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三角関数と指数関数の積の積分を一発で求める公式

更新日時 2021/03/07

三角関数と指数関数の積の積分は部分積分を2回行って求めるのが定石ですが,計算量も多くミスしやすいので,公式として覚えておくとスピードアップや検算に役立ちます:

eaxcosbxdx=eaxa2+b2(acosbx+bsinbx)+C\displaystyle\int e^{ax}\cos bxdx=\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\cos bx+b \sin bx)+C

eaxsinbxdx=eaxa2+b2(asinbxbcosbx)+C\displaystyle\int e^{ax}\sin bxdx=\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}(a\sin bx-b \cos bx)+C

公式の証明は以下の2つのどちらの方法でも簡単にできます:

(i)左辺を定石どおり2回部分積分して頑張って計算する

(ii)右辺を微分して左辺になることを示す

ただし,普通に証明しても面白くないのでこの記事では,三角関数と指数関数を統一的に議論するための道具である複素指数関数とオイラーの公式を用いて2つの公式を同時に示します。

目次
  • 複素指数関数を用いたエレガントな証明

複素指数関数を用いたエレガントな証明

証明

オイラーの公式から以下の式が成立する:

e(ax+bxi)dx=eaxcosbxdx+ieaxsinbxdx()\displaystyle\int e^{(ax+bxi)}dx=\displaystyle\int e^{ax}\cos bxdx+i\int e^{ax}\sin bxdx\cdots(*)

実部と虚部にそれぞれ公式の左辺が出現していることに注意。

一方,複素指数関数の積分公式から,

e(ax+bxi)dx=e(ax+bxi)a+bi+C\displaystyle\int e^{(ax+bxi)}dx=\dfrac{e^{(ax+bxi)}}{a+bi}+C

この右辺第一項にオイラーの公式を用い,分母分子に abia-bi をかける:

e(ax+bxi)a+bi=eax(abi)(cosbx+isinbx)a2+b2=eaxa2+b2{(acosbx+bsinbx)+i(asinbxbcosbx)}\dfrac{e^{(ax+bxi)}}{a+bi}\\ =\dfrac{e^{ax}(a-bi)(\cos bx +i\sin bx)}{a^2+b^2}\\ =\dfrac{e^{ax}}{a^2+b^2}\{(a\cos bx +b\sin bx)+i(a\sin bx-b \cos bx)\}

上式と ()(*) の実部と虚部をそれぞれ比較すると求める公式を得る。

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