対数不等式の例題と解き方

更新日時 2021/12/15

対数不等式とは, log2(x+3)<2log2(x+1)\log_2 (x+3) < 2 \log_2 (x+1) のように対数(ログ)を含む不等式のことです。

この記事では,対数不等式の解き方を解説します。

対数不等式を解くためには,対数の計算に慣れている必要があります。不安な人は, 対数の基本的な性質とその証明底の変換公式の証明と例題を参照してください。

目次
  • 対数不等式を解くための前提

  • 対数(log)が入った不等式の例題

  • 対数不等式の解き方

  • 関連する話題

対数不等式を解くための前提

まずは,対数不等式を解くためにとても重要な性質を説明します。

下のグラフを見てください。

pic01

y=log2xy = \log_2 x は単調増加,y=log12xy = \log_{\frac{1}{2}} x は単調減少な関数になります。

このように,logax\log_a x は,a>1a>1 のとき単調増加,a<1a<1 のとき単調減少です。よって,底が1より大きいか小さいかで不等号の向きが変わります!

とても重要な性質

logaxlogay\log_a x \geqq \log_a y という不等式の解は,

  1. a>1a>1 のとき xyx \geqq y(不等号の向きはそのまま)
  2. a<1a<1 ならば xyx \leqq y (不等号の向きが変わる)

ちなみに,=を含まない場合も同じです。つまり,logax>logay\log_a x > \log_a y という不等式の解は,

  1. a>1a>1 のとき x>yx > y(不等号の向きはそのまま)
  2. a<1a<1 ならば x<yx < y (不等号の向きが変わる)

対数(log)が入った不等式の例題

とても重要な性質をふまえて,対数不等式を解いてみます。この記事で解説する対数不等式の例題です。

例題

次の不等式を解け。

(1) log2(x+3)<2log2(x+1)\log_2 (x+3) < 2 \log_2 (x+1)

(2) log0.5x+1log2(x+1)\log_{0.5} x + 1 \geqq \log_2 (x+1)

(3) (log2x)2log2x+2(\log_2 x)^2 \leqq \log_2 x + 2

対数不等式の解き方

対数不等式の解き方には2つのパターンがあります。対数を外すだけのパターンと置換をするパターンです。

パターン1:対数を外すだけ

対数不等式の解き方 パターン1
  1. 真数(対数の中身)が正になる条件を確認する。
  2. 両辺の対数の底をそろえる。
  3. 対数を取って不等式を解く。このとき不等号の向きに注意する
  4. 解が真数条件を満たしているか確認する。
例題 (1) の解答

log2(x+3)<2log2(x+1)\log_2 (x+3) < 2 \log_2 (x+1)

を解く。

  1. 真数は正であるため,x+3>0,x+1>0x+3>0 , x+1>0 である。したがって x>1x > -1 である。

  2. 与式を変形して log2(x+3)<log2(x+1)2 \log_2 (x+3) < \log_2 (x+1)^2

  3. 2211 より大きいので,不等号の向きはそのままで対数を外せてx+3<(x+1)2 x+3 < (x+1)^2 を解けばよい。式を整理して x2+x2>0 x^2 + x -2 > 0 である。これを解くと x<2,1<xx < -2, 1 < x である。

  4. x>1x > -1 と合わせて x>1x > 1 が得られる。

例題 (2) の解答

log0.5x+1log2(x+1)\log_{0.5} x + 1 \geqq \log_2 (x+1)

を解く。

  1. 真数は正であるため,x>0,x+1>0x>0 , x+1>0 である。したがって x>0x>0 となる。

  2. 与式の底をそろえる。
    log0.5x=log2xlog20.5=log2xlog212=log2x\log_{0.5} x = \dfrac{\log_2 x}{\log_2 0.5}\\ = \dfrac{\log_2 x}{\log_2 \frac{1}{2}}\\ = -\log_2 x
    および 1=log221=\log_2 2 より,与式は log2x+log22log2(x+1)log22xlog2(x+1) -\log_2 x + \log_2 2 \geqq \log_2 (x+1)\\ \log_2 \dfrac{2}{x} \geqq \log_2 (x+1) となる

  3. 2211 より大きいので,不等号の向きそのまま対数が外せて, 2xx+12x2+xx2+x20 \dfrac{2}{x} \geqq x+1\\ 2 \geqq x^2+x\\ x^2 + x -2 \leqq 0 となる。これを解くことで 2x1-2 \leqq x \leqq 1 が得られる。

  4. x>0x>0 と合わせて 0<x10<x\leqq 1 となる。

パターン2:対数を文字で置き換える

対数不等式の解き方 パターン2
  1. 真数条件を確認する
  2. 式の中に現れる対数を1種類にする
  3. その対数を tt などとおいて不等式を解く
  4. 変数を元に戻して不等式を解く
  5. 解が真数条件を満たしているか確認する
例題 (3) の解答

(log2x)2log2x+2(\log_2 x)^2 \leqq \log_2 x + 2

を解く。

  1. 真数条件から x>0x>0 である。

  2. 式の中に現れる対数は log2x\log_2 x だけである。

  3. log2x=t\log_2 x = t とおくと,与式は t2t+2 t^2 \leqq t + 2 である。すなわち t2t20 t^2-t-2 \leqq 0 である。これを解くと 1t2-1 \leqq t \leqq 2 となる。

  4. よって 1log2x2-1 \leqq \log_2 x \leqq 2 となる。これを解いて 12x4 \dfrac{1}{2} \leqq x \leqq 4 が得られる。

  5. この範囲は x>0x>0 というステップ1で確認した真数条件を満たす。

なお,よりレベルの高い問題では,底が未知数になったりします。そのようなときは丁寧に場合分けをしましょう。

関連する話題

底によって不等号の向きが変わることを見落としてミスをした記憶があります。気を付けてくださいね。

Tag:数学2の教科書に載っている公式の解説一覧