正三角形の面積,正四面体の体積を求める公式

(i)1辺の長さが aa の正三角形の面積 SS は, S=34a2S=\dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2

(ii)1辺の長さが aa の正四面体の体積 VV は,V=212a3V=\dfrac{\sqrt{2}}{12}a^3

記述式の場合途中経過を求められるので,この公式を用いることはできませんが,検算に用いることはできます。特に,(ii)はその場で計算しようとするとわりと時間がかかってしまうので,公式の出し方まで含めて覚えておくべきです。

正四面体の体積は「底面積×高さ× 13\dfrac{1}{3} 」を普通に計算すれば導出できますが,ここではサラスの公式を用いて(ii)のエレガントな導出を紹介します。

正三角形の面積公式の求め方

ここでは2通りの方法で正三角形の面積公式を求めてみましょう。

求め方1 〜底辺×高さ÷2を使う〜

下図のように正三角形 ABCABC について角 A\angle{A} の二等分線を引いてみます。

底辺×高さ÷2

すると,DDBCBC の中点になるので,BD=12AB=12aBD=\dfrac{1}{2}AB=\dfrac{1}{2}a です。

よって,三平方の定理より,
AD=AB2BD2=a2(a2)2=a214a2=32aAD=\sqrt{AB^2-BD^2}\\ =\sqrt{a^2-\left(\dfrac{a}{2}\right)^2}\\ =\sqrt{a^2-\dfrac{1}{4}a^2}\\ =\dfrac{\sqrt{3}}{2}a

三角形の面積は底辺×高さ÷2でしたから,求める面積 SS は,

S=a32a12=34a2S = a \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2} a \cdot \dfrac{1}{2}\\ = \dfrac{\sqrt{3}}{4} a^{2}

となります。

求め方2 〜sinを用いた三角形の面積公式を使う〜

高校で習うsinを用いた三角形の面積公式を使うことでも,公式を導出できます。一般の三角形 ABC\triangle{ABC} の面積 SS は,公式により

sinmenseki

S=12absinC=12bcsinA=12casinBS = \dfrac{1}{2}ab\sin C=\dfrac{1}{2}bc\sin A=\dfrac{1}{2}ca\sin B

と表されます。この公式については,sinを用いた三角形の面積公式 をご覧ください。

いま,ABC\triangle{ABC} が正三角形の場合は

a=b=c,A=B=C=60°a=b=c , \angle{A} = \angle{B} = \angle{C} = 60°

であるから,公式にしたがい,求める面積 SS は,

S=12aasin60°=12aa32=34a2S= \dfrac{1}{2} a \cdot a \cdot \sin{60°}\\ = \dfrac{1}{2} a \cdot a \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2}\\ = \dfrac{\sqrt{3}}{4} a^2

となります。

サラスの公式を用いた正四面体の体積の導出

正四面体はうまく座標空間にはめこむことができます。ちなみに,正二十面体も座標空間にはめこむことができます。 →正二十面体の対角線・体積・内接球などを座標で計算

正四面体の体積公式の導出

正四面体の体積

座標空間上に一辺 222\sqrt{2} の正四面体 ABCDABCD を以下のように構成する:

A(0,0,0)A(0,0,0)B(2,2,0)B(2,2,0)C(2,0,2)C(2,0,2)D(0,2,2)D(0,2,2)

原点を1つの頂点として座標軸に平行な一辺の長さが2の立方体をイメージすれば分かりやすいだろう(図参照)。

四面体 ABCDABCD の体積はサラスの公式より以下のように求まる。

1602323=83=212(22)3 \dfrac{1}{6}|0-2^3-2^3| = \dfrac{8}{3} = \dfrac{\sqrt{2}}{12} (2\sqrt{2})^3

ここで,正四面体の体積は1辺の長さ aa の3乗に比例するので,

V=ca3V=ca^3 と書けることに注意すると,c=212c=\dfrac{\sqrt{2}}{12} となり(ii)を得る。

非常にお世話になる機会が多い公式の1つです

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