公式
ψ(z)=n→∞lim(logn−k=0∑nz+k1)
ガンマ関数の無限積
n→∞limx(x+1)(x+2)⋯(x+n)nxn!
を用いてディガンマ関数を計算してみましょう。
証明
logΓ(z)=n→∞lim(zlogn+k=1∑nlogk−k=0∑nlog(z+k))
となる。
両辺を微分することで
dzdlogΓ(z)=n→∞lim(logn−k=0∑nz+k1)
を得る。
ガンマ関数の無限積表示はもう1つあります。これを用いると次が得られます。導出は同様にできるので是非やってみてください。
公式~別バージョン
ψ(z)=−γ−z1+n→∞limk=1∑n(k1−z+k1)
特殊値の計算
ψ(1)
さきほどのこの公式で z=1 とすると,
ψ(1)=n→∞lim(logn−k=1∑nk1)
となります。これはオイラーの定数(のマイナス) −γ そのものです。
こうして特殊値 ψ(1)=−γ が成立します。
ψ(21)
次は z=21 を代入しましょう。
計算
logn−k=0∑n21+k1=logn−k=1∑nk1+k=1∑n2k2−k=1∑n2k+12
と整理される。
前半と後半に分けて計算する。
前半
n→∞lim(logn−k=1∑nk1)=−γ
後半
log2に収束する交代級数の証明 を用いる。
n→∞lim(k=1∑n2k2−k=1∑n2k+12)=n→∞lim2k=1∑2n+1k(−1)k+1=−2log2
以上をまとめて
ψ(21)=−γ−2log2
となる。