点と平面の距離公式と例題・2通りの証明

更新日時 2022/01/21
点と平面の距離公式

点と平面の距離

平面 ax+by+cz+d=0ax+by+cz+d=0 と点 (x0,y0,z0)(x_0,y_0,z_0) との距離は,

ax0+by0+cz0+da2+b2+c2\dfrac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}

点と平面の距離公式について,意味・例題・証明を整理しました。

目次
  • 点と平面の距離公式の使用例

  • 2次元の場合との比較

  • 点と平面の距離公式の証明1

  • 点と平面の距離公式の証明2

点と平面の距離公式の使用例

  • xyzxyz 座標空間において,
    ax+by+cz+d=0ax+by+cz+d=0 という式は平面を表します。→平面の方程式とその3通りの求め方

  • この平面と点の距離を計算する公式が
    ax0+by0+cz0+da2+b2+c2\dfrac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}} です。

  • ただし「平面と点 AA の距離」とは,AA から平面におろした垂線の長さのことです。

点と平面の距離の例

(2,0,3)(2,0,3) と平面 5xy+2z+1=05x-y+2z+1=0 の距離は,

520+23+152+(1)2+22=1730\dfrac{|5\cdot 2-0+2\cdot 3+1|}{\sqrt{5^2+(-1)^2+2^2}}=\dfrac{17}{\sqrt{30}}

2次元の場合との比較

  • xyxy 座標平面において,ax+by+c=0ax+by+c=0 は直線を表します。この直線と (x0,y0)(x_0,y_0) の距離は ax0+by0+ca2+b2\dfrac{|ax_0+by_0+c|}{\sqrt{a^2+b^2}} です。点と直線の距離公式です。

  • 3次元の場合の「点と平面の距離公式」ax0+by0+cz0+da2+b2+c2\dfrac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}} ととても似ていますね。

というわけで,点と直線の距離公式の3通りの証明を理解していれば,点と平面の距離公式の証明も簡単です。2次元が理解できていれば3次元も簡単というわけです。

より具体的に言うと,点と平面の距離公式の証明は,2次元の場合の証明(3通りいずれでも)をそのまま3次元に拡張するだけでできます。

  • 証明1の3次元への拡張は簡潔で有名なので解説します。
  • 証明2については拡張の際に面積を求める部分で工夫が必要になり面白いので解説します。
  • 証明3については2次元の場合と全く変わらないので省略します。

点と平面の距離公式の証明1

以下では点 A(x0,y0,z0)A(x_0,y_0,z_0) から平面 p0:ax+by+cz+d=0p_0:ax+by+cz+d=0 に下ろした垂線の足を HH とします。

前提知識として,平面 p0p_0 と垂直なベクトル(法線ベクトル)として (a,b,c)(a,b,c) が取れることを使います。→平面の方程式とその3通りの求め方

証明

点と平面の距離公式

点から平面におろした垂線の足 HH の座標を (X,Y,Z)(X,Y,Z) とおく。AHundefined\overrightarrow{AH}p0p_0 の法線ベクトルと平行なので実数 tt を用いて,

(x0X,y0Y,z0Z)=t(a,b,c)(x_0-X, y_0-Y, z_0-Z)=t(a, b, c)

と表せる。あとは,HHll 上にある条件: aX+bY+cZ+d=0aX+bY+cZ+d=0 を用いて tt を求めればよい。

上式の両辺に対して (a,b,c)(a,b,c) との内積を取ると,aXbYcZ=d-aX-bY-cZ=d より,

ax0+by0+cz0+d=t(a2+b2+c2)ax_0+by_0+cz_0+d=t(a^2+b^2+c^2)

となる。

a2+b2+c20a^2+b^2+c^2\neq 0 なので,
t=ax0+by0+cz0+da2+b2+c2t=\dfrac{ax_0+by_0+cz_0+d}{a^2+b^2+c^2}

よって,AHAH の長さ,すなわち t(a,b,c)t(a,b,c) の長さは,

ta2+b2+c2=ax0+by0+cz0+da2+b2+c2|t|\sqrt{a^2+b^2+c^2}=\dfrac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}

となり点と平面の距離公式が導出できた。

点と平面の距離公式の証明2

四面体の体積を二通りの方法で表します。

ヘロンの公式を応用する部分以外は二次元の場合と全く同じです。計算はやや大変で省略している部分もあるので,難しければ二次元の場合で確認してみてください。

証明

a=0a=0 のとき,点と直線の距離公式より成立。 b=0,c=0b=0,\:c=0 のときも同様。以下 a,b,ca,\:b,\:c が全て 00 でない場合を考える。

AA を通り xx 軸,yy 軸,zz 軸に平行な直線と平面 p0p_0 の交点をそれぞれ P,Q,RP,Q,R とおく。

PA=p,QA=q,RA=rPA=p,\:QA=q,\:RA=r とおくと,PQ=p2+q2,QR=q2+r2,RP=r2+p2PQ=\sqrt{p^2+q^2},\:QR=\sqrt{q^2+r^2},\:RP=\sqrt{r^2+p^2} である。

求めたい距離を DD とおくと,四面体 PQRAPQRA の体積を二通りの方法で表すことにより,

16pqr=13DS\dfrac{1}{6}pqr=\dfrac{1}{3}DS

ただし,SS は三角形 PQRPQR の面積。

次に,SSp,q,rp,\:q,\:r で表す。

ヘロンの公式の変形版(ヘロンの公式の下部参照)より,三辺の長さが A,B,CA,\:B,\:C である三角形の面積 SS

16S2=2(A2B2+B2C2+C2A2)(A4+B4+C4)16S^2=2(A^2B^2+B^2C^2+C^2A^2)-(A^4+B^4+C^4)

を満たすので,これに PQ,QR,QPPQ,\:QR,\:QP の式を代入して整理すると,

S=12p2q2+q2r2+r2p2S=\dfrac{1}{2}\sqrt{p^2q^2+q^2r^2+r^2p^2} となる。

よって,D=pqrp2q2+q2r2+r2p2D=\dfrac{pqr}{\sqrt{p^2q^2+q^2r^2+r^2p^2}}

平面の方程式を利用して P,Q,RP,Q,R の座標を求めることにより,p=ka,q=kb,r=kc,(k=ax0+by0+cz0+d)p=\dfrac{k}{a},\:q=\dfrac{k}{b},\:r=\dfrac{k}{c},\:(k=|ax_0+by_0+cz_0+d|)

となるので,これらを上式に代入して整理すると

D=ka2+b2+c2D=\dfrac{k}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}

が得られ証明完了。

二次元の場合の証明をそのまま三次元に拡張できる場合(証明1,証明3)もあれば,拡張の際に工夫が必要となる場合(証明2)もあります。

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