対数(log)の定義・計算方法・便利な公式まとめ

数学Ⅱで学習する対数(log)について,定義・計算方法・覚えておくべき性質を整理しました。

対数(log)の定義

対数の定義

ax=ya^x=y となるような xx を log⁡ay\log_a y と表記する。これを対数と呼ぶ。

対数のイメージ

例えば,23=82^3=8 なので,3=log⁡283=\log_2 8 です。

例題1

log⁡464\log_4 64 はいくつか?

log⁡464\log_4 64 とは,4x=644^x=64 となる xx のことです。 4×4×4=644\times 4\times 4=64 なので,x=3x=3 ですね。つまり log⁡464=3\log_4 64=3 です。

対数(log)の底と真数の定義・成り立つべき条件

底と真数とは

対数 log⁡ab\log_a b について,aa のことを底,bb のことを真数と言う。

例えば,log⁡28\log_2 8 の底は 22,真数は 88 です。底と真数には以下の条件があります。

底と真数の条件

aa と bb が以下の条件を満たしているときのみ log⁡ab\log_a b を考える。

  • 底の条件 : a>0a>0 かつ a≠1a≠1
  • 真数条件 : b>0b>0

底の条件と真数条件のおかげで,ac=ba^c=b を満たす cc が必ず1つ決まります。

  • もし a=1a=1 だと,例えば 1c=31^c=3 を満たす cc は存在しないので log⁡ab\log_a b が決まりません。
  • もし b≤0b\leq 0 だと,例えば,2c=−12^c=-1 を満たす cc は存在しないので log⁡ab\log_a b が決まりません。

この底と真数の条件は,対数方程式や対数不等式を解く際にも用いられます。 対数方程式については 対数方程式の例題と解き方 を,対数不等式については 対数不等式の例題と解き方 をご覧ください。

対数の性質・底の変換公式

公式

対数の性質 : log⁡aa=1\log_a a=1, log⁡a1=0\log_a 1=0

積の対数 : log⁡aMN=log⁡aM+log⁡aN\log_aMN=\log_aM+\log_aN

商の対数 : log⁡aMN=log⁡aM−log⁡aN\log_a\dfrac{M}{N}=\log_aM-\log_aN

累乗の対数 : log⁡aMr=rlog⁡aM\log_a M^r = r \log_a M  (rr は実数)

ただし,底の条件と真数条件は満たしているものとします。つまり,a>0a>0, a≠1a≠1, M>0M>0, N>0N>0 とします。

計算過程で頻出ですので,自由自在に使いこなせるようにしてください。

対数の性質について,log⁡aa=1\log_a a=1 については,aa を1乗すると aa になることからわかります。また,log⁡a1=0\log_a 1 =0 については,a0=1a^0=1 となることからわかります。この「0乗」については,詳しくは ゼロ乗(0乗),マイナス乗,分数乗,無理数乗 をご覧ください。

積・商・累乗の対数については,対数の基本的な性質とその証明 にて詳しく解説していますので,ご覧ください。

また,「底の変換公式」と呼ばれる重要な公式があります。 aa, bb, cc を正の数とし、a≠1a≠1, c≠1c≠1 のとき

公式

底の変換公式 : log⁡ab=log⁡cblog⁡ca\log_ab=\dfrac{\log_cb}{\log_ca}

底の変換公式ついては,底の変換公式の証明と例題 の記事内で詳しく取り扱っています。

その他の便利な公式

教科書には記載されていませんが,計算の上で便利な公式を4つ紹介します。

aa, bb, cc を正の数とし,a≠1a≠1, b≠1b≠1 のとき

公式1

log⁡ab\log_ab log⁡bc\log_bc =log⁡ac= \log_ac (真ん中の文字を消すことができる)

例1

log⁡34\log_34 log⁡45\log_45 =log⁡35= \log_35

log⁡23\log_23 log⁡34\log_34 log⁡45\log_45 =log⁡25= \log_25

公式2

alog⁡bc=clog⁡baa^{\log_b c}=c^{\log_b a} (aa と cc を交換できる)

例

25log⁡52=2log⁡525=22=425^{\log_52}=2^{\log_525}=2^2=4

公式3

log⁡ab=1log⁡ba\log_a b=\dfrac{1}{\log_ba } (底と真数を交換すると逆数になる)

例

log⁡93=1log⁡39=12\log_93=\dfrac{1}{\log_39}=\dfrac{1}{2}

公式4

log⁡akb=1klog⁡ab\log_{a^k} b=\dfrac{1}{k} \log_a b (底の指数は逆数になって前に出る)

例

log⁡95=log⁡325=12log⁡35\log_95=\log_{3^2}5=\dfrac{1}{2}\log_35

これらの公式は,上記で確認した対数の性質や底の変換公式を使えば簡単に証明できます。利用する前に,自分で一度証明を確認しておきましょう。→覚えておきたい対数(log)の応用公式4点セット

対数の足し算・引き算の公式

a>0a>0, a≠1a≠1, M>0M>0, N>0N>0 のとき

公式

対数の足し算 : log⁡aM+log⁡aN=log⁡aMN\log_a M+\log_a N=\log_a MN

対数の足し算は真数の掛け算になります。

例

log⁡25+log⁡27=log⁡235\log_25+\log_27=\log_235

一方,

公式

対数の引き算 : log⁡aM−log⁡aN=log⁡aMN\log_a M-\log_a N=\log_a \dfrac{M}{N}

対数の引き算は真数の割り算になります。

例

log⁡212−log⁡23=log⁡24=2\log_212-\log_23=\log_24=2

逆に言えば,真数が分数の時は引き算に直すことが可能です。

真数が小数の時はこの変形をうまく利用して,計算を進めることができます。

例

log⁡20.7=log⁡2710=log⁡27−log⁡210\log_20.7=\log_2\dfrac{7}{10}=\log_27-\log_210

[数Ⅲ]微積分における対数関数の計算公式

対数関数の微積分の求め方は数学Ⅲで習います。以下の公式は何度も使うので覚えておくとよいです。

公式

微分 : (log⁡(\log x)′=1xx)'=\dfrac{1}{x}

nn 階微分 : (log⁡(\log x)(n)=(−1)n−1(n−1)!xnx)^{(n)}=(-1)^{n-1}\dfrac{(n-1)!}{x^n}

不定積分 : ∫log⁡\displaystyle \int \log x=xlog⁡x=x \log x−x+Cx-x+C

微分については,log xのn階微分とテイラー展開,積分については,→log xの積分計算の2通りの方法と発展形で詳しく解説しています。

対数の計算方法についてのまとめ

対数計算には上記の通りたくさんの公式があります。これらは「計算方法」ですので,四則計算と同様に自由自在に使えることが重要です。

入試問題ではこれらの計算公式を工夫して使用することを求められます。ぜひ計算練習で身につけていきましょう。

最短で得点力を上げる!高校数学の問題集〈典型250問〉の問題183では,対数と2次関数の融合問題と3通りの解法を紹介しています。

便利な公式をもっと早くに知りたかったです…

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