対数方程式の例題と解き方

対数方程式とは,log2(x+1)=2+log2x\log_2 (x+1) = 2 + \log_2 x のように対数(ログ)を含む方程式のことです。

対数方程式について,解き方2パターンを解説します。

対数の計算が怪しい人は先に対数の基本的な性質とその証明を確認してください。特に底の変換公式をたくさん使います。

対数(log)が入った方程式の例題

この記事で解説する対数方程式の例題です。

例題

次の方程式を解け。

(1) log2(x+1)=2+log2x\log_2 (x+1) = 2 + \log_2 x

(2) log9x=log3(x2)\log_9 x = \log_3 (x-2)

(3) (log2x)2=log2x2(\log_2 x)^2 = \log_2 x^2

(4) logx2=log2x2+1\log_x 2 = \log_2 x^2 +1

対数方程式の解き方

対数方程式の解き方は大きく2つあります。

  1. 対数を外すだけのパターン
  2. 置換をするパターン

それぞれ解説します。

パターン1:対数を外すだけ

対数方程式の解き方 パターン1
  1. 真数(log\log の中身)が正になる条件を確認する
  2. 両辺の対数の底をそろえる
  3. 対数を取って方程式を解く
  4. 真数の条件を満たしているか確認する
例題 (1) の解答

log2(x+1)=2+log2x\log_2 (x+1) = 2 + \log_2 x

を解く。

  1. 対数の真数は正である。x+1x+1xx が全て正となるのは x>0x>0 のときである。

  2. 両辺を log2\log_2□ という形にする。与式の右辺は 2+log2x=log24+log2x=log24x2 + \log_2 x = \log_2 4 + \log_2 x= \log_2 4x となる。よって log2(x+1)=log24x \log_2 (x+1) = \log_2 4x を解けばよい。

  3. 対数の底はどちらも2であるため,対数を外すと, x+1=4x x+1 = 4x これを解くと,x=13x = \dfrac{1}{3} となる。

  4. これは真数条件 x>0x > 0 を満たす。

補足です。

  • ステップ1は重要です。対数方程式においては,対数の真数が正という条件(真数条件)を真っ先に確認しましょう。
  • 対数の底に変数を含む場合もあります。対数の底は「正かつ 11 でない」が条件です。
  • ステップ3では,
    logab=logac  ならば  b=c   \log_a b = \log_a c \;\text{ならば}\; b=c \; という対数の性質を使っています。
  • ステップ4では,ステップ1で調べた真数条件を確認しています。
例題 (2) の解答

log9x=log3(x2)\log_9 x = \log_3 (x-2)

を解く。

  1. 与式の真数は x,x2x,x-2 である。これらが全て正になるのは x>2x>2 のときである。

  2. 与式の左辺は log9x=log3xlog39=12log3x\log_9 x = \dfrac{\log_3 x}{\log_3 9} = \dfrac{1}{2} \log_3 x となる。よって, 12log3x=log3(x2) \dfrac{1}{2} \log_3 x = \log_3 (x-2) を解けばよい。つまり, log3x=log3(x2)2 \log_3 x = \log_3 (x-2)^2 を解けばよい。

  3. 対数を外すと, x=(x2)2x=x24x+4x25x+4=0 x = (x-2)^2\\ x = x^2-4x+4\\ x^2-5x+4=0 となり,x=1,4x=1,4 が得られる。

  4. 真数条件は x>2x>2 であるため x=1x=1 は不適である。よって x=4x=4 が解である。

真数条件を満たさない解を除く問題でした。考え方は,絶対値の意味と性質・絶対値を含む式の計算方法 で登場した絶対値を含む方程式に似ています。

パターン2:対数を文字で置き換える

対数方程式の解き方 パターン2
  1. 真数(log\log の中身)が正になる条件を確認する
  2. 式の中に現れる対数を1種類にする
  3. その対数を tt などと置いて方程式を解く
  4. 「対数 == 数」の形の方程式を解く
  5. 真数の条件を満たしているか確認する

三角方程式などでも頻出の置換するパターンです。実際に例題を解いてみましょう。

例題 (3) の解答

(log2x)2=log2x2(\log_2 x)^2 = \log_2 x^2

を解く。

  1. 真数は x2,xx^2,x で,これらが正になるのはそれぞれ x0,x>0x\neq 0,x>0 のときである。よって条件は x>0x>0 である。

  2. 与式の右辺は log2x2=2log2x\log_2 x^2 = 2 \log_2 x である。よって解くべき方程式は (log2x)2=2log2x (\log_2 x)^2 = 2 \log_2 x である。式に登場する対数が log2x\log_2 x 一種類だけになった!

  3. t=log2xt = \log_2 x とおくと t2=2t t^2 = 2t となる。tt の方程式を解くと t=0,2t=0,2 である。

  4. つまり log2x=0,2\log_2 x = 0,2 が解の候補。それぞれ解くと x=1,4x = 1,4 が得られる。

  5. これらは真数条件を満たす。

このように,(logax)2(\log_a x)^2 が出てきたら,まず logax=t\log_a x=t という置換を考えましょう。

例題 (4) では,対数と真数を入れ替える操作が求められます。解き方に「真数条件」と書いてきましたが,この「対数正条件」の確認が必要なケースですね。

例題 (4) の解答

logx2=log2x2+1\log_x 2 = \log_2 x^2 +1

を解く。

  1. 真数条件から x2>0x^2 >0,すなわち x0x \neq 0 である。また,対数の底は 11 でない正の数なので,x>0,x1x>0,x\neq 1 である。

  2. 左辺は logx2=1log2x\log_x 2 = \dfrac{1}{\log_2 x} と変形できる。また右辺は log2x2+1=2log2x+1\log_2 x^2 +1 =2\log_2 x +1 と変形できる。よって与式は 1log2x=2log2x+1 \dfrac{1}{\log_2 x} = 2\log_2 x +1 となる。対数は log2x\log_2 x 一種類だけになった!

  3. t=log2xt = \log_2 x とおく。与式を置換し,両辺に tt を掛けると 1=2t2+t2t2+t1=0 1 = 2t^2 + t\\ 2t^2 + t -1=0 である。よって t=12,1t = \dfrac{1}{2} , -1 となる。

  4. log2x=12,1\log_2 x = \dfrac{1}{2} ,-1 を解くと,x=2,12x = \sqrt{2} , \dfrac{1}{2} が得られる。

  5. これらは最初に求めた条件 x>0,x1x>0,x\neq 1 を満たす。

難しい場合,自分がステップ1~5のどこが分からないのか考えてみてください。1・4・5は「対数の定義」をきちんと理解していればわかります。3は対数とは関係ない「方程式」の理解の問題です。2は「底の変換」など対数の公式の理解が必要です。

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理解できないとき,自分がどのステップを理解できていないのかを把握することが重要です。

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