素数の無限性の証明
オイラー積表示に s=1 を代入しましょう。
このとき
n=1∑∞n1=p∏1−p11
と得られます。
もし素数が有限個しか存在しないと仮定すると,右辺は有限個の積なので有限値です。
一方左辺は無限大に発散します。
よって,矛盾が生じ,素数が有限個しかないという仮定は間違っていたことがわかります。
このようにオイラー積表示によって素数が無限個あることが証明できます。
メビウス関数との関連
メビウス関数 → メビウスの反転公式の証明と応用 とは
μ(n)=⎩⎨⎧10(−1)k(n=1)(n が p2 で割り切れるとき)(n が k 個の異なる素数の積)
という関数です。
n=1∑∞nsμ(n)=p∏(1−ps1)=ζ(s)1
と表すことができる。
証明
n=1∑∞nsμ(n)=1s1−2s1−3s1−5s1+6s1+⋯=(1−2s1)(1−3s1)⋯=p∏(1−ps1)
ウォリス積との類似
ζ(2) のオイラー積を観察してみましょう。
1−p211=(p−1)(p+1)p⋅p
となるため
1⋅32⋅2×2⋅43⋅3×4⋅65⋅5×⋯=6π2
が得られます。
これはウォリス積
1⋅32⋅2×3⋅54⋅4×5⋅76⋅6×⋯=2π
とよく似た形になっています。