デカルトの葉線の漸近線と面積

デカルトの葉線

xyxy 平面上において x3+y33axy=0x^3+y^3-3axy=0

で表される曲線をデカルトの葉線と言う。

デカルトの正葉線,デカルトの葉とも言います。

媒介変数表示,極座標表示

デカルトの葉線は以下のように表現することもできます。

  • 媒介変数表示:x=3at1+t3x=\dfrac{3at}{1+t^3}y=3at21+t3y=\dfrac{3at^2}{1+t^3}

  • 極座標表示:r=3asinθcosθsin3θ+cos3θr=\dfrac{3a\sin\theta\cos\theta}{\sin^3\theta+\cos^3\theta}

これらが全て同じ曲線を表すことは簡単な計算で確認できます。

グラフ,漸近線

デカルトの葉線のグラフ

デカルトの葉線のグラフは図の青い曲線になります。

グラフは y=xy=x に関して対称です。 (x,y)(x,y)x3+y33axy=0x^3+y^3-3axy=0 を満たすなら,(y,x)(y,x) も満たすことから分かります。

また, y=xay=-x-a を漸近線に持ちます。

漸近線の導出

x3+y33axy=0x^3+y^3-3axy=0 を因数分解公式(因数分解の公式とテクニック一覧の後半の紫文字の公式)を用いて変形すると,

(x+y+a)(x2+y2+a2xyyaax)=a3(x+y+a)(x^2+y^2+a^2-xy-ya-ax)=a^3

(x+y+a){(xy)2+(ya)2+(ax)2}=2a3(x+y+a)\{(x-y)^2+(y-a)^2+(a-x)^2\}=2a^3

aa は定数であり,x|x| を大きくしていくと,左辺の2つめの因数はどんどん大きくなる。一方,右辺は一定である。よって,左辺の1つめの因数は 00 に近づく必要がある。

つまり,x|x| が十分大きいとき x+y+a0x+y+a\fallingdotseq 0

面積

デカルトの葉線で囲まれた領域の面積は,S=32a2S=\dfrac{3}{2}a^2 である。

極方程式の面積公式を用いて計算します。積分計算の方法は読者の方に教えてもらいました,感謝!

証明

極座標表示を用いる。

S=120π2r2dθ=92a20π2sin2θcos2θ(sin3θ+cos3θ)2dθ=92a20π2tan2θ(tan3θ+1)21cos2θdθS=\displaystyle\dfrac{1}{2}\int_0^{\frac{\pi}{2}}r^2d\theta\\ =\dfrac{9}{2}a^2\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\dfrac{\sin^2\theta\cos^2\theta}{(\sin^3\theta+\cos^3\theta)^2}d\theta\\ =\dfrac{9}{2}a^2\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\dfrac{\tan^2\theta}{(\tan^3\theta+1)^2}\cdot\dfrac{1}{\cos^2\theta}d\theta

ここで,tanθ=t\tan\theta=t とおくと,

S=92a20t2(t3+1)2dt=92a2[13(t3+1)]0=32a2S=\dfrac{9}{2}a^2\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{t^2}{(t^3+1)^2}dt\\ =\dfrac{9}{2}a^2\left[-\dfrac{1}{3(t^3+1)}\right]_0^{\infty}\\ =\dfrac{3}{2}a^2

デカルトの葉線のグラフはギリシャ文字のファイに似ていますね。

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