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サイクロイド曲線のグラフと面積・体積・長さ

更新日時 2021/02/24

サイクロイド曲線とxx軸で囲まれた部分の面積は 3πa23 \pi a^2

xx軸周りの回転体の体積は 5π2a35\pi^2 a^3

サイクロイド曲線の長さは 8a8a

サイクロイドは「円を転がした時の円周上の1点が動く軌跡」であり,媒介変数表示を用いて表される代表的な曲線です。

この記事では,サイクロイドに関する面積,体積,長さの求め方を解説します。媒介変数の積分の練習としてとても良い題材です。

目次
  • まずサイクロイドのグラフを描く

  • サイクロイドの面積を積分で求める

  • サイクロイドの回転体の体積を積分で求める

  • サイクロイドの長さを積分で求める

まずサイクロイドのグラフを描く

a>0,0θ2πa>0, 0 \leq \theta \leq 2 \pi なる a,θa, \theta に対し,媒介変数表示 {x=a(θsinθ)y=a(1cosθ) \begin{cases} x = a(\theta - \sin \theta)\\ y = a(1-\cos \theta) \end{cases}

で表される曲線をサイクロイドという。

面積や体積,長さを求める準備として,まずはサイクロイドのグラフを描いてみます。

xxθ\theta で微分すると, dxdθ=a(1cosθ) \dfrac{dx}{d\theta} = a(1-\cos\theta) となります。0<θ<2π0 < \theta < 2\pi の範囲では 1cosθ1-\cos\theta は正なので,θ\theta が増加するにつれて xx は増加します。

また, yyθ\theta で微分すると, dydθ=asinθ \dfrac{dy}{d\theta} = a\sin\theta となるので θ\theta が増加するにつれ,0<θ<π0<\theta<\pi の範囲では yy は増加, π<θ<2π\pi<\theta< 2\pi の範囲では yy は減少します。

また,yy の符号について考えると,1cosθ01- \cos \theta \geq 0 より, y=a(1cosθ)0 y = a(1-\cos\theta) \geq 0 が成立します。

これらに基づくと,グラフの概形は図のようになります。軌跡を描く点は右に動きつつ,θ=π\theta = \pi までは上へ,それ以降は下へ動きます。

サイクロイド

サイクロイドの面積を積分で求める

サイクロイド曲線と xx 軸で囲まれた部分の面積 SS は,公式より, S=02πaydx S = \int_0^{2\pi a} y dx で計算できます。これを,置換積分を用いて θ\theta で積分していきます。 dxdθ=a(1cosθ) \dfrac{dx}{d\theta} = a(1-\cos\theta) であり, xx02πa0 \rightarrow 2\pi a となるとき, θ\theta02π0 \rightarrow 2\pi となります。よって, S=02πay(dxdθ)dθ=02πa(1cosθ)a(1cosθ)dθ=a202π(12cosθ+cos2θ)dθ \begin{aligned} S &= \int_0^{2\pi a} y \left(\dfrac{dx}{d\theta}\right)d\theta \\ &= \int_0^{2\pi} a(1-\cos\theta) \cdot a(1-\cos\theta)d\theta \\ &= a^2 \int_0^{2\pi} (1-2\cos\theta + \cos^2\theta)d\theta \\ \end{aligned} ここで, cos2θ=1+cos2θ2\cos^2 \theta= \dfrac{1+\cos2 \theta}{2} により S=a202π(12cosθ+1+cos2θ2)dθ=a202π(322cosθ+cos2θ2)dθ=a2[32θ2sinθ+sin2θ4]02π=3πa2 \begin{aligned} S &= a^2 \int_0^{2\pi} \left(1-2\cos\theta + \dfrac{1+\cos2 \theta}{2}\right)d\theta \\ &= a^2 \int_0^{2\pi} \left(\dfrac{3}{2}-2\cos\theta + \dfrac{\cos2 \theta}{2}\right)d\theta \\ &= a^2 \left[\dfrac{3}{2}\theta -2\sin\theta + \dfrac{\sin2 \theta}{4}\right]_0^{2\pi}\\ &= 3\pi a^2 \end{aligned}

これより, SS は転がる円の面積のちょうど 33 倍であることがわかります。

やっていることは単純で,ただ置換積分をしているだけです。置換積分は計算ミスをしやすいので,落ち着いて計算していきましょう。

サイクロイドの回転体の体積を積分で求める

回転体の体積を求める公式 V=abπ{f(x)}2dx V = \int_a^b \pi \{f(x)\}^2dx を使うと, xx 軸周りの回転体の体積 VVV=π02πay2dx=π02πa2(1cosθ)2a(1cosθ)dθ=πa3×02π(13cosθ+3cos2θcos3θ)dθ \begin{aligned} V &= \pi \int_0^{2\pi a}y^2 dx\\ &= \pi \int_0^{2\pi}a^2(1-\cos\theta)^2 \cdot a(1-\cos\theta) d\theta\\ &= \pi a^3 \times \\ &\int_0^{2\pi}(1-3\cos\theta +3\cos^2\theta - \cos^3 \theta)d\theta \end{aligned} ここで, cos2θ=1+cos2θ2cos3θ=cos3θ+3cosθ4 \begin{aligned} \cos^2 \theta &= \dfrac{1+\cos2 \theta}{2} \\ \cos^3 \theta &= \dfrac{\cos 3\theta + 3\cos\theta}{4} \end{aligned} により V=πa302π(52154cosθ+32cos2θ14cos3θ)dθ=πa3[52θ154sinθ+34sin2θ112sin3θ]02π=5π2a3 \begin{aligned} V &= \pi a^3 \int_0^{2\pi}\left(\dfrac{5}{2}-\dfrac{15}{4}\cos\theta+\dfrac{3}{2}\cos 2\theta - \dfrac{1}{4}\cos 3 \theta\right)d\theta \\ &= \pi a^3 \left[\dfrac{5}{2}\theta -\dfrac{15}{4}\sin\theta + \dfrac{3}{4}\sin 2 \theta - \dfrac{1}{12}\sin 3\theta\right]_0^{2\pi}\\ &= 5 \pi^2 a^3 \end{aligned} となります。

公式に当てはめてしまえば,あとは単純な計算問題になります。

サイクロイドの長さを積分で求める

曲線の長さを求める公式 L=αβf(t)2+g(t)2dt L = \int_\alpha^\beta \sqrt{f'(t)^2 + g'(t)^2}dt を使うと,サイクロイド曲線の長さ LLL=02π(dxdθ)2+(dydθ)2dθ=02πa2(1cosθ)2+a2sin2θdθ=02πa22cosθdθ \begin{aligned} L &= \int_0^{2\pi} \sqrt{\left(\dfrac{dx}{d\theta}\right)^2 + \left(\dfrac{dy}{d\theta}\right)^2}d\theta \\ &= \int_0^{2\pi} \sqrt{a^2(1-\cos\theta)^2 + a^2 \sin^2 \theta}d\theta \\ &= \int_0^{2\pi} a\sqrt{2-2\cos\theta}d\theta \\ \end{aligned} ここで, 1cosθ=2sin2θ21-\cos\theta = 2 \sin^2 \dfrac{\theta}{2} を用いると, L=02πa2(1cosθ)dθ=02πa22sin2θ2dθ=02π2asinθ2dθ \begin{aligned} L &= \int_0^{2\pi} a\sqrt{2(1-\cos\theta)}d\theta \\ &= \int_0^{2\pi} a\sqrt{2 \cdot 2 \sin^2 \dfrac{\theta}{2}}d\theta \\ &= \int_0^{2\pi} 2a\left|\sin\dfrac{\theta}{2}\right|d\theta \\ \end{aligned} 0θ2π0 \leq \theta \leq 2\pi より 0θ2π0 \leq \dfrac{\theta}{2} \leq \pi であるから, sinθ20\sin\dfrac{\theta}{2} \geq 0

よって絶対値がそのまま外せて L=02π2asinθ2dθ=2a[2cosθ2]02π=8a \begin{aligned} L &= \int_0^{2\pi} 2a\sin\dfrac{\theta}{2}d\theta \\ &= 2a \left[-2\cos \dfrac{\theta}{2}\right]_0^{2\pi} \\ &= 8a \end{aligned} となります。

サイクロイドの曲線の長さには π\pi が出てきません。半径の 88という綺麗な結果になります。

1cosθ\sqrt{1-\cos\theta} が積分に出てきて少し戸惑うかもしれませんが,半角の公式を使うことでルートを外すことができることを知っておきましょう。また,ルートを外す際には絶対値記号をつけることを忘れずに。

サイクロイドは試験でよく題材として取り上げられるので,結果を覚えておくと検算等に使えるかもしれません。

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