- x(x−1)=31{(x+1)x(x−1)−x(x−1)(x−2)}
両辺を
x(x−1)
で割って
3
倍すると
3=(x+1)−(x−2)
となり正しいことが分かります。
この公式の応用例として
x2
の和を計算する問題があります。4乗の和,べき乗の和の公式で解説した公式です。
例
k=1∑nk2=61n(n+1)(2n+1)
を証明せよ
解答
上記の等式に対して両辺和を取ると,
k=1∑nk2−k=1∑nk=31(n+1)n(n−1)
ここで
k=1∑nk=21n(n+1)
を用いると,
k=1∑nk2=31(n+1)n(n−1)+21n(n+1)=61n(n+1)(2n+1)
一般化
St=k=1∑nkt
とおきます。
等式4を一般化すると
x(x−1)⋯(x−t−1)
という形の多項式を「差の形」で表すことができます。その等式と
S1,S2,⋯,St−1
を用いて
St
を計算できます。
別の観点
4を一般化した式を使うことで,以下の式を導けます。
k=1∑nk(k+1)…(k+m−1)=m+11n(n+1)…(n+m)
この式は,「連続する
m
個の整数の積の和」が
「連続する(m+1)個の整数の積」÷(m+1)
になることを表しています。
「差に分解して和と取る手法」のことを望遠鏡和(telescoping sum)と言うこともあるようです。