集合の記号の意味まとめ

集合の記号とその意味について整理しました。高校数学で習う(大学入試で必要な)ものと習わないものそれぞれ紹介します。

高校数学で習う集合の記号

  • aAa \in Aaa は集合 AA の要素である,aaAA に属する
    注:集合の要素はアルファベットの小文字,集合はアルファベットの大文字を使うことが多いです。

  • a∉Aa \not\in AaaAA に属さない

  • A=BA=B :集合 AA と集合 BB は等しい(全ての要素が同じ)

  • ABA\subseteq B :集合 AA は集合 BB の部分集合である

  • ABA\subset B :集合 AA は集合 BB の真部分集合(部分集合であるが等しくはない)である
    注:部分集合,真部分集合の記号についてはいくつか流儀があるので注意が必要です。

  • ABA\cup BAABB の少なくとも一方に属する要素全体の集合(または,和集合,union)

A={1,2},B={2,3,4}A=\{1,2\},B=\{2,3,4\} のとき AB={1,2,3,4}A\cup B=\{1,2,3,4\}

  • ABA\cap BAABB の両方に属する要素全体の集合(かつ,共通部分,積集合,intersection)

A={1,2},B={2,3,4}A=\{1,2\},B=\{2,3,4\} のとき AB={2}A\cap B=\{2\}

  • \emptyset :要素を持たない集合(空集合),ギリシャ文字の ϕ\phi (ファイ)と似ていますが異なる記号です。

  • Ac,AA^{\mathrm{c}},\overline{A} :全体集合から AA に含まれる要素を除いた集合(AA の補集合)

高校数学で習わない集合の記号

  • A|A| :集合 AA の濃度(AA が有限集合の場合,元の個数) →集合の濃度と可算無限・非可算無限

  • ABA\setminus BABA-BAA に含まれているが BB に含まれていない元の集合(差集合),ABcA\cap B^{\mathrm{c}}

  • AΔBA\mathbin{\Delta}BAA または BB のちょうど片方に含まれている元の集合(対称差),(AB)(BA)(A\setminus B)\cup (B\setminus A)
    注:例えば二部グラフの最大マッチング問題デルタマトロイドの公理に登場する記号です。

  • 2A2^{A}AA の部分集合全体の集合(べき集合)。有限集合のべき集合の要素数が 2A2^{|A|} 個であることを意識すると覚えやすい。

2{1,2}={,{1},{2},{1,2}}2^{\{1,2\}}=\{\emptyset,\{1\},\{2\},\{1,2\}\}

注:各要素が集合であるような集合(集合の集合)を集合族と言います。集合族は筆記体(C,F\cal{C},\cal{F} など)を使って表すことが多いです。

A={1,2},B={1,3}A=\{1,2\},B=\{1,3\} のとき,A×B={(1,1),(1,3),(2,1),(2,3)}A\times B=\{(1,1),(1,3),(2,1),(2,3)\}

  • AnA^nA×A××AA\times A\times \cdots \times Ann 個の直積集合)のこと。

  • ABA^BBB から AA への写像全体の集合。有限集合の場合に要素数について,AB=AB|A^B|=|A|^{|B|} であることを意識すると覚えやすい。集合の集合乗。

A={1,2,3},B={4,5}A=\{1,2,3\},B=\{4,5\} のとき,ABA^B は「4455 をそれぞれ 112233 に対応させる写像」をすべて集めたもの。ちなみにそのような写像は 99 個ある。

他にもここに載せるべき集合の記号があればご一報ください。

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