調和級数1+1/2+1/3...が発散することの3通りの証明
をどんどん足していくと無限大に発散する,という有名な公式です。
調和級数
証明1.不等式で下からおさえる方法
証明2.指数関数を用いる方法
証明3.積分を用いる方法
調和級数
という無限和のことを 調和級数と言うことがあります。
調和級数は無限大に発散します。調和級数を背景とする入試問題もたまに出題されます。
このページでは,調和級数が無限大に発散することの3通りの証明を紹介します。
証明1.不等式で下からおさえる方法
おそらく一番有名な方法です。面白い式変形です。
この変形を一般化すると,以下の不等式が得られる:
とすると右辺は発散するので左辺も発散する。
以上から題意は証明された。
証明2.指数関数を用いる方法
指数関数の有名不等式 を用いた方法もあります。(→指数関数のマクローリン型不等式)
Honsbergerによって発見された証明です。
よって,
とすると右辺は発散するので左辺も発散する。
ちなみに,証明で用いた不等式の差の極限は収束することが知られており,その収束先を オイラー定数といいます。
オイラー定数:
ただし,最後の等号は
より成り立つ。
証明3.積分を用いる方法
無限級数の評価で積分を用いるのは定石です。
右の図より,
となり方法2で導いたものと同じ不等式が得られる。
ちなみに,図の赤い部分において よりも上側にはみ出た部分の面積を足し上げていくとオイラー定数になります。この図からオイラー定数が0.5より大きくて1よりも小さいことが分かります。
ちなみに,分数を交互に足し引きして としたものは交代級数と呼ばれ,その値は に収束することが知られています。 →log2に収束する交代級数の証明
小学生でも意味が分かる奥深い問題だからこそおもしろいです。
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