三次,四次,n次方程式の解と係数の関係とその証明
三次,四次, 次方程式の解と係数の関係とその証明を解説します。。
なお,二次方程式の解と係数の関係およびその使い方,例題は二次方程式における解と係数の関係を参照して下さい。
三次方程式の解と係数の関係
三次方程式の解と係数の関係
三次方程式: の解を とおくと,
- 三次方程式の解は一般に非常に汚い(→カルダノの公式と例題【三次方程式の解の公式】)のに,解の和や積などの対称式は簡単に求めることができます!
- 符号に注意して下さい。1つめの式から3つめの式まで「マイナス・プラス・マイナス」と交互です。
の解を求めるのは難しいが,それらの和は ,積は と分かる。
与えられた三次方程式は,因数定理により
と因数分解できる。
2次の係数を比較すると,
よって,
同様に,1次の係数を比較すると, 定数項を比較すると,
→高校数学の問題集〈典型250問〉の問題22では,解と係数の関係を使う応用問題と2通りの解法を紹介しています。
四次方程式の解と係数の関係
四次方程式の解と係数の関係
四次方程式: の解を とおくと,
解の和と積(最初の式と最後の式)が特に重要です。ただ,四次以上の場合は使う機会は少ないです。
n次方程式の解と係数の関係
n次方程式の解と係数の関係
3次と4次の解と係数の関係を眺めれば, 次の「解と係数の関係」がどうなるか予想できます。
次方程式: の解を とおく。また, の 次の基本対称式を とおく。
このとき, に対して
ただし, 個の数に対する 次の基本対称式とは「 個のものから 個選んでかけ合わせてできるもの(全部で 通りある)を全て足しあわせたもの」です。
三次,四次の解と係数の関係の左辺が基本対称式になっていることを確認してください。
与えられた 次方程式は,因数定理により
と因数分解できる。
次の係数を比較すると
左辺は
右辺は (注)
よって,
について解くと
注:一番難しいポイント。
展開したときに に寄与する項は を 個, の中から 個選んでかけあわせたもの(の 倍)。それらを全て足し合わせると基本対称式が出現する。
5次方程式以上になると基本対称式を書き下すのがとても大変です。