検算の重要性と具体的なテクニック5つ
検算は,数学の試験で高得点を取るためにとても重要です!
検算について,重要性と,具体的なテクニックを5つ紹介します。
検算の重要性
検算の重要性
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求値問題では,途中で計算ミスを1箇所するだけで点数がふっとびます。理解していたつもりでも0点です。
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そして「理解していたけども計算ミスで失点した」という問題は,多くの場合難問ではないため,他の人の正答率が高く痛い失点になります。
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このような痛い失点を防ぐために検算が重要です。
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また,大学入試共通テストなどの短時間の試験では,時間に追われるためミスをしやすく,特に検算が重要です。
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大体の人は解けたつもりの問題でも10〜20%くらい間違っているので,検算を素早くできることはかなりの強みになります。
検算の基本は「計算過程を見直す」です。しかし,単なる見直し以外にも答えの正しさを確かめる方法はたくさんあります。以下では,このような検算テクニック・考え方を紹介していきます。
複数の方法で解く
複数の方法で解く
計算過程を見直すのも大事ですが,人間は同じミスは連発しやすいので, 別の方法で同じ答えが出ることを確認する方が強い自信になります。2通りで同じ答えが出たらほぼ間違いなく正解です。
- いろいろな順場で計算します。例えば, を計算するときに,前から計算: と後ろから計算: の結果が一致することを確認します。
- 二次方程式を因数分解で解いたら,解の公式でも解いてみます。
- 余事象の考え方を使わず,両方の確率を直接求めます。「Aである確率とAでない確率を両方直接求めて和が1になっていたら両方正しい」と予想されます。
- 普通の方法と「裏技(ロピタルの定理,パップスギュルダンの定理など)」を使った方法でそれぞれ解きます。
このサイトでも「裏技」や複数の方法による解き方を載せるようにしているので参考にしてください! → 検算テクニック
具体的な値を代入して検算
具体的な値を代入して検算
具体的な値を代入することで,明らかに間違っていないかどうかを確認できます。
- 式の展開や因数分解では,結果に などを代入して確認します。
例えば, という展開は, を代入すると という検算により自信が持てます。 - 方程式では,答えをもとの式に代入して確認します。
- 数列の一般項・行列の 乗・ が絡む確率の問題では, を代入して確認します。また, の極限も計算してみて,違和感がないか確認します。
例えば, 人でじゃんけんをしたときにあいこになる確率は, になります。 を代入すると, になり, とすると となるので正しそうです。→ じゃんけんであいこになる確率の求め方と値
逆の計算をして検算
逆の計算をして検算
- かけ算は,割り算してもとに戻ることを確認します。
例えば, に対して, を計算してきちんと に戻ることを確認すると自信が持てます。 - 素因数分解は,かけ算してもとに戻ることを確認します。
- 積分計算は,微分してもとに戻ることを確認します。定積分の場合も数値を代入する前に不定積分があっているか確認すべきです。 定積分は最も計算ミスしやすい分野です。
- 式の展開は,因数分解してもとに戻ることを確認します。
大雑把な予測値と比較する
大雑把な予測値と比較する
- 線分の長さや角度,面積,体積を求めた時に図と比較して妥当なものか検証します。答えが負の数だったら論外ですが,もっと強く検証しましょう。
図形の問題は,他の分野よりも直感で答えの概数を予想できます。
例えば,1辺が の正三角形の面積は ですが, は より少し少なく「正三角形の面積は,辺の長さが同じである正方形の面積の半分より少し小さい」という感覚と一致します。 - 確率が0以上1以下の値であることを確認するのはもちろんです。
空気を読む
空気を読む
- 入試問題の途中で因数分解できない三次方程式が出てきたら,それまでに計算ミスをしている可能性が極めて高いです。→方程式の有理数解
- 答えがあまりにも汚い数になったら計算ミスを疑います(ただし,正解が汚い数であることも稀にあります)。
以上の検算方法を使えば,大した時間をかけずに答えに自信を持つことができます。また,数学だけでなく物理でも使える検算方法も多く紹介しました。みなさんも独自の検算テクニックを開発してみてください!
検算以外の勉強のコツについては試験の点数を上げるための具体的な方法8つで紹介しています。
数学のテストは検算まで含めた勝負。検算しにくい・自信がない問題は,計算過程を徹底的に見直しましょう。そして,検算が簡単な問題が出題されて解けたら喜びましょう。