下図の正七角形 ABCDEFG を考えましょう。
2つのステップに分けて計算をしていきます。
相似な二等辺三角形を作る
直線 BC と直線 DE の交点を H とおきます。
下図の青い三角形と赤い三角形は相似になります。
証明
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青い三角形が二等辺三角形であること
AD,AE はどちらも長い方の対角線であるため,△AED は二等辺三角形である。
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赤い三角形が二等辺三角形であること
正多角形の外角は等しいため
∠HCD=∠HDC=7360∘
となる。
よって
∠BHD=180∘−2×7360∘=7540∘
となる。
ここで △BCD が二等辺三角形であることに注意すると,2∠BDC=∠HCD である。
ゆえに
∠BDH=7180∘+7360∘=7540∘=∠BHD
となる。つまり △BDH は二等辺三角形である。
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2つの三角形が相似であること
円周角の定理を用いると ∠EAD=∠DBH である。
それぞれ二等辺三角形であるため
DAEA=HBDB(=1)
である。
二辺比挟角相当より △AED と △BDH は相似になる。
相似比から計算する
相似比を見ると
AEDE=BDHD⋯(∗)
となります。
それぞれの辺の長さは,DE=a,AE=c,BD=b となります。
また,
DH=CH=BH−BC=BD−BC =b−a(△HCD は二等辺三角形)(△BDH は二等辺三角形)
と計算されます。
(∗) に代入して
ca=bb−a,つまり ca=1−ba を得ます。
両辺を a で割って
a1=b1+c1
が得られました。
今回紹介した等式の証明が灘高校や開成高校の入試問題として登場したこともあります。