ステップ1
f(x)=∂s∂ζ(s,x) ∣∣s=0−logΓ(x) とおく。
今この式を2回微分すると,
f′′(x)=∂x2∂2∂s∂ζ(s,x)∣∣s=0−dx2d2logΓ(x)
である。
ここでそれぞれの式を計算していく。
1項目
ζ(s,x) は C∞ 級であるため,x から微分してよい。(→ ゼータ関数は正則関数となるため,無限回微分可能になる。)
∂x∂ζ(s,x)∂x2∂2ζ(s,x)=−sn=0∑∞(n+x)−s−1=−sζ(s+1,x)=s(s+1)n=0∑∞(n+x)−s−2=s(s+1)ζ(s+2,x)
これの式を s で微分して
∂x2∂2∂s∂ζ(s,x)∣∣s=0=(2s+1)ζ(s+2,x)+s(s+1)∂s∂ζ(s+2,x)∣∣s=0=ζ(2,x)=n=0∑∞(n+x)−2
となる。
2項目
ディガンマ関数 Ψ(x)=dxdlogΓ(x) の級数表示
Ψ(x)=n→∞lim(logn−k=0∑nx+k1)
を用いると
dx2d2logΓ(x)=dxdΨ(x)=−dxdn=0∑∞(x+n)1=n=0∑∞(x+n)21
となる。
こうして f′′(x)=0 とわかる。
ステップ2
微分方程式を解くと
f(x)=ax+b
と表されることがわかる。
- a=0 を示す
f(x+1)=f(x)を示す。
これが示されたら,a=0が従う。
ζ(s,x+1)=n=0∑∞(n+x+1)−s=n=1∑∞(n+x)−s=ζ(s,x)−x−s
であるため,
f(x+1)=∂s∂ζ(s,x+1) ∣∣s=0−logΓ(x+1)=∂s∂(ζ(s,x)−x−s)∣∣s=0−logxΓ(x)=∂s∂ζ(s,x)∣∣s=0+xslogx∣s=0−logΓ(x)−logx=∂s∂ζ(s,x)∣∣s=0−logΓ(x)=f(x)
- b=−21log(2π) を示す
x=21 を代入して定数を確定させる。
ζ(s,21)=n=0∑∞(n+21)−s=2sn=0∑∞(2n+1)−s=2s{n=1∑∞n−s−n=1∑∞(2n)−s}=2s(1−2−s)ζ(s)=(2s−1)ζ(s)
であるため,
∂s∂ζ(s,x) ∣∣s=0=∂s∂(2s−1)ζ(s)∣∣s=0=2slog2ζ(s)+(2s−1)∂s∂ζ(s)∣∣s=0=log2ζ(0)=−21log2
となる。
ここで ζ(0)=−21 という式を用いた。
ガンマ関数については既に計算した通り,Γ(21)=πである。
こうして,
f(21)=−21log2−21logπ=−21log(2π)
が成立し,
∂s∂ζ(s,x) ∣∣s=0−logΓ(x)=−21log(2π)
となる。
すなわち,
exp(∂s∂ζ(s,x) ∣∣s=0)=2πΓ(x)
が示された。