無限和,無限積の美しい公式まとめ

無限和無限積に関して高校数学で理解できる美しい公式を整理しました。それぞれ詳細はリンク先を参照してください。

無限和の公式

  • 無限等比級数 a+ar+ar2+ar3+=a1ra+ar+ar^2+ar^3+\cdots=\dfrac{a}{1-r} ただし,1<r<1-1<r<1 とします。教科書に載っている重要公式です。
    →無限等比級数の収束,発散の条件と証明など

  • 調和級数: 1+12+13+14+=1+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{4}+\cdots=\infty 調和級数が発散することはいろいろな方法で証明できます。
    →調和級数1+1/2+1/3…が発散することの証明

  • ニュートン・メルカトル級数: 112+1314+=log21-\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}-\dfrac{1}{4}+\cdots=\log 2 全部足すと発散しましたが,交互に足し引きすると収束します。交代級数の式変形のテクニックがおもしろいです。
    →log2に収束する交代級数の証明

  • グレゴリー・ライプニッツ級数: 113+1517+=π41-\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{5}-\dfrac{1}{7}+\cdots =\dfrac{\pi}{4} 円周率が登場するのがおもしろいです。
    →グレゴリー・ライプニッツ級数の2通りの証明

  • バーゼル問題: 1+122+132+142+=π261+\dfrac{1}{2^2}+\dfrac{1}{3^2}+\dfrac{1}{4^2}+\cdots=\dfrac{\pi^2}{6} かなり難しいですが高校数学で ζ(2)\zeta(2) が求まります。
    →バーゼル問題の初等的な証明

  • 素数の逆数和: 12+13+15+17+=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{5}+\dfrac{1}{7}+\cdots =\infty 平方数の逆数和は収束しましたが,素数の逆数和は発散します!
    →素数の逆数和が発散することの証明

級数に関する一般論

無限積の公式

  • オイラーの公式: cosx2cosx4cosx8cosx16=sinxx\cos\dfrac{x}{2}\cos\dfrac{x}{4}\cos\dfrac{x}{8}\cos\dfrac{x}{16}\cdots=\dfrac{\sin x}{x}

  • ヴィエトの無限積: 222+222+2+22=2π\dfrac{\sqrt{2}}{2}\dfrac{\sqrt{2+\sqrt{2}}}{2}\dfrac{\sqrt{2+\sqrt{2+\sqrt{2}}}}{2}\cdots=\dfrac{2}{\pi} サインの倍角公式を繰り返し用いて得られる美しい公式です。 オイラーの公式と合わせて以下の記事で解説しています。
    →ヴィエトの無限積の公式

  • ウォリスの公式: 2213×4435×6657×=π2\dfrac{2\cdot 2}{1\cdot 3}\times\dfrac{4\cdot 4}{3\cdot 5}\times\dfrac{6\cdot 6}{5\cdot 7}\times\cdots=\dfrac{\pi}{2} サインの nn 乗の積分公式から得られる公式です。スターリングの公式の証明でも活躍します。
    →ウォリスの公式とその2通りの証明

  • スターリングの公式: n!2πn(ne)nn!\fallingdotseq\sqrt{2\pi n}\left(\dfrac{n}{e}\right)^n 階乗で nn が無限大に発散する場合の近似公式です。大学数学でも様々な場面でお世話になる公式です。
    →スターリングの公式とその証明

  • オイラー積表示: i=1nk=01pik=k=11k\displaystyle\prod_{i=1}^n\sum_{k=0}^{\infty}\dfrac{1}{p_i^k}=\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k} 以下の記事の4つ目の証明で活躍します。
    →素数が無限にあることの4通りの証明

積は対数を取ると和になり,和は指数の肩に乗っけると積になるので無限積を無限和は本質的に同じです。しかし,どちらの表記の方がスッキリしているかは公式によります。