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部分分数分解など差に分解する4つの恒等式

更新日時 2021/03/07

k=1nfk(x)\displaystyle\sum_{k=1}^nf_k(x) を計算したいときに

fk(x)=gk(x)gk+1(x)f_k(x)=g_k(x)-g_{k+1}(x) と分解できればOK

目次
  • 部分分数分解

  • 階乗の形も差に分解する

  • xnx^n を差に分解する

部分分数分解

この「関数の差に分解する」手法の中でもっとも有名なのが部分分数分解です。

受験レベルで覚えておくべき恒等式は以下の2つです:

1: 1x(x1)=1x11x\dfrac{1}{x(x-1)}=\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{1}{x}

2: 1x(x1)(x2)=12{1(x1)(x2)1x(x1)}\dfrac{1}{x(x-1)(x-2)}=\dfrac{1}{2}\left\{\dfrac{1}{(x-1)(x-2)}-\dfrac{1}{x(x-1)}\right\}

これらの公式を活用する例題は分数で表された数列の和の問題と一般化をどうぞ。

また,直接部分分数分解できない場合も不等式で評価してから分解する問題もまれにあります:

x>1x > 1 のとき

1x2<1x(x1)=1x11x\dfrac{1}{x^2} <\dfrac{1}{x(x-1)}=\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{1}{x}

階乗の形も差に分解する

3: n1n!=1(n1)!1n!\dfrac{n-1}{n!}=\dfrac{1}{(n-1)!}-\dfrac{1}{n!}

右辺から左辺に行くのは簡単ですが左辺を見た時に右辺に分解するのは覚えていないと難しいです。

この恒等式は例えば漸化式を解くのに使えます。 →階乗を用いる漸化式の解法の例題2

xnx^n を差に分解する

4: x(x1)=13{(x+1)x(x1)x(x1)(x2)}x(x-1)=\dfrac{1}{3}\{(x+1)x(x-1)-x(x-1)(x-2)\}

両辺を x(x1)x(x-1) で割って 33 倍すると 3=(x+1)(x2)3=(x+1)-(x-2) となり正しいことが分かります。

この公式の応用例として x2x^2 の和を計算する問題があります。4乗の和,べき乗の和の公式で解説した公式です。

k=1nk2=16n(n+1)(2n+1)\displaystyle\sum_{k=1}^nk^2=\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1) を証明せよ

解答

上記の恒等式に対して両辺和を取ると,

k=1nk2k=1nk=13(n+1)n(n1)\displaystyle\sum_{k=1}^nk^2-\displaystyle\sum_{k=1}^nk=\dfrac{1}{3}(n+1)n(n-1)

ここで k=1nk=12n(n+1)\displaystyle\sum_{k=1}^nk=\dfrac{1}{2}n(n+1) を用いると,

k=1nk2=13(n+1)n(n1)+12n(n+1)=16n(n+1)(2n+1)\displaystyle\sum_{k=1}^nk^2=\dfrac{1}{3}(n+1)n(n-1)+\dfrac{1}{2}n(n+1)\\ =\dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1)

一般化

St=k=1nktS_t=\displaystyle\sum_{k=1}^nk^t とおきます。

恒等式4を一般化すると x(x1)(xt1)x(x-1)\cdots (x-t-1) という形の多項式を「差の形」で表すことができます。その恒等式と S1,S2,,St1S_1, S_2,\cdots, S_{t-1} を用いて StS_t を計算することができます。

別の観点

4を一般化した式を使うことで,以下の式を導けます。

k=1nk(k+1)(k+m1)=1m+1n(n+1)(n+m)\displaystyle\sum_{k=1}^nk(k+1)\dots(k+m-1)\\ =\dfrac{1}{m+1}n(n+1)\dots (n+m)

この式は,

「連続する mm 個の整数の積の和」が

「連続する (m+1)(m+1) 個の整数の積」 ÷(m+1)\div (m+1)

になることを表しています。

「差に分解して和と取る手法」のことを望遠鏡和(telescoping sum)と言うこともあるようです。

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