二次方程式の解の公式の3通りの証明

更新日時 2022/07/09

二次方程式の解の公式

二次方程式の解の公式の意味・例題・3通りの証明を紹介します。

目次
  • 解の公式について

  • 証明

  • 練習問題

  • 応用・補足

解の公式について

二次方程式の解の公式

ax2+bx+c=0(a0)ax^2+bx+c=0\:(a\neq 0) の解は,

x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

解の公式を使えばどのような二次方程式でも解けます。非常に強力な公式です。

例題1

2x2+3x4=02x^2+3x-4=0 を解け。

解答

解の公式で a=2,b=3,c=4a=2,b=3,c=-4 とすると,

x=3±324×2×(4)2×2=3±9+324=3±414x=\dfrac{-3\pm\sqrt{3^2-4\times 2\times (-4)}}{2\times 2}\\ =\dfrac{-3\pm\sqrt{9+32}}{4}\\ =\dfrac{-3\pm\sqrt{41}}{4}

証明

解の公式の証明を3通り紹介します。

平方完成による証明

証明1

ax2+bx+c=0ax^2+bx+c=0 の左辺を平方完成していく。

a(x2+bax)+c=0a\left(x^2+\dfrac{b}{a}x\right)+c=0

a(x2+bax+b24a2)b24a+c=0a\left(x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{b^2}{4a^2}\right)-\dfrac{b^2}{4a}+c=0

a(x+b2a)2=b24aca\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2=\dfrac{b^2}{4a}-c

右辺を通分して両辺を aa で割る:
(x+b2a)2=b24ac4a2\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2=\dfrac{b^2-4ac}{4a^2}

両辺のルートを取る:
x+b2a=±b24ac2ax+\dfrac{b}{2a}=\pm \dfrac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

b2a\dfrac{b}{2a} を移項する:
x=b±b24ac2ax=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

代入による証明

解の公式を導出するというよりも「解の公式を知っているもとでその正しさを証明する」という天下り的な証明です。

証明2
  • 二次方程式の解は(重解は二つとカウントすると)必ず二つである。→代数学の基本定理とその初等的な証明
  • b±b24ac2a\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} は確かに二次方程式の解である(以下のように代入によって簡単に確認できる)。

a(b±b24ac2a)2+b(b±b24ac2a)+c=b22bb24ac+b24ac4a+b2b±2b24ac4a+4ac4a=0a\left(\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\right)^2+b\left(\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\right)+c\\ =\dfrac{b^2\mp 2b\sqrt{b^2-4ac}+b^2-4ac}{4a}\\+b\dfrac{-2b\pm 2\sqrt{b^2-4ac}}{4a}+\dfrac{4ac}{4a}\\ =0

和と積の計算による公式の導出

こちらも証明2と同じく解の公式を天下り的に証明する方法です。

証明3

α=b+b24ac2a,β=bb24ac2a\alpha=\dfrac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a},\beta=\dfrac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}

とおく。このとき簡単な計算により,

α+β=ba,αβ=ca\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a},\alpha\beta=\dfrac{c}{a}

が分かる。

ax2+bx+c=a(xα)(xβ)ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)
が恒等式であることを証明すればよい。

そこで,各次数の係数を調べる。

  • 二次の係数:両辺ともに aa
  • 一次の係数:左辺は bb,右辺はa(α+β)=a(ba)=b-a(\alpha+\beta)=-a\cdot (-\dfrac{b}{a})=b
  • 定数項:左辺は cc,右辺は aαβ=aca=ca\alpha\beta=a\cdot \dfrac{c}{a}=c

ここで求めた α+β=ba\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a}αβ=ca\alpha \beta=\dfrac{c}{a} は解と係数の関係と呼ばれ,二次方程式の問題ではよく使うことになります。詳しくは 二次方程式における解と係数の関係 をご覧ください。

練習問題

問題1

2x27x+5=02x^2 -7x + 5=0 の解を求めよ。

解答

a=2,b=7,c=5a=2, b=-7, c=5 であるから,解の公式にしたがって

x=(7)±(7)242522=7±94=52,1 x= \dfrac{-(-7) \pm \sqrt{(-7)^2 - 4 \cdot 2 \cdot 5}}{2 \cdot 2} \\ = \dfrac{7 \pm \sqrt{9}}{4} \\ = \dfrac{5}{2}, 1

例題2

x2+x+1=0x^2 +x + 1=0 の解を求めよ。

解答

a=b=c=1a=b=c=1 であるから,解の公式にしたがって

x=1±1241121=1±3i2 x= \dfrac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 4 \cdot 1 \cdot 1}}{2 \cdot 1} \\ = \dfrac{-1 \pm \sqrt{3}i}{2} \\

判別式 D=b24ac<0D = b^2 - 4ac <0 となっている場合です。

なお,この方程式 x2+x+1=0x^2 +x +1=0 は1の3乗根と密接に関わっている面白い方程式です。詳しくは 1の三乗根オメガを用いた計算と因数分解 をご覧ください。

応用・補足

一次の項の係数が偶数のときの解の公式

二次方程式において一次の項の係数が偶数のとき,解の公式はよりシンプルになります。

二次方程式の解の公式2

ax2+2bx+c=0(a0)ax^2+2b'x+c=0\:(a \neq 0) の解は,

x=b±b2acax=\dfrac{-b' \pm \sqrt{b'^2-ac}}{a}

二次方程式の解の公式で b=2bb=2b' とするとこの公式が得られます。

解の公式の覚え方

特に語呂などはありません。二次方程式の解の公式の1番強力な覚え方は,たくさん問題を解くことです。

最初のうちは公式を見ながらでも良いので,解の公式を使う問題を数多くこなしていくことで,自然と覚えられます。

知っている公式の別証明から学ぶことも多々あります。

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