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四次関数の二重接線を素早く求める方法

更新日時 2021/03/07

多くの四次関数には二重接線が存在する。 二重接線は平方完成を用いて簡単に求めることができる。

二重接線とは,とある曲線に相異なる2つの点で接するような直線のことです。複接線と呼ばれることもあります。

目次
  • 例題

  • 普通の解法

  • 平方完成を用いて素早く求める解法

例題

この記事では以下の例題を通じて「普通の解法」と「平方完成を用いて素早く求める解法」を解説します。

例題

四次関数 y=x42x3+1y=x^4-2x^3+1 の二重接線の方程式を求めよ。

四次関数のグラフと増減表

解答の前に,この四次関数のグラフの概形を書いておきます。細かいグラフの書き方は四次関数のグラフの概形と例題2問を参照して下さい。

図のグラフの形から,傾きが負の二重接線が一本引けそうだと分かります。

小技の威力に感動していただくためにも,ぜひこの問題を自力で解いてみてください,けっこう時間がかかってしまう人が多いと思います。

普通の解法

四次関数の二重接線を求める方法はいくつもあります。その中でも重解を用いる有名で比較的楽な方法を解説します。

多項式で表される曲線 y=f(x)y=f(x)y=g(x)y=g(x)x=αx=\alpha で接する

    f(x)g(x)\iff f(x)-g(x)x=αx=\alpha を重解に持つ。

という定理は前提知識として認めます。

考え方は難しくありませんが計算に工夫が必要です。

解答

題意の四次関数と y=Ax+By=Ax+Bx=α,βx=\alpha,\:\beta で接するとき,

x42x3+1AxB=(xα)2(xβ)2x^4-2x^3+1-Ax-B=(x-\alpha)^2(x-\beta)^2

となる。あとはこれを展開して係数比較して A,BA,B を求めればよい。

上式の右辺は

x42(α+β)x3+(α2+4αβ+β2)x22αβ(α+β)x+α2β2x^4-2(\alpha+\beta)x^3+(\alpha^2+4\alpha\beta+\beta^2)x^2-2\alpha\beta(\alpha+\beta)x+\alpha^2\beta^2

となる。まず,x3x^3x2x^2 の係数を比較すると,

2=2(α+β)-2=-2(\alpha+\beta)

0=α2+4αβ+β20=\alpha^2+4\alpha\beta+\beta^2

以上二つの式より α+β=1,αβ=12\alpha+\beta=1,\:\alpha\beta=-\dfrac{1}{2} となる。(ここで α\alphaβ\beta を求めにいく必要はない)

二重接線の方程式

次に,xx の項と定数項を比較すると,

A=2αβ(α+β)=2(12)1=1-A=-2\alpha\beta(\alpha+\beta)\\=-2\cdot (-\dfrac{1}{2})\cdot 1=1

1B=α2β2=141-B=\alpha^2\beta^2=\dfrac{1}{4}

以上より求める二重接線の方程式は y=x+34y=-x+\dfrac{3}{4}

グラフと照らしあわせても納得の答えですね。計算をけっこう工夫しましたが,それでもこれくらいの計算量にはなってしまいます。

平方完成を用いて素早く求める解法

平方完成を用いるともっと楽に計算できます!

別解

x42x3+1x^4-2x^3+1 を(二次式の二乗+1次関数)となるように変形する(→平方完成のやり方といくつかの発展形の例題6)と,

(x2x12)2x+34(x^2-x-\dfrac{1}{2})^2-x+\dfrac{3}{4}

ここで,x2x12x^2-x-\dfrac{1}{2} の判別式は正であり相異なる実数解を二つもつのでそれを α,β\alpha,\beta とおくと,

x42x3+1(x+34)=(xα)2(xβ)2x^4-2x^3+1-(-x+\dfrac{3}{4})=(x-\alpha)^2(x-\beta)^2

となる。よって求める二重接線の方程式は y=x+34y=-x+\dfrac{3}{4}

実はこの小技,昨日友人に教えてもらいました。けっこう感動しました!

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