平方完成のやり方といくつかの発展形

更新日時 2022/06/01
平方完成とは

ax2+bx+cax^2+bx+ca(xp)2+qa(x-p)^2+q と変形することを平方完成と言う。

平方完成

平方完成は,二次方程式の解の公式の導出や,二次関数のグラフを描くときに使う重要な式変形です。

平方完成のやり方を基礎から説明します。

目次
  • 平方完成の意味とやり方

  • 分数が登場するパターン

  • aa がマイナスのパターン

  • 二次関数への応用:グラフとの関係

  • 発展形1:立方完成(立体完成)

  • 発展形2:四次式を平方完成する

平方完成の意味とやり方

平方完成とは

二次式 ax2+bx+cax^2+bx+c が与えられたときにうまいこと p,qp,q を選んで a(xp)2+qa(x-p)^2+q の形に変形することを平方完成と言います。

例題1

x2+2x+3x^2+2x+3 を平方完成せよ。

解答

x2+2x+3=(x+1)2+2x^2+2x+3=(x+1)^2+2

右辺から左辺への変形は展開するだけですが,今回は左辺から右辺への変形が目標です。

平方完成の仕方

平方完成するには p,qp,q を決めればOKです。流れとしては「pp を決める→ qq を決める」です。

平方完成のやり方
  1. x2x^2 の係数で xx を含む項をくくる
  2. xx の係数の半分の2乗を足し引きし,a(xp)2a(x-p)^2 の形を作る (xx の係数を2で割った値が pp となる)
  3. 因数分解して2乗の形を作る
  4. 定数項が一致するように qq を決める

例題を通して平方完成の方法を確認してみましょう。

例題2

2x212x+32x^2-12x+3 を平方完成せよ。

解答例
  1. x2x^2 の係数は2であるから,

2x212x+3=2(x26x)+3 2x^2-12x+3= 2(x^2 - 6x) +3

  1. xx の係数は6であるから,その半分の2乗は 32=93^2 =9。したがって

2x212x+3=2(x26x+99)+3 2x^2-12x+3= 2(x^2 - 6x +9 -9) +3

  1. x26x+9=(x3)2x^2 - 6x +9= (x-3)^2 であるから

2x212x+3=2((x3)29)+3 2x^2-12x+3= 2((x-3)^2 -9) +3

  1. 定数項を計算すると

2(9)+3=15 2(-9) +3 = -15

よって q=15q=-15

以上より,答えは 2x212x+3=2(x3)215 2x^2-12x+3=2(x-3)^2-15

※途中経過は解答に書く必要はありません。平方完成は慣れが重要です,暗算でできるようになりましょう!

※2乗を作る因数分解については,乗法公式(式の展開公式)19個まとめ で詳しく解説しています。

分数が登場するパターン

例題3

2x2+3x+12x^2+3x+1 を平方完成せよ。

解答

右辺の一次の係数が 33 となるように pp を定めると,

2x2+3x+1=2(x+34)2+q2x^2+3x+1=2\left(x+\dfrac{3}{4}\right)^2+q

次に定数項を比較すると 1=98+q1=\dfrac{9}{8}+q より q=18q=-\dfrac{1}{8}

よって,答えは 2x2+3x+1=2(x+34)2182x^2+3x+1=2\left(x+\dfrac{3}{4}\right)^2-\dfrac{1}{8}

aa がマイナスのパターン

例題4

3x2+5x-3x^2+5x を平方完成せよ。

解答

方針は全く同じ。まず pp を決める:

3x2+5x=3(x56)2+q-3x^2+5x=-3\left(x-\dfrac{5}{6}\right)^2+q

(一次の係数は 5=3(256)5=-3\left(-2\cdot\dfrac{5}{6}\right) となり一致している!)

次に 0=2512+q0=-\dfrac{25}{12}+q より q=2512q=\dfrac{25}{12}

3x2+5x=3(x56)2+2512-3x^2+5x=-3\left(x-\dfrac{5}{6}\right)^2+\dfrac{25}{12}

二次関数への応用:グラフとの関係

二次関数 y=ax2+bx+cy = ax^2 + bx + c を平方完成すると,軸の方程式や頂点の座標が一目でわかるようになります。

二次関数の軸と頂点

二次関数 y=ax2+bx+c=a(xp)2+q y = ax^2 + bx + c = a(x-p)^2 + q について,

  • 軸の方程式:x=px = p
  • 頂点の座標:(x,y)=(p,q)(x,y) = (p,q)

である。

平方完成の二次関数への応用

発展形1:立方完成(立体完成)

平方完成と同様な考え方で三次式の二次の項を消すことを立方完成(または立体完成)と言います。

ax3+bx2+cx+d=a(xp)3+qx+rax^3+bx^2+cx+d=a(x-p)^3+qx+r と変形します。

例題5

x3+3x2x^3+3x^2 を立方完成せよ。

解答

まず二次の係数を見て pp を決める。

x3+3x2=(x+1)3+qx+rx^3+3x^2=(x+1)^3+qx+r

次に一次の項と定数項を調節すると q=3,r=1q=-3,r=-1 を得る:

x3+3x2=(x+1)33x1x^3+3x^2=(x+1)^3-3x-1

応用例:立方完成は三次方程式の解法に用いられます。→カルダノの公式と例題

発展形2:四次式を平方完成する

a>0a > 0 なる四次式を以下のように変形する操作も用いられます。

ax4+bx3+cx2+dx+e=(ax2+px+q)2+rx+sax^4+bx^3+cx^2+dx+e\\ =(\sqrt{a}x^2+px+q)^2+rx+s

例題6

x42x3+1x^4-2x^3+1 を上の形に変形せよ。

解答

(x2+px+q)2+rx+s(x^2+px+q)^2+rx+s と変形できるとする。

まず,三次の項を比較して 2p=22p=-2 より p=1p=-1

さらに二次の項を比較して p2+2q=0p^2+2q=0 より q=12q=-\frac{1}{2}

あとは r,sr,s も調節すると,

x42x3+1=(x2x12)2x+34x^4-2x^3+1=(x^2-x-\frac{1}{2})^2-x+\frac{3}{4} を得る。

ー応用例ー

ところで,なんで平方完成って言うのでしょうか,平方変形とかでいいような気もします。

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