指数関数y=a^xの微分公式の4通りの証明
任意の に対して の導関数は, である。
この公式を4通りの方法で証明します! 指数関数の取り扱い,極限操作の練習にどうぞ。
注:この記事では対数の底を省略した場合は底が であることを表します。底が のときは明記します。
定義に従って求める方法
定義に従って求める方法
微分の定義に従って計算していきます。
の導関数は,
ここで, に注意(両辺の対数を取ると確認できる)すると,上式は
となる。ただし,1つめの等号では対数(log)の公式の1つである を用いた。
さらに, のとき であることと, (→指数関数と対数関数の極限の公式)を使うと,上式の極限部分は となる。つまり,上式は となる。
対数微分法を用いる方法
対数微分法を用いる方法
逆関数の微分公式を用いる方法
逆関数の微分公式を用いる方法
前提:逆関数の微分
の逆関数は, である。
これを で微分すると,
よって,逆関数の微分公式より,
証明2と非常に似ていますが,考え方(対数微分法なのか逆関数の微分なのか)は異なります。
e^xの微分公式を用いる方法
e^xの微分公式を用いる方法
前提: ,合成関数の微分
であるので,合成関数の微分公式より
一般の指数関数 を,一番扱いやすい指数関数 に帰着させる公式: はかなり重要です。
→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT132では,指数関数の微分に関する発展問題と2通りの解法を紹介しています。
証明1が一番複雑ですが,定義に従って導出できることも大事です。