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グレゴリーライプニッツ級数の2通りの証明

更新日時 2021/03/07

グレゴリーライプニッツ級数:

k=1(1)k12k1=113+1517=π4\displaystyle\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{(-1)^{k-1}}{2k-1}=1-\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{5}-\dfrac{1}{7}\cdots=\dfrac{\pi}{4}

入試でもしばしば出題される非常に有名な無限級数です。メルカトル級数の次に有名な交代級数です。

目次
  • ライプニッツ級数

  • ライプニッツ級数の証明1

  • ライプニッツ級数の証明2

ライプニッツ級数

  • 右辺の無限級数を途中でうち切ったものを計算すれば円周率の近似値を求めることが出来ます(収束が非常に遅いので実際は他の公式が用いられています)。
  • https://mathtrain.jp/arctanexpandを用いてそれっぽい式を導出することもできますが,マクローリン展開は高校範囲でない上にこの方法では厳密な証明にはなりません。以下ではきちんとした証明を2通り紹介します。
  • 入試でライプニッツ級数の証明を求められるときは誘導がついています。たいてい(というか必ず?)以下の2つのいずれかの方法です。

ライプニッツ級数の証明1

方針:積分を用います。 01x2kdx=12k+1\displaystyle\int_0^1 x^{2k}dx=\dfrac{1}{2k+1} であることから強引に右辺を作り出します。

証明

fn(x)=11+x2{1x2+x4+(1)n1x2n2}f_n(x)=\dfrac{1}{1+x^2}-\{1-x^2+x^4-\cdots+(-1)^{n-1}x^{2n-2}\}

とおくと等比数列の公式より,

fn(x)=11+x2{1(x2)n1+x2}=(1)nx2n1+x2f_n(x)=\dfrac{1}{1+x^2}-\left\{\dfrac{1-(-x^2)^{n}}{1+x^2}\right\}=\dfrac{(-1)^nx^{2n}}{1+x^2}

これは nn が十分大きいと 0x<10\leq x < 100 に近づくことに注意すると,

01fn(x)dx01fn(x)dx<01x2ndx=12n+1\left|\displaystyle\int_0^1 f_n(x)dx\right|\leq\displaystyle\int_0^1 |f_n(x)|dx\\ <\displaystyle\int_0^1 x^{2n}dx\\ =\dfrac{1}{2n+1}

よってはさみうちの原理より

limn01fn(x)dx=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}\int_0^1 f_n(x)dx=0

一方,01fn(x)dx\displaystyle\int_0^1f_n(x)dx を直接計算すると,

第一項は x=tanθx=\tan\theta と置換することにより,

0111+x2dx=0π4dθ=π4\displaystyle\int_0^1\dfrac{1}{1+x^2}dx=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{4}}d\theta=\dfrac{\pi}{4}

後ろの項(カッコの中)は

k=1n(1)k12k1\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\dfrac{(-1)^{k-1}}{2k-1}

以上から,

limn{π4k=1n(1)k12k1}=0\displaystyle\lim_{n\to\infty} \left\{\dfrac{\pi}{4}-\sum_{k=1}^n\dfrac{(-1)^{k-1}}{2k-1}\right\}=0

となり π4\dfrac{\pi}{4} に収束することが証明された。

ライプニッツ級数の証明2

方針: tan2n\tan^{2n} の積分に関して漸化式を立てると右辺の各項 12n1\dfrac{1}{2n-1} が出現してくれます。

証明

In=0π4tan2nxdxI_n=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{4}}\tan^{2n}xdx とおくと,

In+1=0π4(1cos2x1)(tan2nx)dx=12n+1InI_{n+1}=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{4}}\left(\dfrac{1}{\cos^2x}-1\right)(\tan^{2n}x)dx\\ =\dfrac{1}{2n+1}-I_n

よって,

k=1n(1)k12k1=k=1n(1)k1(Ik+Ik1)=(1)n1In+I0=(1)n1In+π4\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\dfrac{(-1)^{k-1}}{2k-1}\\ =\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(-1)^{k-1}(I_{k}+I_{k-1})\\ =(-1)^{n-1}I_{n}+I_{0}\\ =(-1)^{n-1}I_{n}+\dfrac{\pi}{4}

よって,あとは limnIn=0\displaystyle\lim_{n\to\infty}I_{n}=0 を示せばよい。

これは,0In12n+10 \leq I_n \leq \dfrac{1}{2n+1}

(右側の不等式は In+10I_{n+1} \geq 0InI_n の漸化式から成立)

とハサミ打ちの原理より成立。

15世紀には発見されていた公式らしいです。

Tag:無限和,無限積の美しい公式まとめ

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