。

逆関数の微分のイメージ

図より,y=f(x)y=f(x)(x0,y0)(x_0,y_0) における接線の傾きは,y=f1(x)y=f^{-1}(x)(y0,x0)(y_0,x_0) における接線の傾きの逆数に等しいことが分かります。

理由

逆関数の微分を使う例題

意味を理解できたところで,もう1問例題を解いてみましょう。

例題2

y=exy=e^x の微分が exe^x であることを用いて,y=logxy=\log x の導関数を求めよ。

逆関数の微分公式を使った解答

y=logxy=\log x の微分を求めたい。これを変形する(xx について解く)と,

x=eyx=e^y

この両辺を yy で微分すると,

dxdy=ey\dfrac{dx}{dy}=e^y

よって,逆関数の微分公式より,

dydx=1dxdy=1ey\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{\frac{dx}{dy}}=\dfrac{1}{e^y}

となる。

最後に ey=xe^y=x を使うと,結局

dydx=1x\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{x} となる。

逆関数の微分の意味を意識した解答

y=logxy=\log x の導関数を求めたい。

つまり,y=logxy=\log x(x0,y0)(x_0,y_0) における接線の傾き (*) を求めればよい。

これは「図による理解」で述べたことにより

y=exy=e^x(y0,x0)(y_0,x_0) における接線の傾き (**) の逆数に等しい。

y=exy=e^x の微分は y=exy'=e^x なので,

(**) は ey0e^{y_0} である。

よって,(*) は,1ey0\dfrac{1}{e^{y_0}} となる。

また,(x0,y0)(x_0,y_0)y=logxy=\log x 上の点なので,y0=logx0y_0=\log x_0 である。

結局,(*) は 1x0\dfrac{1}{x_0} となる。

この議論は定義域内の全ての x0x_0 で成り立つので,y=logxy=\log x の導関数は y=1xy=\dfrac{1}{x} である。

なお,逆関数の微分の他の応用例は,逆三角関数(Arcsin,Arccos,Arctan)の意味と性質をどうぞ。

例題を解けるだけでなく,しっかり公式の意味を理解しておきたいですね。

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