1. 高校数学の美しい物語
  2. 倍数の判定法(2から12)とその証明一覧

倍数の判定法(2から12)とその証明一覧

更新日時 2021/03/07

覚えるべき倍数の判定法一覧とその証明です。特に 331111 が素因数分解でも活躍するので重要です。

目次
  • 倍数の判定法一覧

  • 倍数の判定法について

  • 具体例

  • 倍数の判定法の証明

  • 7の倍数について

倍数の判定法一覧

  • 2の倍数:下一桁が偶数

  • 3の倍数:各桁の和が3の倍数

  • 4の倍数:下二桁が4の倍数

  • 5の倍数:下一桁が5の倍数

  • 6の倍数:2の倍数かつ3の倍数

  • 7の倍数:覚えなくてよい

  • 8の倍数:下三桁が8の倍数
     例: 2429427482424294274824824824 が8の倍数なので8の倍数。

  • 9の倍数:各桁の和が9の倍数

  • 10の倍数:下一桁が0

  • 11の倍数:各桁を交互に足し引きした値が11の倍数
     例: 382913829138+29+1=113-8+2-9+1=-11 なので11の倍数。

  • 12の倍数:3の倍数かつ4の倍数

倍数の判定法について

  • 7の倍数の判定法は一応存在します(後述)が,実際に7で割るよりも断然速い!というようなものは私は知りません。覚える必要はないと思います。
  • 6の倍数の判定法と12の倍数の判定法は小さい数字の倍数の判定法を組み合わせただけです。独立に覚える必要はありません。
  • 13以降も7の倍数の判定法と同様,地道に割り算してください。
  • 2の倍数,4の倍数,8の倍数など 2k2^k 系列はまとめることができます。つまり,任意の正の整数 kk に対して,
    2k2^k の倍数     \iffkk 桁が 2k2^k の倍数

具体例

受験や数オリでは,比較的大きな数を素因数分解する必要がしばしばあります。倍数の判定法を使いこなせるかどうかでスピードに大きな差がでます。

858858 を素因数分解せよ。

まず下一桁が 88 となり2の倍数の判定法がヒットする: 858=2×429858=2\times 429

次に各桁の和が 4+2+9=154+2+9=15 で3の倍数の判定法がヒットする: 858=2×3×143858=2\times 3\times 143

最後に 14+3=01-4+3=0 となり11の倍数の判定法がヒットする: 858=2×3×11×13858=2\times 3\times 11\times 13

このように倍数の判定法が続々とヒットすればラッキーですが,2047=23×892047=23\times 89 のように倍数の判定法がヒットしない合成数は素因数分解するのが大変ですね(20472047 年の受験生は注意)。

倍数の判定法の証明

倍数の判定法を証明していきます。以下,変数はいずれも整数とします。

A=Nq+BA=Nq+B のとき AANN の倍数     \iffBBNN の倍数

という重要な考え方を使います。関連:合同式の意味とよく使う6つの性質

与えられた数 AABB ができるだけ簡単になるような Nq+BNq+B という形にします。AANN の倍数かどうかは BBNN の倍数かどうかで判定できるわけです。

倍数の判定法の証明の準備

簡単のため5桁の整数の場合について証明する。一般の数についても全く同様。10進法で abcdeabcde と表される数字 AA は,

A=10000a+1000b+100c+10d+eA=10000a+1000b+100c+10d+e である。

2の倍数の判定法の証明

A=2(5000a+500b+50c+5d)+eA=2(5000a+500b+50c+5d)+e

より ee が2の倍数か判定すればよい。

3の倍数

A=3(3333a+333b+33c+3d)+a+b+c+d+eA=3(3333a+333b+33c+3d)+a+b+c+d+e

より各桁の和 a+b+c+d+ea+b+c+d+e が3の倍数か判定すればよい。

4の倍数

A=4(2500a+250b+25c)+10d+eA=4(2500a+250b+25c)+10d+e

より下二桁 10d+e10d+e が4の倍数か判定すればよい。

5の倍数

A=5(2000a+200b+20c+2d)+eA=5(2000a+200b+20c+2d)+e

より ee が5の倍数か判定すればよい。

8の倍数

A=8(1250a+125b)+100c+10d+eA=8(1250a+125b)+100c+10d+e

より下三桁 100c+10d+e100c+10d+e が8の倍数か判定すればよい。

9の倍数

A=9(1111a+111b+11c+d)+a+b+c+d+eA=9(1111a+111b+11c+d)+a+b+c+d+e

より各桁の和 a+b+c+d+ea+b+c+d+e が9の倍数か判定すればよい。

10の倍数

A=10(1000a+100b+10c+d)+eA=10(1000a+100b+10c+d)+e

より ee が10の倍数か判定すればよい。

11の倍数

A=11(909a+91b+9c+d)+ab+cd+eA=11(909a+91b+9c+d)+a-b+c-d+e

より ab+cd+ea-b+c-d+e が11の倍数か判定すればよい。

7の倍数について

7の倍数の判定法も上記の考え方で作れます:

例えば5桁の場合,

A=7(1429a+143b+14c+d)+(3ab+2c+3d+e)A=7(1429a+143b+14c+d)+(-3a-b+2c+3d+e)

後ろの部分がきれいになりません。

ちなみに 10k10^k を7で割った余りは 1,3,2,1,3,21,3,2,-1,-3,-2 を繰り返します。

他にもいろいろ工夫は考えられますが,7の倍数の判定法を覚える必要はありません。迷う前に筆算すればよいと思います。

2047年までこのサイトが続くといいなあ。

Tag:数学Aの教科書に載っている公式の解説一覧

  1. 高校数学の美しい物語
  2. 倍数の判定法(2から12)とその証明一覧